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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

”新規楽団”においては第一党ムーブに気を遣って欲しい話

かなり前の話なんだけれども「コントラバスが欲しいんだよね」と、楽団に奏者として誘われて断ったことがあったんです。

なんというか、誘ってくれた人に恨みは無いけれど、そこの楽団にはいろいろあって関わらないぞと決めているので、特に躊躇せず断りました。

逆に言えば誘ったって参加しないことは断られた相手方には分かっていたと思うんですよね。同じ「いろいろ」を共有したのですから。

 

それでもその人が自分のことを誘わざるを得なかったのは「コントラバスが足りてなかった」だと思います。まぁ、そんなに持ってる人が豊富に居るものでもないですからね、コントラバス

 

上記の前置きをなぜ挙げたのかですが「人」と「楽器」が両方必要なのが楽団です。「私」と「コントラバス」はセットで「奏者」として楽団に参加します。また様々な例外はありますが、基本的に楽器は高価なので、貸し借りはあまりないと思います。

一方で楽団には一般的に「定員」があります。定員に多少足りなくても成り立ちますが、ちょうどいいバランス、曲が問題なく成立するくらいの人数が集まらないと楽団として動き出せません。吹奏楽だと大編成と言われるもので40人前後かな?

 

そのため「人と楽器を募集しなくてはならない」「多すぎると断らなくてはいけない」「足りないと成立しない」という条件に縛られ、新設楽団はオープン募集を始めます。

オープン募集してもそれでバランスよく集まるわけはないですから、実質的には先にある程度中心メンバーが集まっていて、そこにプラスで人を足す形で成立させていくとというのが普通のやり方だと思うんです。

そういう募集の仕方をすれば当然、楽団には第一党と、そのほかの人達という差が産まれます。人が集まれば当然コミュニティが出来ます。

 

ここで第一党、つまり中心メンバーの人達は「自分たちが第一党である」ということに自覚的に動いて欲しいんです。具体的には「それ以外の人に気を遣ってよ」ということです。たとえば、

・第一党ではない人に積極的に声をかけていく、ちやほやする

・第一党の人達が過度に固まりすぎているのをバラして新しい人と混ぜる

こういうことです。多少過激なことを言うなら、それをやらないんだったら募集の時点で奏者という「楽器と人のセット」のうちの「人」については一切ケアしませんと説明が欲しい。

 

何のために音楽をしているのかという理由は人それぞれだと思います。曲の為かもしれないし、楽器そのものかもしれないし、もしくはそのコミュニティかもしれないし、それらが組み合わさってることがほとんどだと思います。

第一党に居ると気づきづらいんですが、自分が第一党じゃない場合に第一党の存在に気づいたときの「外様感」ってすごい強いんです。曲や楽器そのものの為に来ているんだったら構わないのかもしれないけれど、コミュニティの要素を大事にする人は疲弊するのではないでしょうか。

 

とはいえ、一応「募集」という形式をとっているのだから、第一党なんて居ないよ、というのならそれはそれでいいと思います。「新しいところに入っていくんだったら、自分から前に出ないと駄目でしょ」これも正論。(実際は”募集なので第一党は居ません”という嘘が先にあるんですけど、ややこしいので割愛)でも第一党ムーブをしておくといいこともあると思うんですよね。まず危ない人を排除できる。大体40人くらい居るとちょっとおかしな人もそれなりの確率で混ざります。こういう時に声をかけて回っておけばその人がヤバそうでも早い段階で対処ができます。

 

ここ十年くらいで、楽団は地方、地域依存からタイトルやジャンル毎の開催への転換が進んでいると思うんですけど「奏者は公募だよ」としておいて、実際には既に出来上がっているコミュニティの欠員募集であるパターンがあるようです。自分も経験があるし、身の回りからもちらほら聞きます。それって「奏者」募集じゃなくて「楽器」募集ですよね。

それはそれで、利害が一致すればいいとは思うんですけれど、一致するかどうかすらわからないので、できれば第一党がいるのかどうかはっきりした状態で募集をかけていただくか、もしくは第一党が居るなら第一党ムーブをしてほしいな、と思うのでした。