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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

らしさの話

A「どうしたの、今日は君らしくないね」

 

と言われた場合、いろいろな人間関係があると思うんですけど、この場合自分的にはひとつ腑に落ちないことがあって、この発言者Aさんは「君らしくない」と評価している本人を目のまえにして、それが君ではないと評価してるんですよ。

 

いや、わかるんですよ、それが「今日は元気がないね」とか「調子わるいのかな」の換言だということは。それは人間関係の問題だから。

しかし字面だけみると、どうあってもオリジナルである「君」の側が主であって、それが偽物でもないかぎりはそこにある主体をもとに「君らしさ」を修正するほうが筋が通ってると思うんですよ。今までみた「君」に対して新しい情報が出てきたわけだから、それに合わせて「君」観を変えることこそが必要なんじゃあないのか。

「君らしくない」んじゃなくてAさんの「君らしさ」が実態とずれてたんじゃないか。もしくは今ずれたんじゃないのか。

 

なんでそんな話をしているかっつーと、上のような話は作品とその鑑賞者の間で往々にして行われるからです。

最近では多数の作品とファンをを持つ「シン・ゴジラ庵野監督、それから「君の名は」新海誠監督とその作品。

それら作品がそれぞれの監督「らしいか」「らしくないか」って結構言われるのを目にするんですけど、いや、別の人が作ったわけじゃないから、観ているこちらとしてはそれがその監督の作品のひとつであると考えたうえで、それぞれの監督観のほうを修正していくべきなんじゃあないんでしょうか。

 

と、僕なんかは思うわけでして。なにせ、作品の作り手とは人間関係がない場合が殆どなので、いままでと系譜の違う作品が出た場合は「この作品はいままでとちょっとずれててらしくないなぁ」と思うよりかは「これがでてきたってことは、この人はこういう人なのかもしれないな」なんて考えるんですよね。それが妥当なみかたかどうかは判りませんけどもね。

ラブライブ!サンシャイン!! 第9話 未熟DREAMERの話 寿司で

アニメ単話について書くことは普段ほとんどしないわけですが、これについては書くことにしましょう。

 

いや、すごかったですね、未熟DREAMER。自分も見ながら涙してたんですけど、TLの号泣とかなまりの高まりといったらなかった。みごとなかなまり沼だった。ずぶずぶ。

 

しかしですよ。なんかひっかかるなと思ってもう一回見たんですよ録画を。結局録画でも涙しながら観てたんですけど。

 

以下内容のネタバレもありますのでよろしくです。

 

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あんまりゲームしたいと思わなくなってしまった話

最近ふと、あんまりゲームしたいと思わなくなったな、と感じました。

 

たとえばファイナルファンタジーは12で止まってしまった。

ドラゴンクエストは9をとりあえずクリアするところまでで止まった。

その他の、いわゆる大型タイトルなんかもプレイせずに止まっていて、これからやりたい! という風にも思っていないのが正直なところの現状。

 

んではゲームしてないか!? っていうとこれがしてるんですよ。

グランブルーファンタジーだったり。

アイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージだったり。(正式名称長いな……)

ポケモンGOもそれなりに。

気になっているのはシャドウバースとか。

 

つまりこれは何か?

というとこれ、単純に『周りで誰がやっているか』と言うことだったのでした。

身の回りにやっている人が一定数を超えればやってみたい。そうでなければやってみたくない。単純な話だった。

 

そんで、それはたぶん過去でもそんなに差はなかった。いや、面白い、面白そうだ、で誰が遊んでいるでもなくやってみたことは確かにあったし、今でもそういうことはある。

しかし逆に考えてみる。子供のころの自分が、誰もあそんでいないアドバンスド大戦略とか一生懸命遊んだだろうか?

エルファリアとか誰も知らないようなRPGを一生懸命遊んだだろうか?

