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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

2021年の振り返りと触れたメディアについて

2021年は大変な年でした。

 

大変な年だった、としか言いようがないような気がするのですが、コロナウィルスのような予想も経験もしていないことに生活を変えられ、その中で自分の気持ちも随分変化してしまった。

 

特に人と会う回数が激減してしまったことは、創作意欲に大きなダメージを与えたみたいで「これを作ったら面白いんじゃないか」を閃くことがほとんどありませんでした。

 

代わりに、大量のメディアに触れました。せっかくなので記録しておこうと思い、この一年は手帳に観たもの読んだものを綴っていました。最後に列挙しておこうと思います。

 

生活が変わり、このままではいかんといくつかのアクションをしたことによって得たものもあったので、2022年はそれらと、触れたメディアから得たもので何かを作る、ということを目標にしようと思っています。

 

今年も一年、ありがとうございました。

 

以下、触れたもの。お勧めには★表示。

 

■ゲーム(26本)

ICEY

★アンリアルライフ

★オブラディン号の帰還

朧村正

神巫女

★シロナガス島への帰還

ゼノブレイド ディフィニティブエデュション

大逆転裁判

大逆転裁判

DELTARUNE Ch.2

天地創造

Newポケモンスナップ

FINAL FANTASY 3 ピクセルリマスター版

FINAL FANTASY 4 THE AFTER YEARS月の帰還

FINAL FANTASY 4 THE AFTER YEARS INTERLUDE

Florence

Hexcells

Hexcells plus

Hexcells infinite

返校

リーガルダンジョン

リングフィットアドベンチャー

ロゼと黄昏の古城

BLACK BIRD

Replica

TOKYO DARK

 

 

■漫画(394冊)

ILY(1~2)

青騎士(1~5)

青に、ふれる(1~2)

青の祓魔師(27)

赫のグリモア(5)

あせとせっけん(10~12)

穴殺人(1~8)

姉の結婚(1~8)

阿波連さんははかれない(11~12)

アバンティ! アンツィオ高校(3)

アルテ(14~15)

アンデッドアンラック(5~9)

異世界居酒屋のぶ(10~13)

いとなみいとなめず(5)

うたたね姫

海が走るエンドロール(1)

裏世界ピクニック(6~7)

ULTRAMAN(17)

映画大好きカーナちゃん

映画大好きフランちゃん

映画大好きポンポさん(1~3)

映画大好きポンポさんthe Omunibus

映像研には手を出すな!(6)

hなhとA子の呪い(1~2)

オダリスク(上下)

★おとなりに銀河(2~3)

乙女戦争(1~2)

お願い、脱がシて(1)

おひっこし

オリオリのスープ(1~4)

檻の中のソリスト(1~3)

女の園の星(1~2)

かいじゅう色の島(1)

怪獣8号(2~5)

かぐや様は告らせたい(21~24)

★かげきしょうじょ!(1~11)

★かげきしょうじょ! シーズンゼロ上・下

かみくじむら(1~3)

カラオケ行こ!

からっぽのアイネ(1)

ガールズアンドパンツァー劇場版variente(7)

ガールズアンドパンツァープラウダ戦記(4~5)

ガールズアンドパンツァーリボンの武者(16)

監督不行届

偽史山人伝

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(1~5)

機動戦士ZガンダムDefine(18)

機動戦士ムーンガンダム(7~8)

虚構推理(15~16)

綺麗にしてもらえますか(6~7)

銀河英雄伝説(20~22)

銀河の旅する子供たちへ(上下)

キングダムオブザZ(1)

首を斬らねば分かるまい(1)

九龍ジェネリックロマンス(4~6)

血界戦線B2B(9)

ゲーミングお嬢様(2~3)

ここは今から倫理です(6)

GOGOモンスター

五等分の花嫁(1~14)

この世界は不完全すぎる(1~4)

この靴しりませんか?

ゴブリンスレイヤー(10~12)

ゴブリンスレイヤー ザ・イヤーワン(7)

今宵、妻が(1~2)

ゴールデンカムイ(web公開最新話まで)

最果てのソルベ(1)

サカモトデイズ(1~4)

ザ・ファブル(1~22)

サマータイムレンダ(13)

さよならガールフレンド

THE IDLEM@STER CINDERELLA GIRLS after20(4~6)

THE IDLEM@STER CINDERELLA GIRLS U149(6~8)

THE IDLEM@STER MILLION LIVE Brand New Song(4)

The Five Star Stories(16)

死神坊ちゃんと黒メイド(12~14)

死ぬほど君の処女が欲しい(1)

シャドーハウス(7~9)

