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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

2026/6/14の雑記 ナイブズ・アウト名探偵と刃の館の秘密を観た

Amazonでレンタルして「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」を観ました。

 

www.amazon.co.jp

 

2019年の映画で、巨万の富を築いた主人がパーティーの翌朝に死亡しており、この死亡の謎を解く探偵推理ものです。

映像は嘘をつかず、証言には嘘が混じる。そのルールの中でテンポよく展開する状況説明と人間模様が気持ちいいですが、お話の筋としてはとても「まとも」だと思います。登場人物が尖りすぎていないというか、それぞれキャラクターはあるのですが、現実的理性的なフィクションをやっているという印象です。

とはいえ、この「証言」を「登場人物が話していることは一字一句論理的に間違いがない」という前提でもあり、ふわふわした語りは登場人物には許されていない、訂正もできないようなルールなので、そこだけ非常に厳格だなという感覚でしょうか。

作品の性質上、途中に吐しゃ物が描写されるので、苦手な人はそこだけ注意していただきたいですね。

シリーズ探偵ブノワ・ブラン役がダニエル・クレイグ氏で、前半のアリバイ確認などの聴き取りシーンで「急にピアノの音を出して注目を得る」という動作をしており、キャラクターは濃いめで描かれています。しかし本作については探偵が中心的に立ち回ったかというと、事件解決以外の箇所の登場人物ドラマにも時間が割かれているので、事件を解決したのは探偵だけれど、しかし場面はほぼ自動的に回っていったという印象でした。

面白かったので、以降のシリーズも視聴していきたいと思います。そちらではブノワ・ブランがどのような活躍で描かれるのかが楽しみ。

2026/6/10の雑記 ニンテンドーダイレクトを見た、ほか

救国のスネジンカというゲームがあります。

playism.com

 

シリーズ二作目でして、溶鉄のマルフーシャという名前の作品です。ゲームシステムはほぼ同じで、リソース管理しつつ拠点防衛をする、タワーディフェンス的なゲームです。

この救国のスネジンカのサウンドトラックがめっちゃかっこいいです。各種音楽配信サービスで聴けますのでぜひ。

 

 

さて、2026/6/9のニンテンドーダイレクトを見ました。今回も非常にエキサイティングな内容でした。今回はニンテンドーダイレクトを観て思ったことを書こうと思います。

 

まず以下はダイレクト内で発表されたタイトルの一覧です。misskey内で公開されていたリストをお借りしています。

 

2026.7.2 リズム天国ミラクルスターズ
2026.9.25 鬼武者 way of the sword
2026.10.22 ワンピース 海のごちそうレストラン
2026冬 信長の野望 飛翔
2026.8.6 Lies of P
2026.9.3 オービタルズ
2026.6.25 StarFox ダイレクト終了後体験版
2027初頭 朧村正 怪奇譚
2026年8月 ぽこあポケモン 無料アップデート
2026年8月配信 ぽこあポケモン エキスパンションパス
2026.9.17 FE万紫千紅
2027春 ニンジャラ2 未知なる惑星
2026.6.10~9.1 Nintendoオンラインイベント DKチャレンジ
ダイレクト終了後第1回を開始(全4回) ドンキーコングバナンザ エメラルドラッシュ マリオコラボ
2026年 呪術廻戦 RUMBLE: SURVIVATON
2026.10.29 サンリオ パーティランド
2026.10.15 テイルズオブエターニア リマスター
2026.9.24 ダービースタリオン2
2027初頭 カリアのアトリエ
ダイレクト終了後 ユミアのアトリエ switch2 ED
ダイレクト終了後 ゼノブレイド switch2 ED
2026.7.30 ゼノブレイド2  switch2 ED
2026.12.3 ゼノブレイド3  switch2 ED
2027年 ゼノブレイド ジェネシス
2026.10.22 Nintendo Switch Sports Resort
2026.10.9 Dragon’s Dogma 2: Dark Arisen
2026年 ステラーブレイド
2026.10.8 地球防衛軍5
2026冬 地球防衛軍6
2026.9.10 東方紅魔郷
2026.10.22 ファイナルファンタジーレゾナンス
2026.6.18 冒険家エリオットの先年物語
2026.6.23 デビルメイクライ5
2026.7.9 グランブルーファンタジーリリンク 
2026.7.9 デジモンストーリータイムストレンジャー
2026.7.16 カルドセプトビギンズ 
2026.7.16 亰都ザナドゥ -桜花幻舞-
2026.7.16 フィットボクシング3
2026.7.16 ラタタン
ダイレクト終了後 たまごっちのぷちぷちおみせっち おまちど~さま!無料アプデ

