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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

ヴィーナス&ブレイブス ネタバレつき感想の話

 ずっと前に買ったまま積んでいたゲーム「ヴィーナス&ブレイブス~魔女と女神と滅びの予言~」をプレイしました。超よかったです。

 以下ネタバレもあるので、ご注意ください。

 

 もともと7~モールモースの騎兵隊~もプレイはしていました。両者に共通するゲームシステムが素晴らしく、4人×3列ぶんのマスに最大7人のキャラクターを配置し、先頭の列は攻撃、中間は補助、最後尾は回復を行い、これをターンごとにローテーションして戦闘を行います。敵の攻撃はあらかじめ行動内容が明示されているため、敵の行動内容から、こちらが敗北しない編成を組んで戦闘に挑むというものです。

 

 また、キャラクターの成長システムもJRPGでの、経験に応じて上昇し続けるものではなく、ゲーム内の加齢とともに上昇、ピーク以降は急速に下降します。最大14名のチームのメンバーを、ピーク年齢とともに入れ替えながら進みます。ヴィーナスアンドブレイブスでは本編は100年以上継続し、キャラクターの活躍期間はどんなに長くても15年程度。100人以上ものキャラクターが加入しては脱退していきます。

 

 ストーリー面がまた素晴らしく、主人公は不死者。それ以外の多くのストーリーキャラが、主人公よりも早く老い、そして天寿を全うしていきます。前作の7ではこの寿命システムに至らずに本編が終わるため、この「不死者」が入ることによるドラマは無かった。不死者によって、100年以上戦い続ける騎士団の個々の団員が想像以上に光っていきます。

 

 特に序盤でのウォルラスとフリーの子弟関係は最初の落涙ポイント。ああ、しまったこれからこういうゲームをプレイして、自分はまさに主人公たる不死者ブラッド=ボアルの視点になるのだ、と思い知らされます。

 以降も増えていくキャラクターと、そして去っていくキャラクター。しかし中盤、さすがに(PSPは読み込みも遅いし)ゲームはややマンネリになっていきます。なにぶん、ストーリー面以外は単調なゲームです。

 しかし、マンネリとはいえ緊張感は漂い続けます。最後にはボス戦が待ち構えているわけですが、その時に強いキャラクターが部隊に揃っているとは限らないのです。いまは強いメンバーが揃っていても、彼ら彼女らは十数年後に衰退期に入ります。その時までに子孫を残せているか、子孫を残しても活躍までの十数年はどう運用するか。思ったより気持ちが落ち着きません。

 いくらかメインストーリーに絡む、ユニークキャラがいるわけですが、そのイベントが終わるとユニークキャラも一般のキャラと同じ扱いになってしまいます。隊を離れるときも、天寿を全うするときも特別なイベントはなく他と同じ扱い。うーん、なんかちょっと淡泊だぜブラッド=ボアル。そんな風に思ってたんです途中まで。

 

 後半は予言された終末に向けて話が展開していきます。ボスと思われた奴を退治して現れる真ボス。そして出る最終章の章タイトル「ヴィーナスアンドブレイブス」ああもう泣いちゃうよ。大好きだよこういう演出は。ベタだけど大好きだよ。

 

 ラスト、なんとか、なんとか運もあってラスボスを倒し、そして流れるのは前作7のテーマアレンジ。そう、ヴィーナス&ブレイブスの舞台は7の400年程度後の時代の話なのです。それでさらに泣いちゃう。

 更に、流れて行く今までの年表、活躍した団員たち、そしてその生涯の「年表」。

 あっ、これ、むしろお別れが淡泊でよかった。もしもっと濃厚な別れを何度も重ねていたら、ここの画面で正気で居られる気がしない。と、ここに来てわかったのでした。

 イベントのない通常のキャラでさえ「あのころ活躍してくれたなぁ」とか思うし、ストーリーキャラと同じ「苗字」のキャラクターがいると、ああ子孫も頑張ってるんだなぁなんて思っちゃうわけです。淡泊にしてくれないと別れが辛すぎる。彼らは戦い、人生を生き抜いていったが、100年以上戦って勝ち得た平穏を彼らに伝えることはもう永遠にできないのだ。なんて、なんてしんどいんだろう。ブラッド=ボアルの人生。それでも君は笑うじゃん。すごいよ。

 

 ラストには、あの人どうなったんだろう、の丁寧な回収。

 お見事です。素晴らしいです。ありがとう。

 50時間遊びました。それだけやれば当然愛着も湧くってもんですが、本当にすばらしかった。

 サントラがほしい。

 サントラがほしいぞ!(事情は把握したうえで)

 

 以上、感想でした。

 

ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~ - PSP

ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~ - PSP