シャーマンキング完全版(1~13)

14歳の恋(12)

少女巡礼(1)

ジョジョリオン(26~27)

しょせん他人事ですから(1)

ショートショートショートさん(3)

十三機兵防衛圏アンソロジー STAR

白井カイウ×出水ぽすか短編集

進撃の巨人(33~34)

刷ったもんだ!(1)

SPY&FAMILY(7~8)

スペクトラルウィザード(1~2)

Spotted Flower(5)

葬送のフリーレン(1~6)

ソウナンですか!?(2)

その時の彼女が今の嫁です

宙に参る(1~2)

タケヲちゃん物怪録外伝

旅する缶コーヒー

★チ。(1~6)

チェンソーマン(9~11)

懲役339年(1~4)

テラン(1)

東島丹三郎は仮面ライダーになりたい(7~9)

透明人間の恋

通りすがりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー(1)

道産子ギャルはなまらめんこい(5~7)

図書館の大魔術師(5)

とつくにの少女(11)

となりの関くんじゅにあ(1)

ドラゴンクエスト ダイの大冒険 勇者アバンと獄炎の魔王(2~3)

とんがり帽子のアトリエ(9)

なんてことないふつうの夜に

呪いと性春

ハイスコアガールDASH(2)

はしっこアンサンブル(6~7)

初恋の世界(9~10)

パラパラデイズ(3)

春風のスネグラチカ

春と盆暗

ハルタvol.81~90

蛮勇引力(上下)

BEASTARS(1~22)

ひとりぼっちで恋をしてみた(4)

風都探偵(10~11)

藤本タツキ短編集17-21

藤本タツキ短編集22-26

ふらいんぐうぃっち(10)

プラネット・ウィズ(6)

プラネテス(1~4)

プリンタニア・ニッポン(2)

ブルーピリオド(9~11)

★紛争でしたら八田まで(1~7)

放課後さいころ倶楽部(18~19)

BOX(1~3)

ポプテピピック(4~6)

Pollyanna2

ホリデーファンクション

ボールルームへようこそ(11)

盆の国

まくむすび(1~5)

マコちゃん絵日記(1~4)

惑わない星(6)

魔法使いの嫁(15~16)

みしかか! ヨシノサツキ短編集

miroir

娘の友達(7)

メイドの岸さん(1)

★メダリスト(1~4)

山羊座の友人

ヤコとポコ(6)

やったねたえちゃん!(2)

夢で見たあの子のために(8~9)

4ジゲン(6)

よつばと(15)

よふかしのうた(6~9)

よんこま十三機兵防衛圏(1)

来世では他人がいい(5)

ルックバック

るろうに剣心 北海道編(6)

ワカコ酒(16~17)

ワルプルギス実行委員実行する

ワンダンス(1~2)

 

■小説(17冊)

アイの歌声を聴かせて

裏世界ピクニック(6~7)

On the way to s smile FINAL FANTASY7

荒野のコトブキ飛行隊

サイダーのように言葉が湧きあがる

探偵AIのリアル・ディープラーニング

流れよわが涙、と孔明は言った

FINAL FANTASY7 Two Pasts

星海の戦旗(1~4)

ヴァイオレット・エヴァーガーデン エバーアフター

VSこち亀

マツリカ・マトリョシカ

幼年期の終わり

 

■映画(13本)

★アイの歌声を聴かせて

★映画大好きポンポさん

えんとつ街のプペル

ガールズアンドパンツァー最終章第三話

機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ第一話

キングスマン・ザ・ファーストエージェント

★サイダーのように言葉が湧きあがる

シン・エヴァンゲリオン劇場版

スーパーヒーロー戦記

テン・ゴーカイジャー

100日間生きたワニ

フラ・フラダンス

竜とそばかすの姫

【ネタバレ】「アイの歌声を聴かせて」感想

アニメ映画「アイの歌声を聴かせて」を観ました。二度。

 

ainouta.jp

 

何度かほか映画の上映で予告編を見ることがあって、その時はそこまで刺さらなかったのですが、実際に観たときの衝撃が今年公開映画の中ではトップでした。

今年は本当にアニメ映画が豊作だと思うのですが「レヴュースタァライト」「映画大好きポンポさん」や「サイダーのように言葉が湧き上がる」と、また観たいと思える良作がたくさん上映された中で「アイの歌声を聴かせて」は自分にとってさらにそれを上回る衝撃でした。

 

ということで、以下ネタバレありの感想です。

 

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「OPUS」シリーズをやって「じーん」としてほしい

OPUSというゲームのシリーズの3作目「星歌の響き」をクリアしました。

 

store.steampowered.com

 

