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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

2024/8/25の雑記 バーコードバトラーを令和だからこそ楽しく遊ぶ

バーコードバトラーという玩具があります。

バーコードバトラー

1991年にエポック社から発売されたゲーム機で、バーコードを読み込ませることでバーコードの数値から戦闘データを生成しバトルする対戦型のゲーム機です。そこそこ人気で後にバンダイからバーコードがなくても遊べるバーコードウォーズなる機種も出ています。詳しくはwikipediaその他を参照してください。

 

このバーコードバトラーの2を十年程度前に気まぐれで買ってから自宅の物入れに放置していたのですが、あるときふっと「これもっと現代の技術で気軽に遊べんのか?」と思い立ち、あれこれ奮闘したのが今回の記事となります。

 

バーコードバトラーにあった難

発売当時は1を持っていてプレイをしたのですが、バーコードバトラーで当時最も困ったのは「うまく読み取れない」というエラーでした。付属のカードは良いのですが、そうではない一般製品のバーコードは切り取ったりして使おうとしてもなかなかうまく読み込んでくれない。

また製品のバーコードを切り取るともとの製品のパッケージは破損するわけで、じゃあコピーするか、コピーするためにバーコードが強い製品を購入するのか……となるとそういうことはとてもではないが難しい。

この読み取りエラーもなかなか難儀で「たまに読み取れる」ような場合には一生懸命なんどもトライするわけで、これが「さぁ今からバトルするぞ」という気概を大いに削ぐわけです。それならスーファミやるわ。

バーコードバトラーが廃れた理由の考察に、最強コードの解析ができてしまうことは挙げられたものの、もう一つの理由としてこの「バトルまでのアクセスの悪さ」というのは無視できないのではないかと感じました。エラーが少ない付属のカードだけじゃさすがに拡がりがないしね。

 

どうやって楽しく遊ぶか

難のあるバーコードバトラーでも令和の世ならあれこれ工夫すれば楽しく遊べるのではないか? と思い「どのように遊びを構築するか」を考えていくわけですが、結局のところ「最強」を目指しても最強のバーコードは判っているわけですから、そうではなくて「局地的環境で最強」を目指す。つまり「今この部屋にあるもの」「このテーブルの上にあるもの」「この一角にあるもの」「たまたま持ち込まれたもの」といった限定された状況の中で最強を目指していくのがよいのではないか……と考えました。

たとえば過去に出版されていたバーコードバトラーの漫画では「スーパーの商品から強そうなバーコードを持ってきてバトルする」というようなシーンが描かれています。

ここまでを踏まえると下記のようなことが必要です。

・その場にあるバーコードをすぐに利用できること

・バトルまでの流れがスムーズで、エラーが少ないこと

 

とりあえず分解したれ

分解した

というわけで、とりあえず分解しました。

分解した経緯を多少詳しく説明しますと、実際に手元にあるいくつかのバーコードを読み取らせてみたところ、多くのものを読み取ってくれませんでした。付属の公式カードは問題なく読んでいるのでコードリーダーの故障ではなさそうです。では、世の中のバーコードを気軽に使うには読み取り性能を向上させる必要があるか、と考え、どういう仕組みで読み取っているのかを知るためと、必要に応じてメンテナンスを施すためです。

写真だとわかりにくいのですが、手前に映っている横長の基盤中央についているパーツがリーダーでした。おそらく角度をつけた状態で赤外線か何かを発し、その反射を受けるパーツで読んでいるっぽい。

この読み取り機構がなかなか難しいようで、単に色の差異によって判別しているわけではなさそうです。この辺りは後半で詳述します。

バーコードバトルを考える

仕組みが見えたところで、さてどうやって現代のバーコードバトルを行うべきか、と考えたときに思ったのはやはり「バーコードリーダーを改造するかどうか」というところでした。いわゆるレジにあるようなスキャナーで「ピッ」ってやるということですね。

でも……でも! それはバーコードバトルと言えるだろうか?

やっぱりカードをスキャンするあの動きこそがバーコードバトルなのではないか?

そんなとりあえず店や対戦環境に行ってバーコードバトラー本体に取り付けたスキャナで強そうな商品のコードを「ピッ」するとかバーコードバトラー競技者として正しい姿なのだろうか?

と考えていくと、やはりカードをスキャンすることは大切なプロセスなわけです。

 

バトルカードを生成する

カードでバトルすることはマストして、ではカードを生成する方法を考えていきます。当時……といっても発売当時はwindows95以前なので一般家庭にプリンターもなければ気軽に買える名刺用紙もないわけで、当時は確か「情報カード」みたいな名前で文房具の無地カード用紙を手に入れていましたが、つまり名刺カードにバーコードを貼り付ければよい。

バーコードバトルのために商品を買うのはハードルが高いのであれば、今の世の中ならばカメラを使用したスマホアプリでバーコードの読み取りや生成ができるものがあるだろう……ということで探してみたところいくつかありました。選定理由は後述するとして自分は「簡単バーコード」というアプリを採用しました。

 

