親の影響は受ける。
これは血筋とか遺伝子とかそういうフィジカルな話じゃなくて、常に近くにいる人のものの考え方やしゃべり方は強く影響を受けるということです。
もちろん、親だけというわけではない。僕で言えば、金銭感覚は親から、美術感覚は書道の恩師から、倫理観は最終的に大学の講義の影響を受けていると自覚してます。
ただ、多数の人を捕まえて傾向をみたとき、親という人格形成時期に最も近くにいる確率が高いカテゴリの人の影響力は高いだろうな、と思うのです。これは特段変な話じゃないと思う。
ところで、職業にはそれぞれにあったものの考え方や倫理観があります。行政や法に携わる人にはリーガルマインドとかっていう感じですが、むしろ「その職業に従事することによって直面する場面で必要な考え方」もっと言うと不協和の回避方法みたいなものがあると思うんです。
たとえば、接客業に従事している人は「人間にはどうしようもないくらい理不尽な人がいる」と感じていると思うし、残業が多い会社に所属している人は「上司が嫌いだ」とか「残業は美徳だ」とか考えているかもしれない。
そして往々にして、職業の場とそのほかの場でスイッチできないもんです。ある場所ではAを是として、ある場所ではAを否とする、っていうのは、それをよしとする絶対的に強いほかの価値観がない限り難しい。たとえばめっちゃお金もらえるとか。
なかなかそうはならないので、誰かがもつ職業に関する考え方は、往々にしてその子にも引き継がれやすいと思うんです。
そんなときに思うのが「教師」や「警察官」みたいな、それ自体が「是」であることを要求される職業を親に持つ子って、どういう「影響」を受けるんだろう、ということです。
学校という場や、警察官が準ずるような法が持つモラルは、往々にしてそれ以外の一般的な生活に対してやや高い水準。
で、教師の高いモラルに対して、学校の中では緊張感を保ち、学校の外ではリラックスする、ってそんなに変なことではないと思うんです。
で、ここまでのお話の流れで整理しまして問題意識が数点。
1.教師のような高いモラルを求められている職業の従事者は、オフの時も他の人物に比べてモラルが高いのではないか?
2.モラルの高い職業の子は、1の仮説が正しいならば、一日中他の子どもよりも高いモラルに晒され続けることになるのではないか?
3.そのモラル差は、その子にとって生きづらさに繋がったりしないのか?
こんなことを考えたのでした。
きちんと計測することができるのかわからないのですが、そういう研究ってあるのかな。