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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

映画の話 20170415

水曜~金曜と三日連続で映画を観てきました。

・ゴーストインザシェル

ひるね姫

夜は短し歩けよ乙女

 

の、三本です。ネタバレを含みますのでご注意を。

 

 ・ゴーストインザシェル

ghostshell.jp

攻殻機動隊ではない」というのが一番大きな感想です。映像は攻殻機動隊らしいシーンを作ろうとしているんだけれども、お話の作り方が全然攻殻機動隊ではない。特に少佐のキャラクターづくりに致命的な読み間違いがあると思いました。

攻殻機動隊の主人公はなにかって考えたとき、それはその技術水準に達した世界および社会だと思うのです。だから素子やバトーは自分が義体であることに対して悩んだりはしないし、組織として仕事として自分があることを受け入れている。

だから攻殻機動隊のドラマの中心は、公安9課のメンバーの中にはあまりなくて、そういう未来社会の中にある社会問題のほうに中心がある、と思うのだけれども。映画はそうではなくて、素子というキャラクターを悩ませ、成長させたりしようと思ってしまったみたいです。

それは違うでしょー。というのが攻殻機動隊と、SACを通ってきた自分としての感想。

北野武扮する荒巻課長だけが日本語でしゃべるのもなんだか滑稽に見えてしまった。途中、課長が襲われて銃で反撃するシーンは堂に入っていて、そりゃそうだよなぁ、でもどう見てもヤクザ、と笑ってしまいました。

ああいうお話になってしまうのは、国民性の違いなのかなぁ、なんて思っていました。攻殻機動隊とは別物。

 

ひるね姫

攻殻機動隊SACの(笑)神山監督のアニメ映画。

wwws.warnerbros.co.jp

同時に二つの世界がリンクしながら進むようなお話で、よく考えるとこの二つの世界のリンクが必要かどうかは判らない。「でも面白かったのでよし」というのが感想。前日のゴーストインザシェルと比べて観てしまったので、正当ではないかもしれない。

特に後半、二つのストーリーが溶け合うところで、描かれなかった側の世界でなにが起こったか、を自然と説明しているところが面白いところ。みている側が「こういうことが起こったのか」を、描いていないのに知ることができるというのはすごいことだと思います。

映像は全体的にかっこよくて、特にファンタジー世界側のマシンの変形なんかは夢が詰まってます。ロボが出撃するときを筆頭に、曲も素晴らしい。やっぱり進撃はスネアドラムですよ!

二時間のなかにボリュームたっぷりで非常にまとまっているのでお勧めです。一方で、アニメや映像を見慣れていないひと、文脈の読み取りが苦手な人はちょっと苦労するかもしれない。

 

夜は短し歩けよ乙女

同名の小説のアニメ映画。

kurokaminootome.com

小説は十年弱前に読んで、これは面白い! と思っていたのだけれど、これが映像になるとどういう表現になるのか楽しみだった。中村佑介デザインがそのまま動き出すのは楽しい。小説の混沌としているのに整った感じをそのまま映像に落とし込めているのはすごいところ。中村佑介デザインががちっとはまっていたのがもともとのところだったので、それをそのまま映像化するのが最善だった、っていうところでしょうか。

久しぶりに見たら酒呑みまくり、辛いもの食べまくりのお話だったので、なんだかいたたまれない気持ちになりました。

 

 

おまけ。映画三本見たことで、予告編を色々見た感想でいま一番気になっているのは「メッセージ」です。

www.message-movie.jp