2026.12.3 ドラゴンクエストモンスターズ4
2026夏 ダスクブラッド ネットワークテスト
2026.6.30 スプラトゥーンレイダース ダイレクト
スプラ3でコラボフェスもやるぞ!
2026.6.25 デルタルーン
2026.11.12 メタファー:リファンタジオ
2026年 マインクラフト switch2版
2026.7.16 Denshaattack!
2026.7.30 テニスの王子様 も~っと学園祭の王子様
2026.7.30 テニスの王子様ぎゅ~っと!ドキドキサバイバル
2026.7.30 ほの暮しの庭
2026.8.20 シュタインズ・ゲート リブート
2026.8.27 ブリガンダインアビス
2026.8.27 メタルギアソリッドマスターコレクションvol2
2026.8 先行プレイ開始 ファイナルファンタジー14
2026.9.17 アナザーエデンビギンズ
2026.9.17 空の軌跡the 2nd

2026.10.8 キングダム ハーツ コレクション1~3

時期未定 キングダムハーツ4
2026年 ゼルダの伝説 時のオカリナ

 

すごい量です。

 

タイトル数としては59本あります。本編は55分、かつタイトルによって長く紹介されているものがありますので、多くのタイトルは1分も紹介されていないことになります。

 

ニンテンドーダイレクトがほかのゲーム紹介番組と異なるのは、この非常に短いゲーム映像をどんどん切り替えて作品紹介を行っているところです。

例えば直近でも「State of Play」や「SUMMER GAME FEST」などがありますが、いずれもその放送時間が60分以上あるにも関わらず、紹介タイトル数はニンテンドーダイレクトの半分以下です。その分、一本ずつのタイトルは濃厚に紹介されています。

 

ニンテンドーダイレクトでは、一本のゲームを紹介をするのにあまりに短い時間しか割かれていません。その代わりに、まるでジェットコースターのように流れる情報の奔流は、それ自体が非常にエキサイティングな作りになっています。ニンテンドーダイレクトは「ゲーム紹介の集合」というよりも「新発売ゲーム映像を使用した全体で一本の映像コンテンツ」というつくりになっているのだと思います。特に、シリーズものの新作を紹介するのに過去作品のリマスターからステップを踏む流れ、番組中でも特に目玉にするタイトルの前にしっかり一呼吸置くなど、大量の情報量の中で緩急ができており、ゲーム紹介のインパクトを最大化するためにほかのゲームを使用するということをやっています。

 

このつくりは個々に紹介されるゲームから見れば「もっと自社のゲームに時間を割いてほしい」と考えて当然だと思いますので、自社のコンテンツだけでも十分に商売が成立している任天堂ならではの贅沢な作りに見えます。

 

これが「ゲームを紹介する」というのに正解なのかはわかりませんが、映像コンテンツとしてはこれ以上なく贅沢で、だからこそ多くの視聴者を獲得し、同時視聴が一大イベントとして成立しているのは間違いありません。ゲームを販売するのにこの宣伝方法が良いのかは、これもまた比較のしようがないものの、現実的に多数の視聴者を獲得するのだから、この映像に参加したいメーカーは多いでしょう。非常に強いサイクルだと思います。

 

今回のニンテンドーダイレクトについて、自分もまた大変に興奮しながら視聴をしていました。しかし、その後に落ち着いて考えたときに実際に購入をしようと新たに決意をしたものはなく、従来のダイレクトでも1本ないし2本程度であることが多いです。この部分は主観の評価に過ぎませんが、映像に対するプラスの評価は非常に大きく、鑑賞後の感想は「こんなにゲームを遊べない」というものになりながら、しかしそれは映像のエキサイティングさへの感想で、実際の購買とは別なのかもしれません。

 

ニンテンドーダイレクトについては、ショーケースというよりも、一本の映像コンテンツとして観察することで、エキサイティングな動画演出の勉強になるような気がしました。

 

ということで、今回紹介されたタイトル群ですが、明確に買おうと思えているものは今のところすでに予約しているリズム天国と、シリーズファンであるところのスターフォックスのみになりそうです。時のオカリナは買うかもしれません。

 

過去作のリマスターが多く発売されるのはうれしいものの、自分の場合は当時の実機環境があるのでちょっと手が伸びにくいのがうれしいやらもどかしいやら、ですね。

2026/6/9の雑記 近況とゲームプレイ他

 年度が変わりまして、あれこれ生活も変化しまして、ストレスも大きいもののなんとか日々を過ごしています。

 日常が変わってくると、嗜好もちょっと変わっていくのが面白いところで、長いことのめりこんでいたレトロゲームへの傾倒がちょっと落ち着きました。数年前にはちょっと出かければ地域の中古ショップに行きたくなっていたものでしたが、それもなんとなく落ち着いた気がします。中古市場がだいたい狩りつくされてめぼしいものへのヒット率が下がったことも関係しているかもしれません。

