webでSSイベントを主催するなどしてネット上の文章に触れることが多くなったので特にそう感じることが多くなったのですが、文章のデザイン面、体裁に気を遣ったほうが圧倒的に読みやすくなると思いましたので記事化しておきます。
とはいえ文章とデザインとでは分野が大きく異なり、文章を書く人にデザインを気にしてと言ってもどういうことだかよくわからないと思いますので、ここでは実例を挙げて実感していただくとともに、最終的に「これだけ気にすればいいと思うよ」ということをお伝えしたいと思います。
結論を先に。
・多くのSNSは理想としている体裁が既に決まっているので、その理想に合わせたほうがよい
・pixivなどの縦書き横書き表示を選べる場合は、段落の改行有無によってこちらから縦横を指定した方がよい
・縦書きの場合は小説本の体裁にできるだけ近づけたほうがよい
ということです。
筆者の側でコントロールすることはひとまず2点のみでよいでしょう。
・地の文の段落頭を一字下げるかどうか
・段落ごとに改行を挟むかどうか
この2点です。とりあえずこの二つだけでも気にしておけば大幅に変わってきます。
「いやでもそんな変わらんでしょ」という方もいらっしゃるとは思うんですが、大量の文章を読むことになると、ほんの少しの差が読み疲れするかどうかに関わって来て、かつその体裁の読みやすさ自体が作品の評価につながってしまうこともあるわけです。
凄くいい内容だったんだけど、疲れちゃって二度と読みたくない、と思われるよりかはまた同じ人の作品を読みたいなぁ、と思ってもらえる方がよいでしょう。
「体裁がよくなかった」ということに読む人が気付けるとは限らず、疲れの原因が体裁にあったとしても「あなたの作品は体裁がよくなかった」とは言ってもらえません。しかし体裁を綺麗にすればそれだけで内容の評価までもが上がる可能性があるわけで、やる価値は大きいと思います。
以下は実際の文章を見ていただきたいと思います。
各サンプルは画像で用意していますので、縦幅または横幅を適宜調節して見比べてください。
横書きの場合は行間を広くとって、さらに改行も適宜加えていく方がすっきりします。
まず行間が狭く、改行がない文章。なお、MS明朝でポイント数は全て同じです。
余白が多いですが、どのくらい縦に伸びるかも見て頂こうと思って統一しています。ご容赦ください。
続きまして行間は変わらず、改行があるもの。
すこしブロックが分かりやすくなったと思います。
さらに行間を開いて、改行も入れたもの。
だいぶすっきりしました。
行間があっても改行がないとちょっと詰まって見えます。
また、ここまでのサンプルは字下げを入れましたが、横書きの場合は字下げが無くてもあまり読みやすさに影響はなさそうです。
このブログ記事も字下げしていないです。
次に縦書きで同様に見ていきます。縦書きは画面の横幅によりますが、横書き文章より行間が狭くてもあまり視認性を損ないません。一方、字下げがないと読みづらい印象があります。
まず字下げなし、行間は詰め、改行はなし。
ここからは左側に余白があります。媒体によってはサンプル画像が見づらいかも……
次に同じ条件で字下げを入れます。
これで概ね小説本と同じような体裁です。
では次に、改行を加えていきます。
読みづらいということはないですが、テンポ感に差が出てくると思います。
ちなみに、PCのモニターなどはどうしても横長で、横に文字が伸びていくととても読みづらくなります。(なので、こういうブログなどの媒体では多くの場合横の長さを制限して調整しています)pixivの縦書きモードでは、ipadの横持ちなど媒体によっては画面横幅一杯に文字を表示するので、改行がないとかえって煩わしく感じる場合もあります。
さらに行間を開けてみましょう。
このくらい伸びます。小説文っていうよりも詩っぽい印象に寄って行きます。段落ごとの繋がりが弱まっていく感じです。
サンプルはひとまず以上です。
ということで
■横書き媒体の場合
改行は段落ごとや会話文の前後など多めに。字下げするかどうかは好みで。
■縦書き媒体の場合
小説文なら改行はなくてもよい。字下げはあったほうがいい。
以上を自分としてはお薦めします。pixivは投稿時に作者側が縦横どちらの形式で表示するかを選択できますので、文章の状況により選択しておくとよいと思います。
参考になりますれば。