paper-view

ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

【超ネタバレ】漫画「ドロップフレーム」深読みと考察 その4

まさかの2年経っての第四回。

【超ネタバレ】漫画「ドロップフレーム」深読みと考察 - paper-view

【超ネタバレ】漫画「ドロップフレーム」深読みと考察 その2 - paper-view

【超ネタバレ】漫画「ドロップフレーム」深読みと考察 その3 - paper-view

 

なぜこんなことをしているのかというと、先日も申しあげましたが「ドロップフレーム」真エンディングが見たい人達で曲を作ったからです。全編下から聴けます。

 

www.paper-view.net

 

作編曲ボーカルかっこよくなっていますのでどうぞぜひお聴きください。

自分は作詞を担当しました。

 

で、作詞の時になにを考えていたか、というと、それはやっぱり真エンドは一体どうなるんだろうなぁ、ということです。

あの今までにないくらい同じ一冊の漫画を読みこんだ二年前の夏から、新たな情報を得た、というほどのことはないんですけど、成家氏の新作漫画「ラパス・テーマパーク」が完結しました。

 

 

 

前よりも成家先生の作品についての理解が進んでいる、といってしまうとちょっとおこがましい感じがするんですけど、とはいえ長いあいだ時間が経って考えているとちょっと冷静になれたなとは思います。

 

というわけで、最終的に詩を書くにあたって、と言うことも含めて考えていたのは

・ブラック閏之介がいる

が一番きれいだろうということでした。

考察1~3でも「もう一人いると思う」は話として挙げていましたが、それが誰だったのか、には踏み込んだ回答ができませんでした。

けれども「真犯人」については、二度ほど作中でわかりにくいように画像が表示されてはいます。

この画像、どう見ても閏之介でしか、作中に出てきた人物ではありえないと思うんです。作中でない場合は、ああいったふうに閏之介に寄せて見せる必要がない。

 

もう一点、ルゥとカールさんの会話からでは「消えやすい」「血縁でも忘れられる」ということが挙げられていました。けれど、今回の登場人物中で「ルゥ」は意図的に殺されており、忘れられたわけではなく、また閏之介に関しては読者も監視しているし、彼が誰からも忘れられてしまうという趣旨の話にはなりようがない。「殺される」「消える」「忘れられる」の使い分けも大事です。

となると「消えやすい」という伏線は「既に消えてしまっている人物がいる」ということになると思います。逆に言うと、そうでないとこの「消えやすい」設定を出す意味があまりありません。

こう考えると、閏之介の身の回りの人間を襲うのは、閏之介と同じ性質を持ちながら、閏之介が享受する幸せを享受できない「忘れられた」人物、すなわち閏之介の双子の兄弟、と考えれば「閏之介に似ているシルエット」に納得することができます。

そうとするならば閏之介が「国生」をもじった「刻鐘」性であることに意味が出てきます。同じ姓をもつ人間が、フレームアウトしているからです。

 

よって、2018年の自分の理解はこうです。

・閏之介には双子の兄弟がいて、すでに世界から忘れ去られている

・閏之介の身の回りの人間の殺害は、双子の兄弟が行っている

・シャッフルリープは現象なので、真犯人にとっても不確定要素の一端だが、世界から忘れ去られている真犯人にとっては、世界改変を行うのに都合がよい

・何らかの形で、現実世界を模倣した世界を生成している

・閏之介の双子の兄弟は双子という利点を活かし、閏之介本人に成り代わることは可能だった。これによって閏之介の友人との諍いを起こすこともできた

 

こんな感じ。

「途中から新しいキャラクターが出てもよい」

「オカルト空間は終始オカルトのまま」

の二点は「ラパス・テーマパーク」を読んで、作風イメージから予想をしました。

お話の着地点としては、土屋刑事が閏之介の血縁に関してが明かされるきっかけとなり、一日に戻ってすることは閏之介の兄弟との邂逅、ルゥの殺害を未然に防ぎ、ここまでのミスリードの答え合わせ、エンディング、といったところかと思います。閏之介の兄弟は再び認知される存在として復活し、警察のお世話になる=常に存在を認知される、といったところでしょうか。

 

と、予想をしておいて、いつか答え合わせができたらいいなぁ、と思っています。

今はこれで二年前の夏の謎に一区切り、ということで。