幻想水滸伝シリーズの精神的続編と言われる作品「百英雄伝」をクリアしました。
なお、自分自身はこれまで幻想水滸伝シリーズをプレイしていません。名作と聞きつつ機会に恵まれていなかったので今こそという感覚で飛び込んでいます。
プレイした機種はswitch版でした。以下ネタバレなども含みつつ全体の感想を書きます。
先に難だったところを書きます。フリーズ、強制終了が本当にストレスでした。これはPS4、Switch版で特に発生しているようですので、選べるならPC版またはPS5版で遊ぶのが良いでしょう。
Switch版のローディング周りの不快さは正直に申し上げて、これだけで本作全体の評価がマイナスにひっくり返ると言っても過言ではないほど悪いです。修正パッチが適用された1.07版までのところでクリアしましたが、1.07版までで安定性は体感するほどに向上していません。60時間に及ぶプレイの中でフリーズしたのは10回程度でしょうか。うち1回はボス戦直後、セーブ実施するより前にフリーズし再戦が必要になりました。
このフリーズを一度でも経験すると、ローディング画面のキャラアニメーションのがたつきが非常にプレーヤーの不安を煽る要素になります。ロード成功する場合も数秒キャラアニメーションが停止することはままあり、どのロードも非常にストレスでした。多少ロードが長くなるにしてもロードアニメーションはない方がよかったでしょう。
対策としては「時々ゲームをシャットダウンして再起動する」と言ったところですが、起動からデータロードまでもそこそこにかかるのでこれもストレスです。それでも重要な場面ではシャットダウンしたほうが安定するでしょう。
この点は今後のアップデートで改善されればよいのですが、無理をしてマルチプラットフォームに対応するということについてのマイナスの経験になってしまいました。今後Switch版で遊ぶ予定のアームドファンタジアが非常に不安です。
次に良かったところです。上記のロード以外の箇所については全体に素晴らしいゲームでした。メインの物語は非常にコンパクトで、それでも60時間とかさむには120人に及ぶ仲間たちのうち数十人のエピソードを順にこなしているからで、つまるところ細かく出会いを繰り返しているのですが、それを最終的に「すごくいいストーリーだった」と思わせてくれるところが非常に「JRPG」をしている、と言えると思います。プレイ時間はそのまま想い出です。
関心したのは、武器屋、宿屋といった「機能」を固有名を持ったキャラに担わせ、これを「仲間」としてカウント/加入演出に取り入れることでゲーム中の機能でありながらプレイアブルキャラと同等の特別感を持たせる演出でした。「宿屋」ですら愛着を持たせるこの方法、発明だと思います。思い返せばドラクエにおけるルイーダの酒場やダーマの神殿でも似たような仕掛けはあるのですが、ここまで全体でやりきっているのがすごい。
ストーリーも前半はこれで物語世界に深い愛着を持つほど掘り下げられるだろうかと心配でしたが、後半のまくり方は素晴らしかったです。戦争モードでどんどん優勢になる演出はものすごくよくできていましたね。
音楽もよいし、ビジュアルも「心の中にあるプレイステーション1くらいの映像(実際にはPS2以上のことをやっている)」で良かったです。
全体を遊びきったのかと言えばそんなことはないんですが、読後感はとても良かったです。そしてまだまだ拡げることができそうな世界観、DLCも予定されているようなのでなので今後の展開も楽しみです。時代が時代なら4コマ漫画劇場とか見たいところだったなぁ。