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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

今でも「彩のラブソング」の鈴音ちゃんルートはなくて正しかったと思っているという話

最後に最近でた有名ナンバリングシリーズ8のリメイク版の新イベントに言及しますのでご注意ください。

 

ときめきメモリアル ドラマVol.2 彩のラブソング

ときめきメモリアル ドラマVol.2 彩のラブソング

 

 彩子ー! おれだー!!

 

取り乱しました。

今でも、といいつつ僕がこのゲームプレイしたのは大学院生とかになってからなんで、発売から相当な年数が経った後なんですけれども。具体的に何がしたいかというと「なんでもかんでもヒロインを攻略できるのって、サービスいいけど文脈としてどうかなって場合出てきちゃうよね」っていうお話をしたいと思ってます。

 

彩のラブソングではメインヒロイン、片桐彩子と、20日だったかな? で繰り広げる青春恋愛劇なんですけれども、そこに出てくる妹的サブヒロイン、鈴音ちゃんはどう行動しても絶対に成就することができません。

僕はこの作品を最初に「プレイ動画」で観て、その後探して買ってプレイしたんですが、このプレイ動画とかで「なぜ鈴音ルートがないのか」というコメントが出るんです。

けど自分は、この作品に鈴音ちゃんルートが無かったのは別に違和感はなかった。それを今きちんと考えてみると、このお話って、たぶん主人公が「片桐彩子」だからなのだと思うんです。だからゲームの成功と失敗は、そのまま「片桐彩子の恋」の成功か失敗なのです。

 

通常、ギャルゲー、たとえば「ときめきメモリアル」だと主人公は「プレーヤー」だし、プレーヤーにはどのヒロインを遊ぶか、という選択をする。それはやっぱり「主人公が」お話の中心で、逆に考えるとヒロインの行動は主人公の都合に強く左右されるわけです。

けど「ドラマシリーズ」は、キャラクターのドラマを強く描くことと「ときめきメモリアル」のキャラをフィーチャーするという縛りがあって、プレーヤーは主人公と彩子とのドラマを観るということに特化されているわけです。そのぶん彩子のイベントは色濃く、日付や期間がすごく厳密で、そこにドラマ性が出てくる。

ここで鈴音ちゃんルートを作るなら、それは全く別のゲームにしなきゃいけないのではないか。選択的に簡単に鈴音ちゃんが攻略できるようになると、たぶん彩子ルートというのはものすごく形が変わってしまうのではないか。ゲームの設計として。だって、鈴音ちゃんと彩子と主人公のスケジュールを合わせて、その中で好感度を戦わせたり、フラグ管理させたら、ヒロインたちのイベントは「ぶつかりにくい」ものになること必至。

 

んで、ここまでのゲームでは結構、いわゆる「ギャルゲー」に属してないゲームでも、女性キャラを「攻略対象」とすることができたわけです。たとえばFF7のゴールドソーサーで誰とデートするかだったり。けど、これってそのうちのいくつかは「本筋の物語に影響がないから」やっていいことだったと思うんですよ。エアリスとデートしようがティファとデートしようが、エアリスは離脱しちゃうし、最後にクラウドの隣にいるのはティファなわけですから。

そのくらいなら別に入れたって何らの問題もないから、どのキャラが好きかっていうサービスのつもりで入っていてもいいし、そこに誰もいなくてバレットと過ごすことになって、それもひと笑い取れていい。

ドラクエ5は、どのヒロインを選んでも、きちんと話を同じところに着地させることができるから、これも問題なかった。

が、いつのまにかちょっと主従が逆転しちゃって「ヒロインは攻略できるもの」みたいになっちゃうとちょっと話がおかしくなってしまう。

 

で、心配しているのが最初に書いた話題で、3DS版ドラクエ8でゼシカエンドルートが追加されたということなんですけれども。

それって、物語は大丈夫なんだろうか? という疑問が頭をよぎったわけです。ドラクエ8、昔のゲームなので気軽にネタバレしちゃいますけども、お姫様と逃避行する、というのが基本エンドで、実は主人公にはお姫様と結ばれる正当性があったのだ、という「おまけ」が別エンド。ここにさらにゼシカが入ってくると、もともと用意されていたお話をどっちらけにしてしまうことはないんだろうか? という心配が出てきた。

 

結局のところ、その追加イベントをプレイしたわけではないので、どういう文脈でそこに着地するのかは僕はわからないんですけれども、そういうのが何でも入るのは、それはそれできっと、物語を阻害しちゃうこともありそうだなぁ……などと、思ったのでした。