気になっていた「よりもい」こと宇宙よりも遠い場所を観ました!
ネタバレ入れるので未見の方はご注意ください。
観ようと思ったきっかけは、絵の塗り方が「きみの声を届けたい」に似ていて注目したこと、観ていた範囲で好評だったからです。
で、ほぼほぼ一気に見ました。とてもよかったです。なにが良かったのか、ということを考えると、言えるのは「毒を毒として隠さなかったから」というところかなと思います。
お話自体は、そんなに特別なことはなくて、やや荒唐無稽ながら、女子校生四人が友達になって、南極に行って、そして帰ってくる、本当にそれだけなんです。ドラマ要素が多いかどうか、というとそれは決して多くないと思う。極端にネガティブなこともないし、全体は順風満帆に進むし。
でも綺麗な話ではない。ダークな感情ももちろんたくさんあって、そしてそのダークな感情を若い主人公たちが隠したりはしない。世の中には受け入れられる人と、受け入れられない人が居て、この人とは一緒に居られる、この人とは無理、この人は永遠に会えなくなってしまった、この人とはずっと一緒に居たい、そういう様々な「取捨選択」もしくは否応なく突き付けられる「結果」みたいなものへの姿勢の取り方がポジティブでよい。
たとえば。ドラマだってなったら、悪人を作らないで、嫌な奴は倒されるか、ストーリー的に成敗されちゃうとか、勧善懲悪だったりして。もしくは悪い奴が改心して仲間になってくれちゃったりして。
お話的にも結構理不尽なことが起こったりして、それをすんでのところで解決してやったねっていう感じになったりして。
そいうことはなくて、理不尽なことはないけど、悪意のない、でも相容れることのない相手がいて、そういうお話の中で「自分の目的にはまっすぐ進む」「自分の目的と相いれない人とは交わらない」という選択が明示されているのが好感です。
で、観た後には旅に行きたいなぁという感想が残って。人間関係ドラマでファンタジーをやっていない結果、旅をするのだというところが美しく描かれたのではないでしょうか。
めちゃくちゃよかった! テンション上がった! というところではなくて、じんわりと「ああよかったなぁ」というアニメでした。旅に出よう。