簡単バーコード - QRコード、バーコードスキャナ

簡単バーコード - QRコード、バーコードスキャナ

  • Mapnitude Company Limited
  • ユーティリティ
  • 無料

apps.apple.com

 

このアプリを使用することで商品のバーコードを数値読み取りし、数値をもとにバーコードを画像データで生成できます。

 

次に出かけた先でも気軽にバーコードを出力する手段として小型のサーマルプリンタを買ってみました。スマホアプリを使用し感熱紙で白黒印刷ができ、しかもシールなので、上述のアプリで生成したバーコードを印刷すればそのまま名刺カードに貼るだけで綺麗なカードが誕生するわけです。

 

これは便利! ……と思ったのですが、うまくいきませんでした。

 

バーコードが描かれていれば読み取れるというわけではない

上記の手順で生成したカードですが、読み取ることはできませんでした。はっきり白黒で出ているにも関わらず、何度スリットを通してもエラーとしか返ってきません。再度の分解を行い、レーザーの出力を調整してもダメ。

ネットに知見を求めましたが、そもそも令和にバーコードバトラーを想い出レベル以上で語ってる人がいない。そりゃそうか。ただわずかに「感熱紙だと読み込んでくれない」という情報が出てきました。

そんなぁ……感熱紙じゃないと外で気軽に印刷できない……

エラーに四苦八苦しているうちにいろんなことが判ってきました。

・サーマルプリンタで印刷したバーコードは下が白無地でも透明でも読み取ってくれない

・読み取らないエラーは白紙のカードを通したときと同じエラーが返ってきており、つまりサーマルプリンターで印刷したバーコードはバーコードバトラー的には無地と同じ

・製品のバーコードを切り取って使用した場合も同じエラーになることがある

・同じバーコードをモノクロレーザープリンターで印刷した場合は問題なく読み込む

ということで、大事なのは人間の目で見える白黒のバーコードではなく、その色が載っている材質のようです。

 

そんな時に注目したのがこの記事です。

nlab.itmedia.co.jp

 

記事は冒頭で少し触れた「最強のバーコード」なのですが、ここで注目するのはそちらではなく「ラベルプリンター」から印字されたバーコードである、という点です。

ラベルプリンターは感熱紙です。つまり、印字・即カード化で、かつバーコードバトラーで使用できるタイプの感熱紙プリンターもありうるということです。

しかし油断はできません。もしかするとラベルプリンターから生成したバーコードをそのまま読み取れず、再度レーザーで印刷しなおした部分が記事の冗長さからカットされた可能性もあります。ということで更に調査を進めました。

 

感熱紙には方式がある

自身のdiscordサーバーで一緒に悩んでくれた方の探してくれた情報により、感熱紙には複数のタイプが存在することが判りました。

www.hotmarker.com

 

「直接感熱方式」と「熱転写方式」の2種です。このうち前者は熱を加えることによって発色するタイプで、つまり色は変わるけれど、生成されたバーコードの白と黒で素材が変わるわけではない。

後者はインクリボンのうち熱を加えた箇所が印刷物に固定される方式です。つまり生成されたバーコードの白と黒の部分では素材が異なります。

読み取りエラーを起こしていたのは「直接感熱方式」のサーマルプリンターでした。

 

ついにたどり着いた令和のバーコードバトル

ということで、新たに熱転写方式のサーマルプリンター、かつポータブルで手軽なものを探した結果、brotherのP-TOUCH CUBE PT-P300BTというプリンターにたどり着きました。電池稼働できます。

バーコードバトラー本体より若干分厚く、重い

www.brother.co.jp

スマホアプリから簡単にラベルを印字することができます。これを(ここまでかかった費用には完全に目をつむり)緊急購入、印字したバーコードを読み込ませてみる……

印字も綺麗です

読んだ!!!
(サクナヒメコラボ日本酒のバーコードを使用。攻撃力が高い。米は力だ!)

読みました!!!

読み取りエラーもなく、ストレスなし! 大成功です!!! 

熱転写方式のサーマルプリンターなら問題なくカードを作成可能!

これでバーコードアプリ/ラベルプリンター/バーコードバトラー本体 によっていつでもどこでもバーコードバトルができるようになったわけです!

製品にハサミを入れたり、コピー機まで走る必要もなし!

 

見てるかバーコードバトラー!(の開発者様!!)これが令和だッ!!!

 

まとめ

まとめます。バーコードバトラーを令和によみがえらせるためには下記があればよいとわかりました。

・バーコード生成アプリ

 バーコードを読み取ったり、バーコードバトラーで使用する「EAN-13」方式のバーコードを生成することができるアプリです。ラベルプリンターのアプリで使用しやすいように、出力するバーコードのサイズ指定ができるとよいです。※上記の簡単バーコードは生成サイズを指定できます。横5:縦1の比率がよいと感じています。)

・ラベルライター(熱転写タイプ)&印刷アプリ

バーコードバトラー本体

・名刺カード

 

これらがあればいつでもどこでもスムーズにバーコードバトルが可能です!

さあ、あなたもレッツバトル!