 

いやー結構確率低いと思うんですよね。なぜなら誰とも共通の話題にならないからね。

 

で、考えたのは、大人になったらあんまりゲームしたいと思わなくなってしまったけれど、それはゲームに対する欲求がどうこうなった、というよりは、単純に周りが共有しているエンタメの種類が増えたり、もしくはエンタメに費やせる時間が減った、単純にそういうことなんだと。

 

ではいっしょうけんめいそれでもゲームをやるのか?

ということをちょっと悩んだんだけど、たぶん、やらない。そこまでの時間が割けないし、ほかの遊びに時間を割きたい。

 

そういうわけで、ゲームをやらなくなったことの説明が自分なりにはついたけれど、それでもなんとなく物寂しさは感じるのでした。

オフセットで同人誌を作るようになってから一年経った話

コミケ90お疲れ様でした。

ラブライブイズ!研究会でコミケ出典してまいりました。

 

ラブライブイズ! 研究会

 

一年前くらいに、ひょんなことから始めた活動だったんですけども、みんなのチカラを借りてなんとか2冊目のオフセット同人誌を出すに至りました。

 

そう、みんなのチカラを借りたわけなのです。

 

自分と言う人間は基本的に、誰かのチカラを借りるのに躊躇しない人間なんだと思います。それがいいことか悪いことかは、評価によって難しい。自分が不得意なことはやらないと決めてしまっていることでもあるから。

一方で、こういう「なんか作るぞ」という場面ではプラスに働く性質なんだと思います。みんなのチカラを借りれば、ひとりじゃできないこと、難しいこともできるわけで。

同人誌作るってのに、僕は絵も描けなければイラレのデータも作れないんですよ。企画と本文とスケジュール管理と経理っていう。比較的誰でも「できそうな感じ」の仕事っていうか。

きっちりやらせてもらっているという自負はあるんですけど、ときどき、げんしけん(初代)に出てきてた口だけ出す人の姿がよぎる。

慢心しないように頑張ろう。

 

それはともかくとして、やっぱり出来上がったものを手に取るのはいいもので、今回も大変でありつつも楽しい作業達だったなと思います。付き合ってくれたみんなありがとう。

 

 

欲望をかなえようよ、という話。

ラブライブイズ!」は仲間内がtwitterでしていたちょっとした話を拾い上げて、整えて実現させたんですけど、なかなかみんなこういうことはしないらしい。

以前に友人から「仕組みを作る」というのは特殊能力みたいに言ってもらって、自分はただできるだろうと思って整えてたんですけど、思ったよりも特殊能力なのかもしれない。

でも言われてみればGAMEバンドも、ぽつっと出たことばから整えまくって実現させて現在に至るわけで。

それなら、自分はできるだけ誰かの欲望をかなえたいなと思っています。持ってる能力は使いたい。

自分もできるだけ欲望を叶えるけども。

 

ファンアートってすごいな、という話。

昨年夏だったり昨年冬のコミケでは自分のブースからあまり動かなかったんですけども、今年はせっかくなのでほかの人のお手伝いで壁サークルの買い物とか行ったりしてました。

作る側も買う側もエネルギーがすごい。

ファンアートをどうとらえるかはいろいろ難しい話だと思うんですけども、やっぱりそれはコミュニケーションのひとつの形だし、コミュニケーションは楽しい。

 

マネジメントの話。

一方で物をつくる、人を動かす、お金を動かす、はそれ自体がファンアートとは別に楽しいことであり同時に辛いことでもあり。単純に好きだというエネルギーでファンアートをするにはちょっと不純物っぽいところはあるけれど、自分としてはこれもしっかり見据えてみたいなと思い続けるのでした。

 

ということで、ちょっと呪いみたいな魅惑ではあるけれど、やっぱりものづくりは楽しいです。今後も作るぞー!

