実は自宅を購入していました。
常々、自分は自宅をみんなが買う風潮はまずいとか、そういうことを言ってたと思うので、なんで買うことになったのかを書いてみます。
最も大きな理由は部屋が漫画等のメディアで狭くなってきたからです。いつのころからかメディアを棄てるということをやめて、これは蓄積と貸し借りに使うべきだなと方針決定をしたので、明らかに物を置く場所が足りなくなってきました。
地域によって差がありますが、当然スペースが大きくなるほどに家賃は大きくなっていくので、これが住宅ローンの返済シミュレーション額と比較してどうかというのが指標のひとつになります。
当時住んでいた家以上のスペースを得るよりも、住宅ローンのほうが月当たりの負担額は同程度か小さくなる。
次に長期的視点で、借家に比べるとこっちのほうがとても大きいのですが、何分デカい買い物なので、精神的な安定感を得るためには安心要素を稼いでおくことが重要です。
特に、大きな額の負債を抱えるわけですから、それの返済について立場を決めておかないといけない。
自分の場合は、仕事がいやになったときに別の仕事に鞍替えできるかどうか、というのは精神衛生上すごく重視していたことだったので、負債を抱えるとここに硬直性が生まれるのはデメリットだと思っています。
が、今は在籍年数と賃金と環境と、様々な要素が重なって、少なくとも自分の意思で職場を離れるということのメリットは相対的に小さくなってきました。仕事がいやになったときにはいやになった原因のほうを全力でツブすほうが得だ、というところに来ました。
となれば、ひとまず収入と仕事選択の硬直性についてはクリアしたこととしました。
次に、ローンについての考え方ですが、お金を借りるときに重要なこととして、借りて何をするのかということで、借りて何らかの資産を得て、その効用を長く享受する、借りないより借りたほうが効用が大きくなるなら借りるべきで、小さくなるなら借りないべきです。
これについては住む、ということなら借家だけでも問題ないので、住む以外の要素を見ていく必要がありました。
ということで、一番重要視した要素は「いざというときにもっぺん売れるかどうか」です。住む前からも売ることを考えるのが一番ベスト。
以前に不動産について軽く学んだ時に「住むことしかできない家」というようなフレーズがあって、それが心に残ってました。そもそも住宅って住むためのものですが、同時に売り買いの対象になるものです。買ったはいいけどそのあと実勢価格が下落しつづけたりするようでは、それこそ住むことでしか使用できなくなる。
住む、もっぺん売る、の二面で考えていきました。
なので、売りづらい家は価格より価値が下がる。たとえば自分が何かやらかしをしてローンが維持できないってなるとき、家を売ろうとして残債と同程度またはそれ以上で売れればいいんですけど、そうじゃないと売ってもローンが残るから多額の債務者になってしまう。
やらかすの先に怖がるのかよ、というとそうではないんですが、やらかしても大丈夫というセーフティネットがあるというのは長期的な精神衛生上かなりのメリットがあります。そういう危険が外部要因によって起こることだってありえるわけですから。
てことで、多少割高に見えても、もっぺん売れるな、というおうちにしました。もっぺん売れるおうちってなんじゃ、ってなりますが、通勤がよかったり、環境がよかったり、そういう面です。ここで安いけど住むしかできないようなもの掴むと、負債額は小さいように見えますが、結局額面よりも大きな不安を抱えることになります。
ってなあたりに加えて、自分のあらゆる生活面を考えて諸要素をクリアーできる物件が「たまたま」見つかったので、購入に走りました。
なので、いまでも自宅をとりあえず購入するというのには反対で、数十年前にあったマイホームを持つこと自体が価値観であったりするのは危険と思っているんですが、自分が買ったときにはそういうところ、自分に致命的な事件が2、3起こったとしても精神を健康に維持できるか、を検討して買いました。
なにかの参考になりますれば。