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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

2023/10/3の雑記 ウは宇宙ヤバイのウ!(新版)

宮澤伊織氏の「ウは宇宙ヤバイのウ!(新版)」を読みました。

宮澤伊織氏と言えば「裏世界ピクニック」が出世作・現在絶賛続刊中ですが、こちらはその連載前に執筆された作品の修正版ということです。

かなり大きな設定変更がなされているので「新版」ときちんとつけたほうがよさそうです。改変内容についてはあとがきに記載されているのですが、全く違和感なく読めてしまったので驚きました。

あらすじ。主人公である女子高生・久遠空々梨(くどうくくり)は宇宙から飛来した巨大隕石によって地球もろとも滅びました。
が、その直後に目を覚ますと、隕石飛来の三日前に時間が戻っており、同じく女子高生のヌル香によると、主人公は宇宙の凄腕エージェントだったが、世界線を混ぜてしまったために女子高生になってしまった。三日後に襲ってくる隕石をなんとかできるのか――

あらすじを見ると荒唐無稽ですが、以降の展開はもっと荒唐無稽で、しかし小説だからこそできる無茶な表現をいとも簡単に文字で処理しつつ、勢いと、女子高生主人公らしい若々しさとを兼ね備えたフレッシュなライトSFノベルになっています。さくさく読めました。SFは用語がそれっぽいというところなので、ハードなSFを求めるようなものではないです。道満晴明さんの漫画が好きな人はその雰囲気をイメージしていただくとよいのではないでしょうか。

旧版は残念ながら一冊で打ち切りになってしまったようですが、売れ行きによっては続編を匂わせるような記載があったので、ぜひ読んでみたいところです。