似たようなことを一年前にも書いてた。

映画の話「シン・ゴジラ」(できるだけネタバレしない)

シン・ゴジラを観ました。

 

www.shin-godzilla.jp

 

8/1に観たのですが、観ている最中から映像中の情報量の多さにオーバーフロー状態になって、終了後も興奮の冷めることのないまま映画館を後にしました。

映画でこんなふうになるのはそうそうなかったと思います。

 

既にいろんなサイトでいろんなことが言われているのですが、自分としてはどうやってこの興奮を説明すればいいだろうか……ということをずっと考えておりまして、考えた結果8/12にもっかい観ました。二回目もよかった……

 

さて、ストーリー上のネタバレしないようにこの映画のなにがすごいかを話そうと思いまして、そのために存在しない(少なくともgoogleでは一致結果がない)語をつくっておくことにしました。

 

シン・ゴジラの魅力は「映像的機能美」である、という風に説明してみたいと思います。語をひっくり返して「機能美的映像美」でもいいです。

 

「機能美」という言葉は、僕はこれがスターオーシャン1(SFC:1996年)に平仮名でパラメーターとして出たときから好きな言葉なんですけれども、道具など、用途のための形態や構造を追求した結果現れてくる美しさ、といったようなものです。

ざっくりとした言いかたをすれば「工場萌え」の美的感覚なんかはこの分類だと思います。

 

この「機能美」に注目して「シン・ゴジラ」の映像を観ていくと、なんと一つ一つの映像中の要素の浮かび上がりが美しいことか。

映画やアニメ等の映像を観ていて時折「おっ、今のところカッコいいな」って思う瞬間はときどきあると思うんです。動画が滑らかだとか、アングルがいいとか、音楽とマッチしてるとか。

それが一つでも観れたとき、その映像全体の評価ってほぼプラスに落ち着くと思うんです。たとえば物語ががったがただったとしても、ひとつでもめちゃくちゃカッコイイ映像があったとしたら、加点法では「観てよかった」になる。

 

全編にわたってこの映像がかっこいいのがシン・ゴジラだと思います。

 

単純に映像が美麗だということではなくて、たとえばゴジラが映るシーンではゴジラがいかに大きく/美しく/恐ろしく映るかが追求されている。

道具、人間も同様です。物語中の細かい要素を説明するための映像イメージですら、それがかっこよく映るであろう工夫が尽くされています。たとえば、破壊された跡を説明するだけなら瓦礫を映せばいい。それだけで破壊されたという物語性は説明はできます。でも、その瓦礫をどのようなアングルと、どのようなBGMと併せて伝えれば、感情を最大限煽ることができるか、でその効果が異なってくる。

岡田斗司夫氏が同じこと言ってたらしいですが、コピー機ですらかっこよく撮られています。とにかく映される全部のものがかっこよく撮られている。

 

その中で是非意識して観てもらいたいな! というのが「会議」です。シン・ゴジラ中で行われる「会議」は、そのどれもが絶妙なテンポ感を持って描かれています。セリフのやりとりとその意味するところよりも、そのセリフ自体の情報量の多さに対しての時間の短さ、選ばれる語の複雑さ、セリフとセリフのあいだの間。

シン・ゴジラ中では会議を絶妙なスピードと情報量による「音楽」のようにして表すことで、会議そのものを「カッコいい映像」として描き出して、事態とそれに対応する人々のカッコよさを最大化しようとしている。

似ているものはスティーブジョブズに代表される「プレゼン」の技術ではないでしょうか。

 

さらに意識して観てもらいたいな! というのが「組織」です。組織は映像として実態が映るというものではなく、その構成要素である人だったりモノだったりを映すしかない。物語中かなり前半で、この「組織」については肯定的な発言がされていて「手続き」のプロセス、まさに組織としての「機能美」が映像で描き出されているんです。

 

恐らくですけど、この映像的機能美を感じるためには、それなりに素養が必要なように思います。たぶん普段から映像に慣れ親しんでいる人は、親しんでいるほど映像上の要素の多さを感じて楽しめるだろうと思うし、逆に子どもとか、まだ文脈を感じ取る力が未発達だったりすると、最大限の楽しみは難しいかもしれない。

(蛇足をすると、だから読解力の段階によって異なる感動をどの段階にも与えてくる宮崎駿監督映画って恐ろしいなって思うんですけど)

 

ということで、シン・ゴジラのお薦めポイントは「映像的機能美」ですよ、ということをお伝えしたいと思います。

ぜひ劇場で観よう!