3作目はsteamでしかリリースされていないようですが日本語対応はされていますのでご安心ください。

 

「OPUS」は宇宙を題材にしたSFファンタジーのシリーズで、

第一作が「地球計画」、第二作が「魂の架け橋」といい、第一作目と第二作目はswitchやスマートフォン各種でも遊べます。なお、各作で話は連続していないのでどれから遊んでもOKです。自分は2→1→3でした。

store-jp.nintendo.com

store-jp.nintendo.com

 

「地球計画」では宇宙船の中で地球を探し続けるロボットのお話が、

「魂の架け橋」では荒廃した世界で宇宙葬を行うためにロケットを作る男女が、

「星歌の響き」では宇宙に存在する移籍を巡る没落貴族と巫女の物語が、

それぞれ繰り広げられます。

 

三つの作品に共通しているのが「宇宙」の極大さ、時間空間の広さで、そこはもう生命がなかったり、終末を迎えたあとの星だったりするわけですが、どうにもならないくらい絶望的な中で一生懸命に前に進む主人公たちと、それでも主人公たちの存在なんか全く問題にならないくらい絶望的に大きい宇宙の中で一瞬の輝きを見る、そういう線香花火みたいな物語に「じーん」としてしまうわけです。

 

お話はどれも決して明るくない。既にすべてを失いきった世界ばかりで、エンディングを迎えたからといって失ったものが補填されるわけではない。でも、主人公たちが頑張ったことと、そこに向かって演出される物語と映像は素晴らしく温かみがある。とてもいいものを観たなという読後感をくれました。

 

ゲームとしてはどれも複雑でなく、1作10時間以内程度でエンディングまでたどり着けます。お値段もお手頃なので、是非もっと知られてほしい、遊んでほしいゲームです。

RTAイベントの隆盛に関して感じたことの話

RTA in Japan を今年の夏も大変楽しませていただきました。

 

rtain.jp

 

コロナウィルスが猛威を振るい始め、盆や正月の移動が憚られるようになる直前くらいに注目し始めたイベントだったのですが、順調に大きくなっていてすごいなぁと感嘆するばかりです。

 

一方で「これはちょっと前にも見たことがある流れだな……」と思うこともあったので、今後どういう風にRTAイベントというものが変わって行くだろうかということについて、いま思っていることをメモっておこうかなと思いこのエントリーを書いています。

 

とはいえ自分は今のところRTAイベントは観る専門であり、走者でも解説者でもないものに対してあれこれ思うというのは完全に何様ですか案件であるということは自覚しているつもりです。

 

先に目次を作るのですが、このエントリーでは結論を置かないことにします。今までの自分の経験ではこの先の困難を予測するのですが、RTAイベント自体は自分がこれまで経験してきたものたちとは違う要素を多く持っています。共通しているもの、共通していないものを観察できた範囲で記述して、今後流れを見て行くための材料を置いておくにとどめることにします。

 

1.RTAイベント観客視点からの現在

2.自分が観てきたUGCのコミュニティの流れ

3.2を受けたうえでRTAイベントの展望と特殊性(ここが長い)

 

 

1.RTAイベント観客視点からの現在

直近のRTAイベント、日本で最大と言って差し支えないであろう「RTA in Japan」の最大同時接続者数は18万人強。イベントにマスメディア経験者が実況を入れるようになり、エンターテイメント性が大きく上がりました。

ゲーム関係メディアからの注目も高くなり、内容が電ファミニコゲーマー等で取り上げられることもしばしば。日清食品レッドブルなどのスポンサーも付き、夏の一大イベントとしての地位を確立しています。Twitterトレンドワードが関連用語で埋まることもしばしば。

 

それ以外のイベントも、休日はかなりの頻度で国内外のRTAイベントが実施されているのを目にするように。同様に一般企業のスポンサードを受けるイベントも見られるようになりました。

併せて、RTAに関わる方が、RTAに対して苦言を呈する姿も見るようになりました。単純にRTAに関わる人が増えたため、自分の観測範囲でも観ることができるようになったのだと思います。

 

2.自分が観てきたUGCのコミュニティの流れ

よく言われることでもあり、自分が経験した流れとして、コミュニティやそのUGC自体が所与のものになるくらい根付いてくると、いろいろなネガティブなことが起こって当初の楽しみが失われていきます。参加したものやただ見てきたもの、総合していくと、参加する人が多くなったりしていくにつれて下記のようなことが起こってきます。

 

