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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

カードは多いほうがいい、軸も多い方がいい、キャパも増えたほうがいい話

これはざっくりとしたお話でちょっともやっとしているんですが、僕はよくよくいろんな場面で交渉だったり、状況の確認だったり、説明だったり、そういうことを公私に渡ってするんですけれども、この交渉事とかするときに「時間軸」が考慮に入っている人がそんなに多くない。

時間軸とはなんぞや。ちょっとわざわざ単語を漢字にましたが、つまりタイミングのことです。タイミングだと点になってしまうので、タイミングがたくさん集まった結果時間も直線的に考えるものとしておいてください。

 

交渉をする、というその事象はその時間、その場所で起こっている事なのですが、ここでなぜか手持ちのカードを使い切るような交渉の仕方をする人がたびたびいます。持ってる情報を全部出しちゃう。

それ自体がいいとかだめとかってことではないんですけど「そのタイミングはベストじゃないんじゃないの?」ということはよくあります。「今言わなくてもいいじゃん、それ」ってやつです。

今言わなくてもいいことを言わない方がいいのは何より「たくさん情報を出すと、ひとつあたりのインパクトは下がる」というデメリットを避けることができるからです。人間、そんなに多くのことは覚えられませんから、与える情報は少ないほうがよく届きます。上手で印象に残るプレゼンとか研修って、実は情報量少ないでしょ。

 

と、言うと判ってもらえると思うんですが、でもカード出し切っちゃう人は出し切っちゃう。なんでかなーと言うところなんですが、ひとつがこの時間軸についてちゃんと考えていないということ。「今言わなくていい」は「あとで言う」だし「いつか言わなければならない」でもあります。これから時間を表す言葉を抜けば「言う」「言わなければならない」です。そうすると今言っちゃうんです。時間が考慮されないというのはそういうこと。

ただ、時間軸が増えると管理すべきパラメーターが多くもなります。パラメーターが増えるときちんと管理するために当然、自分のキャパを増やす必要があります。どれ言って、どれ言ってなかったっけ? っていう状況の管理能力です。これが出し切っちゃうひとが出し切っちゃうことのもう一つの理由かなーと思っています。管理しきれないから。

 

時間軸を考慮しない場合、よくよく「言ったじゃん!(だから自分には責任はないからね!)」となったりしまして、でもそれは時間経過したからニュアンスも違ってりゃ効果も下がってるよ、とは思うんですけど、ご本人にはそもそも時間軸の概念がないから、効果がどうというよりも言ったか言わないかだけが問題になってしまったりします。最悪「言わないことはフェアじゃない」くらいになっていたりします。

 

ここらへんが管理できると何がいいって、綱引きができるようになります。情報の綱引きです。手持ちのカードが多いほど、把握している軸が多いほど、自分の望む効果を最大限に産むために行動できるようになる。

 

ここまでもやっとした話をしておいて急に社会派に戻りますけど、いわゆる街頭で社会運動している人たち(時節柄)は基本、ここら辺の管理ができない人だと思っています。なぜなら、管理ができないということは当然に「他の人が管理できてるかどうか」を考慮にすら入れないということだからです。そうなると、その人の中で全ての情報はイエスかノーの二元論になってしまいます。

キャパを増やすのは個々人が自分でやるしかない、と今のところは思っているので、放っておくしかない状況です。ただせめて、自分の身の回りの人はキャパが大きい、軸のおおい考え方ができる人だと、楽だなぁ。と思うのでした。