漫画の話 20160724

漫画読みたい期間に入ってきたのか、たくさん買ってたくさん読んでいた。

 

・私の少年

私の少年 : 1 (アクションコミックス)

私の少年 : 1 (アクションコミックス)

 

 お姉さんが公園で出会った不憫な男の子の面倒をみるところから人間関係がはじまるお話。おねショタだ、と気楽にいうには人間関係がやや複雑なので、思ったよりもドラマチックな匂いがしていた。手に取ったのは恐らく表紙のデザインが気になってしまったから。表紙で掴まれてしまうことはよくよくある。

恋は雨上がりのように」の「人間関係面」とかが好きな方はきっと楽しめると思う。

 

・かぐや様は告らせたい

 こっちは逆に表紙とは全然違う雰囲気だった。ラブコメ、恋愛というよりもギャグ寄り。イケメンの平民と超お嬢様が、お互いにお互いを告らせようと奮闘するお話で、当初はこんなのそんなに長く続けられるのか? と思ったけれど、ひっかきまわし役のキャラもいい仕事をしていて完全にギャグの地位をしっかり確立させてた。ちょろっとラブコメするところがまた結構かわいいのが素晴らしい。積極的に推していきたいシリーズ。

 

・宇宙のプロフィル

宇宙のプロフィル (ヤングマガジンコミックス)

宇宙のプロフィル (ヤングマガジンコミックス)

 

 宇宙は怖いもので、生物に対しては巨大すぎる存在だと思わされる一冊。

またこれが全然表紙と雰囲気があってないこと。この表紙からは想像できないくらい「怖い宇宙」が描かれているので、ちょっと不意打ちを喰らった感じ。最近は宇宙に対して気楽な表現の作品はどうにも多い……というか、ロボットものでもなんでも、宇宙空間で死ぬ理由が大体人為とか戦闘とかであることが多くて、いわゆる「一個ケアレスでミスったら即死する空間」である感じ、1人で居てそのまま空間に殺される感じの表現は少ない。

けど、これはとくに対立するでもなんでもなく、宇宙にいて宇宙で死ぬ、そういう話。ファンタジーも含んでいるけれど、これはどちらかといえばホラー寄りのSFだと思う。

 

・構成/松永きなこ

構成/松永きなこ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

構成/松永きなこ 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスONLINE)

 

 お仕事モノだと思うのだけれど、1巻ではややドラマ性にかける、というか、自分は根本的に、主人公が頑張っていない/ややヘタレなお話がだめなのかもしれない。主人公がヘタレなことによって、周りの人間とのドラマが生まれるパターンはたぶん定石のひとつなんだと思うんだけど、それ自身が苦手だと言うのは自分の問題なんだと思う、たぶんね。

 

・恋愛視角化現象

恋愛視角化現象 上 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

恋愛視角化現象 上 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

 

 

恋愛視角化現象 下 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

恋愛視角化現象 下 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)

 

 上下巻。同じテーマでさまざまな人間模様を描く短編集。恋愛感情を抱くと角が生える、という設定は上手いの一言。忍ぶれど、恋が角に出るというのはすごくよくできててこれで永遠にお話が創れるんじゃないのというくらい可能性がある。「角が生えることによって恋愛感情がわかってしまうこと」「角が落ちることによって恋愛感情が霧散してしまうこと」「角が生えないことによって恋愛感情ではないと考えること」が、自分と他人両方に起こる。上下巻で終わってしまうにはもったいない。

【超ネタバレ】漫画「ドロップフレーム」深読みと考察 その3

今回も超ネタバレです。

前回からすこし時間が経っておりますが、さすがに新発見は殆どありません。

よって、次号発売に備えて、自説をまとめておきたいと思います。

ここから先は3巻まで読んだ人だけよ。

 

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