 また集めたゲームがこのままでは人生で遊び終わらないというのも大きい。一度プレイできたゲームを手放すかどうかは悩ましいところです。眺めたいけど、眺めるだけでは意味がないもので、誰かに遊ばれてこそ、と思っています。

 

 ゲームは継続的にプレイしているものの、ここ数年ずっと物語情報が過多だったような気がしていて、重厚な物語に対しての興味が少し薄れているように思います。一方で最近なぜかコテコテのラブコメに惹かれておりまして「宇崎ちゃんは遊びたい!」とか「押しかけギャルの中村さん」なんかを楽しく読めています。

 

 

 

 ちょっと前まではこういうのはしばらくいいかもしれないと思っていたのに面白いものです。甘酸っぱさへの希求がある。

 

 

 年が明けたあたりからエレキベースを練習したいという気持ちが起き上がってきて、日々練習を続けています。春を迎えたあたりからは「テミタイ」の作業も増えてきているので、毎日というわけにはいかないものの、短い時間でも弾き続けることができています。

www.temitai.net

 過去にエレキベースを弾いていた十年程度前と大きく変わったなと思うのは動画資料の豊富さで、youtubeで様々な教則動画を見ることができるようになりました。過去にも必要があって奏法を探しているときにタッピングにたどり着いたことはあったのですが、長らく名前は知っていてもどうやればいいのかわからなかったスラップベースを動画と共に学び、練習ができるようになったのはいい時代だなと思います。

 

 現状エレキベースを活躍させる予定はないものの、スムーズに指が動くのはシンプルに楽しい。できればエレキベースを活躍させる機会も得られると嬉しいですね。

 

 

 ゲームプレイについてはこのblogで感想を書いていますが、そのほかにも少しずつ遊んでいます。

「テミタイ」きっかけでもあり「maiden&spell」をプレイしました。

nippon1.jp

 キャラ同士のかけあいがあり、相手との一対一があるという点で「東方」によく似た作りですが、道中がなく、ボスは各最終段階を除けば体力ゲージではなくライフ制となっているのが面白いところです。画面も手前から奥ではなく固定画面なので、上下左右からやってくる弾幕に対応する必要があります。

 

 またセールのタイミングで「ショベルナイトポケットダンジョン」を購入しました。アクションパズルなのですが、リアルタイムでやらなくてはならないことと管理しなくてはならない要素が大きくて、ルールはわかったものの難度が高いです。ケアレスミスが許されない「ネクロダンサー」的な作りになっています。長くプレイしているのに全然クリアできません。

 しかしプレイを繰り返すストレスが小さいのはとても良いですね。

 

 また長らく積んでいた「little witch in the woods」もようやく起動しました。

store.steampowered.com

 steam版は日本語訳がやや怪しいですが、ゲームシステムがわからなくなるほどではないので遊ぶのには問題ありません。かわいいドット絵が良く動くのと、音楽がとても穏やかでよいゲームです。プレイ部分はちょっと作業感が多いですが、ちょっと落ち着きたいときにのんびり進めるのにいいですね。

 

 

 仕事でストレスを抱えると人生について考える時間が増えるようで、人生について考える時間が増えると自分の性質を少し変えたくなるようです。となると、新領域に対する勉強をしたい欲求が湧いてきて、過去に手を付けて離れた勉強に再度取り組むなどのことが起こっています。ストレス自体は完全に消すことはできないのだから、こうして何らかの形で昇華することができるというのはまぁ悪くないと思うことにします。

 できれば、勉強が何か実を結べばいいのですが、そもそも「テミタイ」をやろうと思ったのが、自身の残った時間で何ができるかを考えた結果であるので、テミタイが疎かにならないくらいのバランスを目指したいものです。

 

 

 ここ十年弱の間で人間関係は目まぐるしく変わり、たくさん関わる人とぱったり関わらなくなったり、新たなかかわりができたり、過去から続いている縁に感謝したりするようになりました。

 普通に考えて、自分の年齢であればこのような変化はライフステージ的に当然の状態ではあります。この点はあれこれ考えるよりも、自分の家族を中心に、近しい人と時間を過ごすということを考えてはいるものの、変化がドラスティックだったので気持ちが追い付かないまま数年が経ったという印象です。

 

 

 今回はあまりテーマを決めずに文章を書きなぐってみました。過去はそういったことを多くやっていたのですが、ここしばらく雑記と言いつつも単一の作品感想であったりと、何かを客観視することが多くて自分自身について語ることが多くなかったと記憶してます。

 社会や出来事について何か言いたいという欲求はだいぶ減ったような気がするのですが、しかし「わたし」を書くことで出る物語性のような楽しさはあると思うので、ちょっとスタイルを再度模索する時期にしてみようかな、という次第です。

