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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

沼に堕とすレコメンのしかたの話

例のドラゴンボールでマウンティングされたどうこうの話で思い出したことの話を書きます。

ドラゴンボールの話はリンクはしません。

 

自分の話をしますです。

人から勧められたものはできるだけ触れるようにしております。もちろん、時間は有限なのでどうしても手が付けられないことはあるんですが、ジャンルや媒体に関わらず「これはいいよ」と言われたものはできるだけ触れるようにしております。

 

で、身の回りでなにかが盛り上がっているときに、それに対するお薦めを受けることがあるんですが、そのときの勧め方(以下レコメンと書く)は工夫してもらえればしてもらえるほど有難いです。

 

盛り上がっている方と盛り上がっていない方の間には圧倒的な情報量の差が既にあるので、それをいっぺんに渡されても「いやいやいや」となるわけです。

 

悪友の話をしましょう。

自分はAKBというムーブメントに乗れなかった人間です。アイドルとかようわからなかったですし、すでにテレビもあまりみない時期だったので、よくわかっていませんでした。友人からはAKBについていろいろレコメンを聞きましたが、なにせ48人を超えて大量に居るので、自分としては「その友人が語るコンテンツ」として受取るのが精いっぱい。後追いではちょっと追いつききれない。

ちなみに、このときの入り口として「マジすか学園」1期はDVDは観ました。これは入口としては良かったんですが、同時期に系列のバラエティを見なくてはならなかったのでしょう。当時は確か指原さんが「いいとも」に出るとか地方にいくとかなんとかという時期。日々変わりゆくアイドルの現場にはなかなかついていけなかった。

さらに何事も経験、ということで、CDを頂いてだったかな、総選挙にも投票をしてみました。何も知らなかったので、顔写真だけが並んでいる中で、プロフィールも読み込めない状態で「この子かなぁ」と第一印象で決めました。で、その結果を悪友に報告したら「小学生! ロリコン!」となじってくれました。

知らんがな。で、そこで再び入り口には至れないまま、AKBを深く知ることなく過ぎ去ったのでした。

ま、悪友の軽口は関係性によるものです。だから多少なじられたところでいいんです。が「AKBを楽しんでもらおう」というときに、その入り口に立とうという人間に「小学生! ロリコン!」となじるのが適切ではないことは伝わるかと思います。

 

何が言いたいかっていうと、既に大量に情報持っている「あなた」からその大きな情報量のレコメンを受けてもどうすりゃいいかわからんのが受け手だと思います。冒頭に述べたように自分はどちらかといえば広く作品やエンタメを受け入れるほう、入口をさがす方だと思ってますので、他の人はもっとどうすりゃいいかわからんと思うんじゃないか、自然に避けるんじゃないかと思うんです。

 

なので「入り口」だけ教えてほしいのです。

この商店街には256のあらゆる店があり、それらは全て複雑に関係している。前回商店街総選挙で惜しくも神8店舗をはずしたこの店のラーメンはあっちの店の小麦を使っており、そこの親父さんは三軒隣の酒屋の娘と不倫している。この酒屋の娘と娘の彼氏である文房具やのせがれが(以下略)

なるほどそりゃ確かに壮大な物語だ!

けど「ラーメン食ってみ」だけ教えてくれっ! あとは自分で沼にはまるから!

 

と。

 

なんでこれが起こってしまうのか。

「喋りたい」からなんだと思うんです。

「レコメンしたい」「この作品は素晴らしいから知ってもらいたい」というのは、その想いをうらっ返したとこに「その作品について喋りたい」を持っていると思うんです。

まだ早い。まだこっちは知らないんだって。それはレコメンのような形を持っているかもしれないけれど、実は、喋りたい欲求の方が前に出ていやしないかい。

 

 

と。

 

なんでドラゴンボールのマウンティングの話でそれを想ったかっていうと、人気作品を読んでいないことをなじるっていうのは「私が相手の知らない作品を知っていることで、安全な位置から優越感に浸る」という意味で「喋りたい欲求が前に出た」の極致だと思うからです。

てことは、その延長線上、濃淡の中に、レコメンする行為はあると思うのです。

 

じゃあどういうことかい「勧めるな」ってことかいっていうと、そうではなく。

「勧める」と「喋って楽しむ」のバランスで「勧める」に機能特化するなら、情報はむしろ絞っていくべきだと。

「ここが入口だ」だけレコメンする方が「勧める」としては正着手なのではないかと。

 

と、いうことを考えていたのでした。

「入り口」として適切なものを吟味しレコメンするのは、それはそれでかなり難しいことでもありますが。

 

これが漫画や映画、そこまで広がりの大きくないものごとであれば「読む!」「見る!」だけで済むんですが、メディアミックスされていたり、スポーツみたいにチームやドラマが広く広がっているものだと、やっぱりそういう「入り口」が欲しいなと思うのです。