言いたいことは「ターゲットがたった一人でも、外ヅラはよくしようよ」ということなのです。
ときめきメモリアルって、そういうところリアルだよね。
以前にこんなことを書いたんですけども。
たまにギャルゲーとか、ハーレム系アニメ(以下ハーレム系でまとめます)の「ありえなさ」みたいなことが話題に上ると思うのですが、この「ありえなさ」は「ヒロイン全員が主人公のこと大好き」とよく解されている。
けどその中身を真面目に考えていくと「ヒロインたちに対して主人公以外に社会が開かれていない」と表現したほうが自分としては近いと思うんです。
来るべき近未来、人類は戦争の末死滅し、地球に残された人類はさえない男主人公一人と、十数人の美少女たちだけであった!
……ってなったら、残ってしまった男の取り合いになるのは動物としては必然。
そのくらい、ハーレム系作品は、ヒロインが選べる対象がない。そりゃあ、さえなくても主人公に恋しちゃうよね。種の保存だってあるからね。
と、いうことは特段不思議なことではないと思うんですが、なんでそれを長々書いたかっていうと、転じて「ヒロインの置かれている社会って、対象についてどんな感情を抱くかのものすごく大きな要因だよね」ということを言いたいのです。
特段恋愛関係に限る必要はないんですけども、ふつうの人は、自分の周りの人が、自分以外に人間関係を持たない状況には陥りません。
そして、人間関係は高度に選択されています。普段遊ぶ友人、必要なときに連絡する人、場合によっては血縁の家族すら、人は取捨選択の対象とする。
「この人はいい人かどうか」「この人と共にいることは、自分にとってプラスになるだろうか」っていう選択を、明言せずとも無意識にする。損得勘定です。損得勘定というと無機質に見えるかもしれない、けどこの言葉を使いましょう、有限な自分のリソースを配分するとして、利がある人を選ぶことに当然なる。
恋愛だけがそこから切り離されるなんてことはないです。1対1の関係にクローズアップされるため、あまり意識に上らないかもしれないですが「いちばん近くに置く可能性のある相手」なんですから一番、慎重に損得勘定が行われるはずです。
無意識で、ですよ。
「この人は他の人にはものすごく不愛想だし、やる気もないし適当だけど、私に対してはものっすごく優しいし、積極的だしリードしてくれるし立ててくれる、キュン……」
ってなるか。そうとう視点が狭くないと、ならない。
「私には良くしてくれるし積極的みたいだけど、他の人達にぶっきらにしてる人と恋愛関係になったってなると、自分の評価は下がるよなぁ……」
と(何度も言いますけど無意識にですよ)考えるんじゃないかなと思う。
だから好きな人が居るとか、もう究極好きじゃなくてもセックスだけはしたいとか、そういう感情でもいいけど、誰かに心とか体とか許されようとするなら、その人以外への接し方はもっと気を使ったほうがいいんじゃないの、と思うのです。
ほんで、気を使ったほうがいいんじゃないの、とかって言うと戦略的に見えちゃうかもしれないけど、つまりは「皆に向けて心から丁寧に接しようよ」っていうわけで、それをしてないと比較的すぐばれる。
ときめきメモリアルは、意中の女の子以外をおざなりにすると意中の子を含めた全体の好感度が下がるシステムだけど、これはとてもリアルだと思う。
悪い噂はものすごい勢いで駆け巡る。
どんなに単体の好感度を上げる努力をしていても、他の人に対する粗野な振る舞いは、好感度を上げたい対象にとっての「その人と関係を結ぶデメリット」をガンガン増していく。
「メリット/デメリット」となる変数は他にも無数にありますので、もちろんそれだけで決定されるとは言いません。
ということで、もういちど「ターゲットがたった一人でも、外ヅラはよくしようよ」と思うのです。
そして「そのターゲットを射止めようとするには、今の人間関係下ではたぶん厳しすぎるぞ」とか思うこともあるのです。結構いろんな場でね。
パラメーター調整は大事だね。