2026/5/24の雑記 ゼノブレイド3をクリア

ゼノブレイド3をクリアしました。

 

www.nintendo.com

 

おおよそ2年前にゼノブレイド2をクリアしており、ソフト自体はそれよりも前に買っていたため、だいぶ熟成させてからのプレイ開始となっていました。

 

paperview.hateblo.jp

 

以下、本編のネタバレ等も含んでの記載となりますのでご注意ください。

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2026著作権と楽譜とゲーム音楽と その4(終)

その3:2026著作権と楽譜とゲーム音楽と その3 - paper-view

 

 ここからは、現状を踏まえ筆者が試みるアクションと、今後の展望について書いていきます。これまでが長く現状、特に著作権法と楽譜データの不和とゲーム音楽演奏分野で起こってきた苦境について書いてきたため、ここでようやく未来を向くこととなります。

 

「楽譜」に特化した情報の流通を目指す

 2025年末頃に友人らに相談をして、新しい企画を立ち上げました。すでにSNS等でリリースをしています「テミタイ」という企画です。

 

www.temitai.net

 

 この企画で実施していることは、ゲーム(とくにインディーゲーム)に使用されている音楽について、ゲームの制作者様、あるいは楽曲の作曲者様に二次創作楽譜を作成してよいかどうかを確認し、了解を頂けたならばそのゲーム自体の紹介とともに二次創作楽譜を作成してよいことの周知、そして実際の二次創作楽譜の制作を行うというものです。

 

 その3までで述べているように、もし「二次創作楽譜データを作成、発表しても問題ない」という許可が事前にあれば、データ化された楽譜を操作することの著作権法上のリスクがほぼなくなり、データ化された楽譜を使用することで得られる利点をフルに活かすことができるようになります。

 

 今まで作成した個人、またはその演奏団体を超えて演奏されることがなく、同タイトルは演奏するたびに別個の人物が採譜・編曲を行っていた二次創作楽譜ですが、データ形式での共有が可能になれば、従来要していた楽譜制作の時間を大幅に減ずることができます。

 

 上記の企画サイトでは、今後も順次、二次創作楽譜の制作が許可されたタイトルのご紹介や、実際の楽譜制作を進めていきたいと思います。

 

作曲者の方とお話しする

 厚かましいお願いとは自覚しつつも、対面またはオンライン上で、実際に制作者様にお話をさせて頂き、楽譜を制作してもよいかということを尋ねています。その交渉過程や実際にサイトの運用を開始したことによる実感と、展望についてお話していきます。

 

 実際の交渉はオンラインで行うこともありますが、インディーゲームイベントや音楽系のイベントに足を運び、制作者様と直接お話することを重視し、実行しています。ゲームの場合、イベントの場にいらっしゃる方=作曲者様ではない場合も多々あり、音楽素材部分は外注またはフリー素材を使用することも多く、交渉が難しいケースもあります。

 

 しかし多くの場合、作曲者の皆様は、楽曲を第三者が演奏することについては大筋で寛容であるという印象を得ています。これは想像に難くないところだと思いますが、職務著作として制作者本人から著作権が離れているケースでなければ、やはり自身が作曲した楽曲が親しまれるのは喜ばしいことなのだと思います。お話のなかで「MIDIデータを提供しますよ」とおっしゃっていただけるケースも複数ありました。

 

「楽譜」の著作権が取り巻く現状が難しいものであることに興味を持ってくださった方も居ました。自身でも同様に思いますが、演奏という行為に直結する要素でありながら、楽譜というものは埋もれがちな存在であるようです。

 

 現状の手ごたえとしては、きちんとお話をした際には、楽曲について「All rights reserved」とされている作曲者様でも、演奏や楽譜制作を快諾してくださる方が確実にいらっしゃる、という印象です。

 

 この感覚は、おおむね2010年頃だったと思いますが、ひょんなことからゲーム業界の各メーカーの方とお話させていただいたときと似ています。同人活動については皆様、基本的に寛容な考えでいてくださっています。やはり、職務著作として著作者の手を離れ、法人の管理のもとになることが、非営利の二次利用についても複雑な状況を形作るようです。

 

2026年という時代の難点

 上記のように、作曲者様と直接お話をし、確認させていただくことによって、楽譜データ活用の道が拓ける、という状況ではあるものの、実際にその道を進んでいく、というのは非常に難しいことだと考えています。

 

 一つは「ゲーム音楽演奏」という活動ジャンルについての現状によるものです。2006年頃に急激に拡がりを見せたゲーム音楽演奏(再度になりますが、ここでは吹奏楽管弦楽規模のものを指します)は、2014年頃にはそのジャンル自体のフロンティア感が薄れていたと感じています。

