10巻まで読みました。じつはこの人の漫画をちゃんと読むのは初めて。「ノノノノ」は途中から立ち読みだったし、エルフィンリートもちょこっとしか読んでない。敢えて言うなら「君は淫らな僕の女王」は入れられる。
独特の表現力、セリフと画のあいだになにかあるような感じがして、ちょっと軽薄というか機械的な印象が最初はあるのだけど、ストーリーと相まってのちのちに融和していく。
異能力バトルものとしてはそんなに特別なこと、ややこしい能力は登場しないのにバトルは臨場感しっかりあって、話の組み立てがすごく上手です。
貸してくれた人曰く「10巻までが面白い」ということなのでここからが楽しみ。
■あげくの果てのカノン
「主人公はストーカーの女の子で、好きでストーキングしてる男の人が戦場から帰って徐々に異常事態、でも好き!」
という、主人公の眼が曇りまくってることによってうまくドラマ性を引き立ててるアイデアが光る漫画。 世界設定はSF感あってまだ全貌がわからないのだけれども、さいしょに考えていたのとは全然違う感じだった。
「好き」ってどこからくるのか? 好きな人の性格と嗜好とがぜんぶ入れ替わってしまっても、その人を好きでいられるのか?
という問いがちらちら見えてて続きに期待。
■コネクト
主人公はアニソンに心惹かれる少年で、漫画を題材に曲を書く……という設定を「ととΘωθ」のメンバーから聞かされて「んん???」となり買って読んだ漫画。いわゆる「ものづくり系」な匂いが強い。G戦場ヘブンズドアとか、大東京トイボックスみたいな。
とはいえ実際にそういうものづくりを趣味としてる自分としては、ドラマ進行上の障害して設定されてる主人公の自己肯定感の無さは好きになれないところ。ダブルヒロインものだと考えたら致し方ないところだとは思うけど。
ラブコメでいくのか、それともものづくりで行くのか。
■ドロップフレーム
いまのところ今年最も推したい漫画。2巻まで発売、明日3巻が出る。分類としては「ループもの」に入るのかもしれないけど、 いわゆる「繰り返すことができる」という類のものとはすこしちがう。単純に読んで仕掛けのインパクトを感じてもらったほうがいいと思うのでこれ以上は書けない。
各巻の引きが素晴らしく、特に1巻はぞくりとするほどの画だった。あした本屋に突撃する予定。
■げんしけん(20)
そろそろ同じテーマが長いな、と思い始めているところ。初代が9巻までだったので、11冊目に入ってもずっと「斑目ハーレム」をつづけているところはどう評価すべきか悩ましいところ。
常に「オタクとは?」を書いて(いるようにみせて)た初代とはルールが違うのは、オタク、の意味するところが変わったのか、どうか。
ただ以前にどこかで観たレビューの「作者の人の悪さ」みたいなところが頭にひっかかっていて、そーなると斑目ハーレムはハーレムものというよりも「オタサーの女王の逆」で、その中に「セックスアピールに欠ける女性」と「男の娘」が放り込まれて、前者は恋愛市場に乗ることができず、後者は本命として君臨している、って考えるとほんとに人が悪いなと思うし、「spotted flower」につなぐ「ことができる」って考えると本当に意地が悪いなと思う。
■スピリットサークル(6)(完)
終わってしまった。「惑星のさみだれ」もそうなんだけど、作品を通じて感じる死生観がすごくよくて、それを受けたキャラクターが輪廻転生という世界設定に乗って構図を同じくして伝えるラストは神田駅で人を街ながら読んで思わず泣いた。
ほんとうに6冊? という内容の濃さ。いい漫画でした。
■恋は雨上がりのように(5)
あっ……小学館の恋愛ものっぽい……! って思わず思った巻。話が長期化しそうな感じと、ほかのキャラに関するあれやこれやもじわじわと出始めたところ。逆に主人公は序盤で感じた危うさみたいなものが薄れた感じ。読んでいる自分のなかでそれぞれのキャラクターの位置づけがおさまるところにおさまったのかもしれないけれど。