先日ふっと「そういえば声って一生付き合っていくツールなのに、真面目に勉強する機会はなかったな」と思ったのですが、そんな折にこの本を目にしたのでkindle版を購入してみました。
8割の人は自分の声が嫌い 心に届く声、伝わる声 (角川SSC新書)
- 作者: 山崎広子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川マガジンズ
- 発売日: 2014/11/10
- メディア: 新書
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中身はざっくりとして
・自分の声について、その磨き方、磨くことのメリット
に集約されるんですが、ちょっとデータには乏しいので、あんまり鵜呑みにしすぎても恐ろしいと思わされる本文です。
というのも「オーセンティックボイス」というのを理想的な声として、それに至るための方法や、それに至ったことによるメリット、実例なんかが挙げられるのですが、結局のところ「オーセンティックボイス」とはどんな声なのか、は個々人によって違うのです。
「正解が判らない理想」というのはちょっと宗教的。「オーセンティックボイスがあるんだ、それを目指すんだ」は難しいというか、傾倒するのが怖いように思います。
論調は声を良くしたことによって生活が劇的によくなった、ということなのですが、これも良くなった例だけをみていくのは、宣伝としては当然だけれど、ちょっと懐疑的。
一方で、アメリカでの政治戦においてスピーチの能力が重要だったというのは納得のいく話だし、日本でもスピーチの上手な政治家の説得力が高いとうのは頷けます。現在の日本でしっかりと教育されていない「声の技術」を持っていることは、様々な分野で強みを発揮するでしょう。
「オーセンティックボイス」かどうかは保留するとして、自分の声がどう聞こえているか、どうしたら説得力の高い声を得られるかは、追求していくのは面白いのではないかと思います。