 

paperview.hateblo.jp

 

 現在、ゲーム音楽の生演奏を聴くことは全く珍しいことではなくなり、年に何回もビッグタイトル公式のシンフォニックコンサートが開かれるようになりました。現在「ゲーム音楽を演奏する」ということについて、アマチュア楽団がこの「シーン」に対して影響を与える時期は過ぎたと感じています。

 

 概ね同じ2014年頃から、各ゲーム音楽団体の横の交流は活発さを減らし、一つ一つの楽団は従来存在した「ゲーム音楽ではない」地域に根差した吹奏楽や管弦楽の団体と似た性質に落ち着いていきます。当時、精力的に活動してきた20代の世代は現在40代前後になり、それぞれのライフステージが進行しています。

 

 ゲーム音楽の演奏自体の火が完全に消えることはないものの、それらは「吹奏楽団だから吹奏楽を演奏する」のと同じく「ゲーム音楽楽団だからゲーム音楽を演奏する」というカジュアルな行為、新規性の薄れたものになっています。

 

 このような中で演奏行為は集団で行われ、演奏を聴く観客もまた集団が想定されるため、演奏のために選択される楽曲もまた、多くの人が知っているタイトルが中心となります。メーカーで言えば「任天堂」「スクウェア・エニックス」から発売されたタイトルに大きく偏り、この傾向は20年以上変わっていません。

 

 ここから敢えて「インディーゲーム」を選んで演奏するというのは、現状ではなかなか難しい話であるように感じています。インディーゲームにも、ゲームシーンとも相まって素晴らしい楽曲が多数ありますが、前提としてゲーム作品への想いが奏者、聴衆双方に必要なジャンルにおいて、インディーゲームの音楽を差し込んでいくことは大変なことだと思います。

 

 

 同様に、インディーゲームというジャンルにも、過去と比較して変化が生じています。国内のインディーゲームは2015年頃、undertaleが話題になったころから盛り上がりを見せ始めたと感じています。筆者もundertaleの公式の日本語版が現れる少し前くらいに日本語化パッチによって遊び、以降steamからインディーゲームに触れたと記憶しています。

 

 この後「インディーゲーム」は徐々に盛り上がりを見せ、コンシューマーゲーム機でも手に届くようになり、大手メーカーが制作したものにはない尖ったものが好感を得て、伸びていきますが、2026年現在では方向性が変化していると感じています。

 

 現在もショーケースのライブ番組では新作が多数紹介され「東京ゲームダンジョン」や「Bitsummit」は活況であるものの、個人開発の規模を大きく超えたタイトルや、大手出版社がパブリッシャーとしてかかわるケースなど「インディーゲーム」の言葉の意味するところが広くなっています。

 

 有名シリーズのいわゆる「精神的続編」と銘打たれるような作品は、いずれも大手ゲームメーカーではないところからの発売となり、インディーゲームの文脈で語られていますが、制作規模としては大手ゲームメーカーが制作するものと変わりありません。

 

 発表されるゲームの中で、過去に話題になったアイディアに類似したものの割合が多くなり、特にローグライトが数多く制作され、新規の尖ったアイディア、斬新なプレイ体験に出会うことは難しくなっています。

 

 また、undertaleが盛り上がった2015年は、前述のとおりゲーム音楽演奏が一つの区切りを迎えた頃でもあります。このような中で実際に「インディーゲーム」と言われる類のゲームが演奏されたという実績は、あまり多くはありません。国内では大きく「東方シリーズ」「Undertale」、次点で「OMORI」などに偏っているのではないでしょうか。

 

 インディーゲームの市場は非常に多様ではあるものの、多様であるからこそ、集団での演奏の対象として選曲するにはその知名度で閾値を超えない状況にあります。意識的に拾い上げていくようなやりかたでなければ、演奏をしたい、というコンセンサスを作るのが難しい状態にあるのではないでしょうか。

 

二次創作楽譜とデータ化された楽譜は新しい景色を見せるか

 ゲーム音楽演奏に関する現状を踏まえつつ、筆者としてはなお、ガイドラインによって制作される二次創作楽譜について、希望をもって行動したいと考えています。

 

 その単純な根拠としては、ジャンルとしての「ゲーム」が好きだからという想いが根底にあります。奇しくもこれまで、ゲームと音楽とゲーム音楽演奏と切っても切れない人生を歩んできて、ライフステージが進み、生活が変化していく中、今後どのようなチャレンジができるだろうかと考えたときに思い浮かんだのが上記「テミタイ」の企画でした。

 