・回数を重ねて新奇性を失う

・作り手と受け手のバランスが崩れ、供給過多になる

・個々のアウトプットに対する要求レベルが高くなる/お客様としての扱いを求める参加者が増える

・人間関係が複雑になる/コンテンツを作るという行為よりも人間関係・コミュニティの都合が前に出る

・マネタイズできることが認知され、資本が投入された法人コンテンツが同じフィールドに出てくる

 

「ゲーム実況(RTAを伴わないもの)」「二次創作」「ゲーム音楽演奏」「eスポーツ(もしくは格闘ゲーム大会等)」などなどで物事が盛り上がってから落ち着くまでを観ていると、大体似たようなことが起こってきていました。

これらをひっくるめて単純に表現すると「最初楽しくやっていた人の多くにとっての楽しみの元が徐々に減っていく」ということが起こっていきます。

RTAイベントは十分に盛り上がりを見せているので、今後上記のようなイベントをどんどん経験していくフェーズに入ったと言って差し支えない、もしくは自分から見えていないだけですでに経験している、と思うのです。 

 

3.2を受けたうえでRTAイベントの展望と特殊性

少なくとも観察している限り、規模的にはRTAイベントは今まさに峠に到達したというように感じています。

が、RTAイベントがそれと同じように推移するのか、というと必ずしもそうではないだろうという感覚もあります。アウトプットの内容が特殊なためです。

RTAというもののエンタメ部分にはいくつかの方向性があると思っています。

・レースを行うようなスポーツ的要素

・出し物を観るような発表要素→「学会」と呼ばれるような知識面の披露

・ゲームそのものの紹介としての側面

 

このうち特に「学会」と呼ばれるような知識面、ゲームの仕様を掘り下げ紹介するような内容を含むRTAは、たぶん今後もそのコストパフォーマンスの悪さからマネタイズ関係の影響はあまりないものではないかと思います。「レトロやマイナーゲームでも行われる」「掘り下げに時間や専門知識を要する」「リアルタイムで披露する」の三つも関わるのは、芸として特殊すぎます。

併せての特殊性として「各タイトルの走者が少ない」ということが、各コミュニティが大きくなり過ぎない要素となっているのだろうと思います。それぞれが常にほぼオンリーワンのコンテンツであり続けられます。(RTAイベントではよく走者さんの「ぜひこのゲームを走ってください」という言葉が聴かれるのですが、参入障壁が下がり人口が増えるほど、今走者として活動している人の楽しみは減りやすくなるのでは、と感じてもいます)

各ゲームタイトルが出し物として独立し、実施する人たちもお互いにリソースやコミュニティを食い合うようなことがないと考えると、似ている既存のコンテンツとしては「欽ちゃんの仮装大賞」が近いのではないでしょうか。長年、テレビメディアで放送されながらユーザーレベルの出し物のみのコンテンツです。

 

一方で今回のRIJの「リングフィットアドベンチャー」のように、同じ土俵の中に、プロフェッショナルな演出技術が入ってくるようになると、イベント全体の要求レベルが上がってしまう恐れも十分にあるのでは、と感じています。

要求レベルが上がっていくと、同時にイベントを運営するコストも大きくなり、UGCのように本人の楽しみのみを対価として実施する「楽しさ」が相対的に目減りしてしまいます。個人で面倒が見れる範囲も超えていくので、組織づくりだけではカバーできない部分も増えていくはず。(ドライブされている運営の皆様には本当に感謝しています)

今まさに最も注目されているRTA、運営が「チャリティー」であるということもあって自分もとても注目しているのですが、大きくなるスピードの速さにちょっと不安も覚えたので、ここでメモしておくことにしました。

【ネタバレなし】映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」感想

映画「サイダーのように言葉が湧き上がる」が最高だったので感想を書きます。

 

cider-kotoba.jp

 

劇場の予告で映像を観たときに「これは最近ありがちな夏休み向けの、アイドルとかが出る漫画原作あたりの恋愛映画をアニメにしたやつかなぁ」なんて思っていたのですが、ちょこちょこと良い評価を目にするようになり、気になったので観に行きました。

 

この夏(2021)ではこの映画を一押しにしたいと思います。

映画大好きポンポさんと悩むところですが、ポンポさんは押してくれる人が多そう。

 

以下、紹介はストーリーのネタバレをしないようにしますが、せっかくでしたらこれを読む前に観に行って欲しいです。

 

 

あらすじとしては、画像のトップの二人の恋模様を描くわけですが、すれ違ったりしっとりしすぎたり、と言うことはなくて、むしろ話の中心は物語の舞台であるショッピングモール、その中に位置するデイサービス、さらにそこを利用する「フジヤマ」さん。

