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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

大洗に行くってことでガルパン劇場版を観た、コンテンツツーリズムの話

ガルパンは、いいぞ!

 

ここ数か月、色んな予定が並行していた結果、ちょっと旅行に行きたいなぁ、と思いつつも「旅行に行く計画を立てる気力が出ない」状態に陥っていました。

理由の大部分は仕事ではなくて趣味の創作にリソース割きすぎから起こってるので、同情いただくような要素は一切ないんですが、そんな状態で居たら「大洗に行くよ」という企画が立っていたのでそれに乗らせていただきました。

ガールズ&パンツァー(以下ガルパン)の聖地巡礼をするらしいぞ! ということでかねてより友人にお借りしていたガルパンの劇場版ディスクを観てみることに。

 

 

以下、それらの感想。もくじ。

ガルパンの話

・大洗に行った話

・コンテンツツーリズムの話

 

ガルパンの話

ガルパンはいいぞ」のフレーズを聴いてから、観てみたいなぁとぼんやり思いつつも、機会がなく現在に至ってしまい、いいぞ、と言っていた友人から貸していただいたことと、大洗に行くという予定によってなんとかスケジュールを作ってみてみました。

 

結果「ガルパンはいいぞ!」の意味が判るようになりました。これは観て損はないと思います、観たほうがいいよ。とくに「シン・ゴジラ」が面白かったという層には刺さるのではないでしょうか。

 

TVアニメからの続編としてのアニメ映画を観るときの悩みはやはり「これって本編しらないけど観ていいものなの?」ということだと思うんですが、大丈夫だと思います。面白さの中心は「戦車戦」にあるので大きな問題ではないでしょう。自分もTV版を観ていないし、観たほうがさらに楽しめるんだろうけれども、TV版をみる時間がないから……という理由で映画を避けてしまうのはもったいない。

 

ガルパンはいいぞ」という言葉に集約されるのは、画面の情報量がものすごく多くて、それを言語化するよりかは単純に「いいぞ」と言ってしまうことのほうがむしろ正解に近い、陳腐化しなくて済む、というのが大きいと思います。

 

もともと戦車に強い思い入れがあるでもないですが、これを作った人たちはきっと、戦車のことがめちゃめちゃ好きで、戦車がこれをする画が観れたら幸せだ! という想いで作ったんだろう、というのが嫌というほど伝わってきました。

 

ということで、劇場公開から二年弱遅れましたが、言いましょう。ガルパンはいいぞ

 

借り物のディスクだけど、きっとあとで買っちゃうと思うな。

 

■大洗に行った話

そういうわけで大洗! 上野から特急で一時間、そこから車で三十分くらいだったかな。天気はいいけど風はちょっと強くて寒い。

映画でも出てきた神社の近くに車をとめて、神社に行くと大きな公式の絵馬と、大量のファンアートの絵馬が。出かけた先での絵馬ウォッチングは楽しいものですが、これだけキャラクターの絵馬があると壮観です。立体の絵馬とかもすごかった。

その後、海辺で大洗ホテル、大洗シーサイドホテルと外から眺めました。映像に出てきた場面を観るのは楽しいですが、なにより直前にみていたので記憶も鮮烈です。

お昼はカキ小屋で。お好みで好きな食材を店内で買って、グリルで好きに焼いて食べる、というシステム。名物のカキは自分は食べられないので、鮭やらさつま揚げやらをいただく。美味しかったです。

そのあとマリンタワー、リゾートアウトレットと観て、商店街をぐるっと回って、大洗は離脱。旅程としてはその後偕楽園や日立のほうへと赴きましたが、お話がずれちゃうのでここでは割愛。

 

商店街はいまもたくさんのキャラクターのポップが店頭に並び、たくさんのお店にガルパンののぼりが。活気もなかなか。

リゾートアウトレットのガルパンギャラリーも人がたくさん。コンテンツツーリズム、話に聞いていたけども、実際に観るとまた印象が違うもんだな、と思いました。

 

■コンテンツツーリズムの話

そもそも、観光地というのはなにかの物語(=前提、情報)を含有しているわけで、たとえばそれが何にもない土地、何の情報もない場所にはふつう、観光としては行かない。観光資源がないところに観光客は行かないわけで、観光資源があってこその「観光」なわけです。

そこには当然物語性のあるものがあって、史跡なんかは当時の歴史物語を含んでいる。名物なんかも、それが名物になるに至った物語性がある。じゃあそこが、現代に作られた物語であっても当然需要はあるわけで。

ただ、やっぱりアニメは、世代としてはまだまだ若い。いまの三十代ですら、アニメを観る人物に対してオタクというレッテルを貼る層は少なくないわけで、ではそれ以上の世代をとうぜん含む「土地」に対して、アニメを使った観光は上手くいくのか、というのは、いろんなコンテンツツーリズムを観ていると、成功も失敗もあるみたいです。ちょっと地方まで行ったときに、まったく知らないアニメコンテンツをその土地はプッシュしていたけれども、自分は全くその情報を知らなかったし、その地方での立場も微妙そうだった、ということがよくある。

 

なので「成立するか?」がまず最初の関門。物語が来て、その物語と、物語に惹かれた人たちがその土地に受け入れられるかどうか。

その次が、物語と土地が共栄できたかどうか。片方のテンションだけが高くて、もう片方は受け身、ではコンテンツツーリズムは盛り上がり切らないと思うわけです。その土地に居る人の熱量が低くてもだめだし、逆にその土地の人がアニメコンテンツが欲しいと思っていても、そこに物語が生まれなかったら成立しない。「アニメっぽいコンテンツ」だけでは戦いきれないのは、乱立するゆるキャラ鳴かず飛ばずのものが多数いるのを見ても明らかだと思うのです。

すごくうまくいったのがガルパンだった、というのは目で見て実感しました。どうして、というのは一夜漬けの勉強でこれ以上語るのは難しいと思うので、やめておきます。でも、現地は今も熱量があった、ということは確かです。

そうなると考えるのは、今後はどうするんだろう、ということ。秋葉原はもうシュタゲの聖地ではないし、そしてラブライブの聖地としての姿も少しずつ減ってきている。ガルパン、というコンテンツは「史跡」にはなれない、形として残るものはあまり多くはない。商店街やホテルは形が変わっていくと思います。シュタゲで言うラジオ会館が建て替えられたように。

ガルパンはまだもう一回お話の続きをやるようなので、熱量を保てると思うけれど、その先はどうなるのだろう、というのは、ガルパンの熱が大きいものだっただけに色々なことを考えてしまいます。このあとの動きはしっかり見ておくとよさそう。

 

それでも今は「ガルパンはいいぞ」と言い続けていきたいと思います。

ガルパンは面白かったし、ガルパンから訪れた大洗もとってもいいところだった。もう一度行きたいと思った。食事は美味しいし、海は綺麗です。今度は大洗であんこう鍋を食べたい。まだ大洗では温泉入ってない。入りたい。思った以上に近いから、一泊でも十分遊べる。

 

きっとこれからも増え続けるであろうコンテンツツーリズム、その動きに興味が沸いた瞬間でありました。ガルパンはいいぞ。大洗もいいぞ。