 世の中に発表されるエンターテイメントは増え続け、過去の名作は色褪せず、大量の作品が世の中にあります。その中で「誰もが知っている名作」も変わらず増え続けていますが、アルゴリズムなどを利用して「私に刺さる作品」を見つけやすくなっているのもまた現代の特徴です。

 

 大手のパブリッシャーを通し「大衆向け」に作品を送るモデルだけでなく、小規模でもアルゴリズムを通して、作品を最大限に楽しめるターゲット層に直接届けるというモデルも成立します。であればゲーム音楽演奏も、作曲者と演奏者と聴衆はより近い関係になりえるのではないでしょうか。

 

「誰もが知っている物語」ではないかもしれませんが「私と、誰かが好きな物語」を、その作り手と共同して奏でるのは、二次創作楽譜やインディーゲームのように、その創作者との距離を近くすることができるからこそ可能な創作だと思います。これは、従来の「ゲーム音楽を演奏する」とは少し異なる、これからのフロンティアたりえるのではないかと思います。

 

イベントとゲーム音楽演奏

 日本にはまだMAGFestのような規模のゲームと音楽のフェスイベントはありませんが、しかし魚津ゲームデイのように、少しずつその土壌が見え始めています。

 

www.magfest.org

 

uozugameday.com

 

 ゲーム音楽演奏ではなくとも、ゲームプレイに関してはRTAイベントや格闘ゲームイベントはユーザー主導のものが大規模化しています。

 

 このようなユーザー主導イベントと、音楽演奏の相性は根本的には良いはずです。もし楽譜データの著作権抵触によるリスクが解決すれば、より、様々なイベントにおいてカジュアルにゲーム音楽を演奏する時代の可能性は一気に拓けるのではないでしょうか。

 

 もしゲーム実況配信とガイドラインの関係のように、楽譜データを作り公開することが一般化することで「二次創作楽譜データは非営利、38条演奏を前提とするならば作成が可能」というガイドラインが設定される世の中が訪れたならば、過去に制作された二次創作楽譜も、そのすべてが新たな可能性を見せることになります。

 

 ビデオゲームは物語を描き、物語を彩る音楽は心に残り、心に残る音楽は好んで奏でられるようになりました。法に反したいとは思わないものの、法だけではうまく取り扱えない二次創作楽譜というジャンルに、ガイドラインという手段によって新しい可能性をもたらすことができたら、ゲーム音楽を演奏するということだけではない豊かな文化を作ることができるのではないかと思うのです。

 

町のお祭りでインディーゲームの音楽が流れだしたら楽しくて仕方がないと思う

 90年代、テレビからゲームの音楽が不意に流れてきたとき、ちょっと嬉しくなりました。

 00年代、学園祭でゲームの音楽を演奏したとき、急に演奏会場がお客さんで埋まり、驚きました。

 今はどちらも珍しいことではありませんが、もし今後、町のお祭りのステージで、知っているインディーゲームの音楽が当たり前に演奏されたら、ちょっと嬉しくなると思うのです。

 

 そしていつか、町の祭りの一番のステージで好き放題に好きなゲームの音楽を演奏して、そのあとは屋台の飲食を悠々と楽しむようなことができたら最高です。

 

 いつかそんな未来を観てみたいと思い、信頼できる友人に企画について相談し、「テミタイ」の企画を立ち上げました。

 

以上で「2026著作権と楽譜とゲーム音楽と」を完結させていただきます。ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

二次創作楽譜に興味を持ってくれる方へ

「テミタイ」の活動は現在、立ち上げからのごく少数のスタッフで回しています。インディーゲームが好きな方、音楽がお好きな方、楽譜づくりや演奏をされる方でご協力いただける方がいらっしゃいましたら、可能な領域でご協力いただけますと幸いです。

・二次創作楽譜を作る

・二次創作楽譜を使って演奏する

・二次創作楽譜の制作が可能なゲームを紹介する

・二次創作楽譜の制作が可能なゲームの音楽を紹介する

 

 このようなことに興味のあるかた、または二次創作楽譜のガイドライン設定に積極的なゲームの制作者様、作曲者様とかかわりがあるかたがいらっしゃいましたら、筆者または関係者までご連絡いただけますと幸いです。

 

2026著作権と楽譜とゲーム音楽と その3

その2:2026著作権と楽譜とゲーム音楽と その2 - paper-view

 

 データ化された楽譜についてその利点を連ねていきますが、しかしその1、その2で述べてきたように、楽譜そのものが著作物であるためにデータ化された楽譜が存在していたとしても、そのままでは利点を発揮することがほぼできません。この難点は利点を述べた後でもう一度繰り返したいと思います。

 

データ化された楽譜の利点

 電子データになるということは、複製、送信、受診が容易です。共同作業や改版管理もしやすく、メタデータとして内部に格納すれば同データ内に同梱しておきたい楽譜紙面外の情報も記載できます。例えば、その楽曲に関連する情報、参照すべきURL、ライナーノーツなどといった情報です。

