ここ最近読んだものなど。
惑わない星/石川雅之
「もやしもん」作者の方の新作。どこみてももやしもんっぽい雰囲気がしてて、中身もしっかりもやしもんみたいな感じにしていて、これはいったい誰がやったのか、などとよけいなことを考えながら読んでいました。
よくも悪くも「もやしもん」的。お家芸だから安心はできるけど、ものすごく新鮮だ、ということもない。まだお話が動ききってないので静観。
宇宙好きな人には刺さらないんじゃないのかなぁ、とは思ってますが、どうでしょう。
BLUE GIANT/石塚真一
面白いので読んでおけ。
いわゆる、感覚を画にすることに成功している良い漫画。
主人公とジャズをどうかっこ良く描くかがきちんと組み立てられてる。巻末のボーナストラックはそれぞれが既にお話の終わりを書いてしまっているのだけど、とにかく演奏をしているシーンの表現がよいのでまったく問題にならない。中盤以降のキャラクターの配置も素晴らしい。
メタルギアライジング/PS3・アクション
メタルギアシリーズのスピンオフ作品。
ゲームとしては面白いんだけど、ストーリーは残念ながらそこまででもない。
もう発売してからそれなりに経ってるのでいろいろ話してしまうと、メタルギアシリーズに出てきたキャラクター「雷電」を動かす、ということに期待が持たれたゲームだった。
不自由、あまり強くないキャラクターでどう工夫して戦場で生き残り、ボスと立ち向かうかが主眼であるメタルギアソリッド本編で登場する、操作できないキャラクター「雷電」を自分でカッコよく動かせる。そこにおいては成功してる。ボス戦の楽しさも、インターフェースもよい。
けども、残念ながらお話が面白くない。一番つらいのは雷電のキャラが固まりきらないところ。
雷電は「主人公になりきれない男」「トラウマと戦い続ける男」であるので、どちらかをテーマにしないと着地点がない。完全に過去を克服して、主人公になった状態で正義を貫くのか、それとも過去のトラウマと戦いながら、最終的に克服してゆるぎない自己を獲得するのか。残念ながらそのどっちでもなかった。
メタルギアシリーズの重厚なバックグラウンドを与えられててこれだと、ちょっとうーん、と言わざるを得ない。
ゲームは面白いし、あとボスの上院議員のインパクトは強烈。もっと雷電の自己を確立させたうえで、超人バトルをガシガシやるだけでもよかったような気がするよ。