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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

2023/10/15の雑記 Sea Of Starsの感想

トレーラーが出たころから気になっていたSea Of Starsをプレイしました。

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トレーラー映像を見て頂くのが早いですが、2Dドット絵で表現されていて、明確に「クロノトリガー」をオマージュした表現になっています。戦闘も味方の合体攻撃がある、シンボルエンカウント時にも若干の敵の動きがあるなど、これもまたクロノトリガーらしい表現です。そして、ゲストコンポーザーとして光田さんが参加されています。

戦闘はジャストタイミングでボタンを入力することで、攻撃や回復時の数値にボーナス、または敵の攻撃のダメージを抑えるなど「スーパーマリオRPG」シリーズの要素が取り入れられています。レベルアップ画面で追加で伸ばす能力を選択できるのもマリオRPGシリーズのような要素です。

さらに、「オクトパストラベラー」のような要素もあり、敵の行動予告時には行動キャンセルに必要な属性のシンボルマークが表示され、リミットターン以内にその属性で攻撃し切れば行動をキャンセルできます。

これらの三つのゲームをミックスしているようですが、戦闘バランスは独自のもので、HPは少な目、敵のダメージは大きめ。こちらの攻撃行動でMPが回復するため、回復したMPでHPを回復しながら戦います。前述の敵の行動のキャンセルもありますが、キャンセルに必要な回数の行動はジャスト入力で攻撃回数を増やさなくてはならないため、回復によって全滅を防ぐか、攻撃によって行動を阻害するか、といった選択を迫られます。

ジャスト入力が必要、となるとアクションが苦手な人には難しいように見えますが、実際には公式チートのような緩和措置と、よりハードなゲームを望む人に向けた機能が充実していて、自分にとってちょうどいいレベルでゲームを楽しむことができます。自分の場合には獲得するお金、EXPに多少のボーナスが入るようにしていました。

プレイ時間は全体で30時間程度でした。以下、システム面をさらに掘り下げていきます。ストーリーの詳細ネタバレはしませんがシステム面の展開ネタバレはあります。

2Dのスーパーファミコン時期の表現をしているように見えますが、実際にはもっと高度な、現代でなくてはできない表現が多数含まれています。たとえばマップ上では何か所か「その時の時間を自由に前後に変えられる」ギミックがあるのですが、太陽の位置に併せて画面の構造物の影が動きます。さらにそのギミックは後半マップ上のどの位置でも使えるようになり、空が見えている場所であればいつでもその表現を観ることができます。

音楽は全体的にSFCっぽいドット表現に合わせた軽さですが、途中で現れるNPCキャラたちのライブ表現が凝っています。街中の酒場などで演奏をしているのですが、演奏のBGMで特定の楽器パートが演奏していない間、ドット絵もきちんと演奏を止めています。さらに、演奏中のキャラに話しかけると演奏を止めますが、その間はBGMのほうの当該楽器パートの音が止まります。

マップ上のゲーム進行は「徒歩」→「地点間ワープ」→「船」→「空を飛ぶ手段」と増えていき、これもまたSFC時代のRPGっぽい展開です。

物語展開は運命を背負った主人公たちとそれを支える仲間たちと、これもまた王道ですが、一方で人々は運命に縛られない個性があり、その一方で世界にはもっと深い歴史が用意されています。ゲーム中には表れてこないような設定もたくさんあるのだと思います。

唯一残念だったのが翻訳で、英語的にはそうでも、そこはそう訳すべきではないだろう、という箇所がかなり多くありました。たとえば"Then"とかだと思うんですが、どのキャラでも「それなら」「なら」と頻発します。また"That's"などを「それって最高だね!」のように「○○って~」と訳すのも頻発しています。
このため、ダイアログの各キャラの表現のアクのような部分が似通ってしまい、頻発するため印象が引っ張られます。スターオーシャン2の三点リーダの頻発を悪い方に寄せてしまったような感覚です。
そのほかにも訳の難のようなものは多く観られます。たくさんの文章を読むことになるRPGでちょっと辛い箇所です。特に、前述したような重厚な世界設定をしっかり理解していくのにノイズになりやすいです。

それ以外の要素は文句なしの面白いRPGでした。後半マップで戦闘音楽が若干変化するのもいいし、ラストのラスト、クローズアップされたキャラクターで「これはどういう物語なのか」を明示しているのもよかった。ボリュームもしっかり、表現もしっかり。サントラは1200円で200曲を超えるボリュームです。

クロノトリガー」「スーパーマリオRPG」を通った層には特にお勧め度の高いゲームです。