 データ化された楽譜は修正、調整、追記が容易です。例えば当該の楽団において必要が生じてカット指示、繰り返しなどが必要になった場合にはそのまま楽譜そのものを調整すれば指示を伝播させるまでもなく、データのタイムスタンプを更新すれば伝わります。

 個々人の認識、習熟等に合わせた記載の処理もできます。例えばTAB譜と五線譜の相互の行き来、音階名の記載など。本来行いたい表現に対しては正しくないかもしれませんが、ダブルシャープやダブルフラットを略す、また付点四分音符を四分音符+八分音符にするなども、現場の習熟度や実質的対応に合わせて書き換えが可能です。

 指揮者の指示によって「ここは強く」としたいときには、紙の楽譜でしたらそれぞれの指示の場で逐一奏者が楽譜に書き込みをすることになりますが、データ化された楽譜でしたら直接データ上に追記すれば漏れなく伝われます。

 異なる楽器間での五線譜のコピーなど、演奏する楽器構成に合わせた調整も、楽譜制作ソフト内で可能な音域まで含めて即時で対応可能です。演奏に集ったメンバーで、いずれかの音域の音量が足りない場合、補助的に楽器を追加するような場合はコピーペーストすれば足ります。

 メンバーを構成するすべての楽器の音域や、また移調譜についての知識も、ソフト側が補完し、構造的に出せない音は視覚的に表示し、実音と記譜上の移調を瞬時に切り替えてくれます。

 

 総じていえば、データ化された楽譜は、最終的なアウトプット、すなわち「演奏」に迅速に対応することができ、かつ「演奏」を向上させるためにあらゆる方法を取ることができます。加えて、印刷することも可能です。

 

 一曲を複数人で耳コピし、それらを合成して原曲の楽譜を完成させ、それらを演奏形態に合わせて再アレンジし、演奏メンバーが最もスムーズに練習できるように記載を調整し、練習の過程で追加された指示や表現を記載することができます。

 

 

 以上のように、既存の音楽に対してこのような方法でデータ化された楽譜を作成、現場に合わせた対応をする場合、上記の行為がすべて著作権法に抵触します。

 

 繰り返し、筆者および本稿は著作権法に積極的に反する目的ではありませんので、このような行為が著作権法に抵触することについて、著作権法そのものの条文について問題視はしておりません。例えば楽曲の製作者が「改変はしないでほしい」と考えるときにはあらゆる改変はされるべきではないと考えています。

 

 その1で述べたように、楽譜制作をレシピ、すなわち既存の音楽または音楽が描こうとしたものを再現するための手順として制作していく場合、思想としては著作権法の想定する翻案とは真逆、いかにイデアに迫るかという作業です。このようなアプローチは従来の出版楽譜でも、実際に演奏現場で指揮者によって行われるものでもあります。

 

現実的にとられる選択を踏まえる

 著作権法は、著作物の権利者と利用者の相互間において、権利者の意にそぐわない使用方法があった時に権利者が行使できる権利を記載しているものであるため、すなわち権利者の意に反しなければ抵触があったとしても問題にはなりません。

 

 権利者と利用者の間、権利者が超えられたくないラインを確定させるには、権利者と利用者の間の相互の密なコミュニケーションが必要となります。

 

 ですが、この権利者と利用者の間のコミュニケーションにかけるコストが大変に重く、かつこのコミュニケーションによって権利者はかえってコストやリスクが増すからこそ権利者の黙認に頼ることによって二次創作は発達してきました。

 

 二次創作における「演奏」は成立していますが、その過程である「二次創作楽譜」は、演奏にかかるサンクコストの大きさによって表に出ないことが通常となっています。

 

 では手続きを踏まえて世に出る市販譜は、その楽譜にかかる各種著作権が演奏において守られているかと言えば、そうではない=演奏成立にリスクの小さい著作権の抵触はカジュアルに行われていという現実があります。

 

 法に抵触せず、楽譜が存在しない音楽を演奏するために楽譜を制作するということは理論上可能であっても、それらが現実的ではなく、実際の現場では「二次創作楽譜は世に出ない」という結果が現実としてあります。

 

 そして世の中で自由に手に入れることができる「データ楽譜」、つまりデータを改変できる楽譜はほぼ、パブリックドメイン化したもの(著作権法の保護期間が過ぎたもの)のみになっています。

 

ガイドライン設定によって開かれる可能性

 人気の弾幕シューティングシリーズである「東方シリーズ」は、二次創作に対して寛容であることで知られています。東方シリーズは音楽においても多数の二次創作が作られました。