この老人フジヤマさんと、主人公であり俳句を嗜む「チェリー」、そして人気ライバーであり矯正中の出っ歯を気にするヒロイン「スマイル」、そのほかの登場人物がひと夏のドラマを作り、最終的にはチェリーとスマイルのわけなんですが、脚本にまったく無駄がありません。登場人物に等しく好感を持つことができ、ポップな画は情景を巧みに映しつつ物語の誘導も鮮やか。二分割された画面のテンポのよさと、それぞれの表情や顔の向きで進む場面の軽快さはもう一度観たいです。

 

なにより感動したのは、どこまでもポジティブなSNSの描き方。鬱屈とした世相の中で、SNSによって人と人とがつながることができ、何かが前に進むということを描いてくれています。こういうSNSの使い方が望ましいよね、という心地よさ。自然に成立する二人をずっと応援したくなります。

 

「ポンポさん」もクリエーター賛歌で良かったですが、いわゆる夏の、ポップな恋愛を描いたアニメらしいアニメとして、90分でここまでまとまっていて好感が持てるものはなかなか出会ったことがありません。

たぶんディスク買っちゃいます。ぜひご覧ください。

両手しかないのでその範囲しか包めない

仕事上でも趣味上でも人に説明をする機会が多いので、自分と相手の間のギャップだったり、相手がどういうロジックでその考えにたどり着いているか、ということをその人の言葉から予測することが日常的になっています。

 

特に気にすることの一つに「なぜ」そのワードが選ばれているのか、「なぜ」そのロジックが使われているのか、という部分があり、説明的会話の中ではこの「なぜ」には基本、必要がなければ反しないようにしています。

それがその人にとってプライド、面子であることが多いからです。

 

言葉について気にすることが多い自分は新型コロナウィルスの影響が始まってから二年ほど、目にする言葉の推移を気にしてきました。

おおむね病んでいます。今日読んだニンテンドードリームの読者ページですらちょっと長い文字量でコロナ禍でのイライラの相談が乗ってました。ゲーム専門のエンタメ誌ですよ。

 

通常状態より仮にコロナ禍のほうが10%病んでいたとして、90%の人は元気なわけですから、気にならないと思うかもしれませんが、前年より10%交通事故が増えたら大事件ですし、普段より通勤経路の交通機関が10%混んでたら「なんか起きた?」と感じるはず。「全体がちょっと」って、少量でもかなり影響があるものです。

 

でもこういう時に「自分が変わった」とはなかなか思わないんですよね。

冒頭での話に戻します。説明するときには、相手の理解を前に進めるか、理解はそのままでもいいのでこちらの望む行動に誘導するかを試みるわけですが、基本的に皆「自分は正常だ」と思っています。

 

これは人間が自我を保つために必要なんだと思います。問題は自分が少しずつおかしくなっていたとしても、自我を保つために「自分は正常だ」と思っていることです。

 

それでも、自分以外の周りが通常の状態であれば、その周りの水準に合わせて戻ってくればいいわけですから、自然に本当に正常な状態に戻りやすい。

 

が、コロナ禍で全体が少しずつ病んでいたとして、しかしそれぞれは「自分は正常だ」と思っていて、実際には全体がちょっとずつ沈んでいたら、気づかずにずぶずぶっと沈み続けることになります。

 

と、いうことで、世の中だいぶ沈んでいるな、と思っています。これはきっと後年になって人文社会科学的に研究がなされると思うのですが、情報ネットワーク、とくにSNSはこの事態で特にこの事態に寄与してしまったなと感じています。

自分もまた異常事態にあると以前に自覚したので、必死で上の方に向かって泳ぎながら日々を過ごしています。

 

多くの友人知人に(有難いことです)恵まれているのですが、目に見える範囲でもどんどん沈んでいるなと思うことが多くなっています。

直接肩を叩いて、沈んでるよ上目指そうと引っ張って行きたいところです。でも、自分自身はすでに自分の家族だけで両手はいっぱいだし、本当に下方への勢いが強すぎる。

 

でもこうして書くことはできるので、ひとまず書くことにしました。ふわっとした作文は久しぶりです。

 

まだコロナウィルスの影響は続くだろうし、それがもたらした社会への爪痕もまだまだ続くだろうし、いくつかは取り返しのつかない傷になるのだろうけれども、両手は塞がっていても声を出すことはできるので、声くらいは張っていこうと思います。

もしかしたら沈んでいるかも、とほんの少しでも思ったら、上に向かって泳いでください。たぶん、だいぶ沈んでいるし、その沈みはほかの人に影響してます。

 

「君はまだ歌えるか?」

声の限りは。