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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

再会

先日実家に帰った際に、置いてきた私物を整理せよと言われ、ずっとしまったままのバイオリンをもって帰ってきました。
高校生の頃に少しだけかじったときのものです。
結局その数年後にコントラバスに浮気することになるのですが、バイオリンを始めるというときに祖母が購入してくれた楽器です。
実家は湿気の多く、楽器にはお世辞にもよい環境とはいえないのですが、帰宅しケースを開いてみると、彼女は思ったよりもしっかりした様子でそこにいました。

松脂の汚れを軽く拭き、弦がゆるんでずれたと思われる駒の位置を調整し、替えがないので古いままの弦を張りなおして、調弦のペグが大きいコントラバスよりも何倍も慎重に、時間をかけてチューニングし、どうにか彼女を弾ける状態にします。

弓の構え方は右手が覚えていてくれましたが、顎と左手がどうにも固く、当時のイメージを再現できません。時間の経過を感じます。
それでもどうにか弓を走らせると、何とか彼女が歌いだしてくれました。
少し、申し訳ない気分です。

そのあとすぐにG線が弛んでしまったので、これ以上弾くのを諦め、弦を締めなおして、ケースの汚れを拭き、再度収納しました。

今の自分にはコントラバスがあるので、もうこれ以上楽器の練習をする時間を捻出することは難しく、だけれどこのまましまったままにしておくのは忍びないなと思います。
最終的には、何らかのかたちで新しい活躍の場が与えられるようにしてやりたいと思っています。