 二次創作の中には音楽データもあります。midiファイルとして制作され、midiファイルを基にしたさらなる二次創作が可能となっているものもあります。これらも、原作の著作者であるZUN氏の二次創作に関する理念のもとに公開がなされています。

takker6.tada-katsu.com

 midiデータの公開は、編集可能な形態であるという意味で楽譜データの公開とほぼ同義です。

 

 ガイドラインの設定によって、著作権法によって著作者が得られる権利に対する著作者のスタンスが定まり、二次利用に関するコミュニケーションコストを削減しつつ、二次利用範囲をコントロールすることが可能なことは本稿のその2で述べています。

 

 このガイドラインに音楽演奏が加わることが増えてきていることもまた本稿のその2で述べておりますが「楽譜データについて」が加われば、従来表に出なかった「楽譜データ」に新しい可能性が現れるのではないでしょうか。

 

AIが採譜と編集を行うとき、著作権法的に対応することができるか

 精度はともあれ採譜を行うAIはすでに存在し、またAIによってpdf総譜からパート譜を切り出してくれるツールも存在します。

 

 

 その1で再度触れるといった話題に戻ります。オーケストラ音源が存在し、そのオーケストラ音源をAIが採譜し、そうして作られたフルスコアをAIによってパート譜に起こす、これをオーケストラの構成員がそれぞれ行って現場に「自作の楽譜」として持ち寄って合奏を完成させてしまった場合、個々の楽譜は複製権の「私的使用のための複製」から逸脱していると言えるのでしょうか。

 言えそうな気はしますが、果たしてそれで実質的に演奏行為を止めることができるでしょうか。38条の範囲での演奏なら猶更難しいのではないでしょうか。

 

 本稿では趣旨ではありませんので、印刷された楽譜という形態を前提とした出版楽譜のビジネスモデルと、38条であれば無償で演奏が可能というそもそもの法への踏み込みは避けるとしても、楽譜のデータ化が真に容易になった場合に、単に利用する側の「良識」によってその利用に対応するのには実質的限界があると考えます。

 

 二次創作楽譜は著作権に抵触し、演奏を成立させる中で二次創作楽譜は演奏の瞬間以外は隠れ、楽譜や演奏もAI技術による影響を受け、著作権法の当初の想定からの乖離は進んでいきます。

 

 地下化する楽譜データが無数に蔓延していくよりも、著作者の考える二次利用の範囲の中で、楽譜データが発展し、アウトプットとしての演奏が豊かになる、といった流れにしていくことはできないものでしょうか。

 

 

ガイドライン、ライセンスのテンプレート

 著作物に対する態度を決定するガイドラインについて、その2で述べたように配信ガイドライン、二次創作ガイドラインを個別に設定する方法がありますが、2001年から「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」という、著作物に関する権利を保持したまま二次利用に対する許可内容を明示する方法があります。

 

creativecommons.jp

 

 非常に明確かつ簡単に利用できるライセンス表明ではありますが、国内での普及度、知名度はとても低いです。筆者がたまたまこれを知ったのは2005年のことだったと記憶していますが、今までほとんど、どこかで言及された記憶がありません。

 

 実際にクリエイティブコモンズライセンスではなく、独自のガイドラインが制定されるのはパッケージ化されたクリエイティブコモンズライセンスは日本国内での使用にうまく合致しないという状況もあるようです。特に「同人」という文化は「非営利」という表現との兼ね合いが非常に難しいため、やむを得ないようにも思います。

 

データ化された楽譜の活用が整備される可能性を探る

 では実際に楽曲の作曲者の皆様の側はどうか、というと「演奏」について寛容な意識でいらっしゃる方も多いです。機械演奏されている音楽について、楽器演奏することが歓迎であるという立場の方も少なくありません。

 

 だからこそ、楽器演奏用の楽譜が存在しない楽曲の二次創作楽譜制作自体が著作権法に抵触する現在の状態は、静かに、しかし重く作曲者と演奏者の間を断絶し続けてきていると言えます。

 

 作曲者が法38条演奏ならば楽器演奏のための楽譜を作成しても差し支えないと考える場合、これを簡単に表明できる方法があるならば、二次創作楽譜データは表に出て活用することが可能になり、演奏という最終アウトプットを向上するためにデータ化された楽譜によって可能なすべての手段がクリアなものとなります。

 

 データ化された楽譜の作成が容易になり、ゲーム音楽の楽器演奏が活発化して20年が経過していますが、今だ楽譜データは地下に潜っており、データ化された楽譜と著作権法の折り合いはつかないままとなっています。この状況を動かすことはできないものでしょうか。

 

 次回は、筆者がするアクションや今後について綴ります。



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2026著作権と楽譜とゲーム音楽と その4(終) - paper-view