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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

『8割の人は自分の声が嫌い』/山崎広子

 先日ふっと「そういえば声って一生付き合っていくツールなのに、真面目に勉強する機会はなかったな」と思ったのですが、そんな折にこの本を目にしたのでkindle版を購入してみました。

 中身はざっくりとして

・自分の声について、その磨き方、磨くことのメリット

に集約されるんですが、ちょっとデータには乏しいので、あんまり鵜呑みにしすぎても恐ろしいと思わされる本文です。

というのも「オーセンティックボイス」というのを理想的な声として、それに至るための方法や、それに至ったことによるメリット、実例なんかが挙げられるのですが、結局のところ「オーセンティックボイス」とはどんな声なのか、は個々人によって違うのです。

「正解が判らない理想」というのはちょっと宗教的。「オーセンティックボイスがあるんだ、それを目指すんだ」は難しいというか、傾倒するのが怖いように思います。

論調は声を良くしたことによって生活が劇的によくなった、ということなのですが、これも良くなった例だけをみていくのは、宣伝としては当然だけれど、ちょっと懐疑的。

一方で、アメリカでの政治戦においてスピーチの能力が重要だったというのは納得のいく話だし、日本でもスピーチの上手な政治家の説得力が高いとうのは頷けます。現在の日本でしっかりと教育されていない「声の技術」を持っていることは、様々な分野で強みを発揮するでしょう。

「オーセンティックボイス」かどうかは保留するとして、自分の声がどう聞こえているか、どうしたら説得力の高い声を得られるかは、追求していくのは面白いのではないかと思います。