読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

paper-view

ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

基本的なマネジメントに関する話

「人になにかをしてもらう」ということを考えるときは、まず各種情報の整理から始まります。

 

・それをする必要があるか? なぜするのか? するとどうなるのか?

・誰に権限があるか? 誰が実施するのがよいか?

・どのように実施すべきか?

 

を検討する。どうしてそれをするか、というと、欲求と必要は簡単に入れ替わってしまうからです。

「自分がこうすべきだと思っている」と「実際にそうする必要がある」の間のギャップ。甘美な誘惑に酔わないことが大事です。

「自分の欲求のために、他人がこうすべきだと思っていないか?」を検討することはやっておいたほうがいいと思います。

ちなみに、その欲求があること自体を否定するべきものではないです。「自分の欲求がある」が「他人が当然そうすべきだ」に入れ替わってしまうと、そのあとが狂いやすい。

 

情報が整理されることが重要です。ちょっと抽象的な話になってしまったので具体化しましょう。つまるところ「人になにかをしてもらう」というのは「北風と太陽」の寓話がそのまんま、そうです。

 

課題:旅人に服を脱がせること

なぜ:旅人に服を脱がせた方が勝利

 

ここには北風も太陽も「旅人に服を脱がせたい」という欲求があるわけですが、だからといって「旅人が服を脱ぐべきだ」とは思っていません。そりゃそうです。旅人には服を脱ぐ必要は一切ないからです。

 

でも、一般的にはこういう「自分以外が責任を負うべきだ」にすり替わってしまう事例はよくよくあります。

それはそれで仕方のないことです。行動にはコストが伴います。自分がコストを払うことができない場合、もしくは払いたくない場合、他人がやってくれたら楽です。

 

が、その場合は新たに

・責任を負わすべき人物には、追加コスト分を払うだけのリソースはあるか?

 

も検討する必要があります。検討せずにやれやれ、やるべきだ、とプレッシャーをかけることもできなくはないですが、長期的に破たんがみえるのでやめたほうがいいと思います。

 

ここでは北風と太陽はともに自分が行動するだけのリソースを保有していたと考えましょう。そりゃそうだ、北風も太陽もわざわざ旅人の服を脱がそうなんてどうでもいい勝負をするくらいだ。アウトソーシングする必要はない。

さて、北風と太陽はそれぞれが権限を持っていたわけですが、使用することができる手段に違いがありました。

北風は相手にプレッシャーをかけてその行動や結果を強要するような方法。

太陽は相手に行動に至るメリットを明示して、相手に行動を起こさせるような方法。

寓話の通り太陽のほうが、それをするのに適した人材ということになります。

 

では関係性を少し変えてみましょう。

・エクストラ寓話1:太陽は北風の上司です。神より、太陽部にて旅人の服を脱がせよという指令が下りました。太陽は部下である北風に、旅人の服を脱がせるように指示しました。

・エクストラ寓話2:太陽と北風はそれぞれ対立する部署です。神より、全体のミッションとして旅人の服を脱がせるように指示が下りましたが、太陽部は周辺の気温をあげる権限を持っていないため、一度神に決裁を経てから実行に移す必要があります。なお、北風はすでに権限を持っています。

 

みたいな感じです。思った以上にめんどくさいなこの関係性は。

 

そういう風にようわからない構造にしてなにがしたいかというと「誰がすべきか」ということを、できるだけシステマティックに考えたほうがいいよね、ということです。理想は「いちばんコストが少ない」「いちばんリソースに余裕がある」ところでバランスに応じてお願いをしていくべきでしょう。

 

重要なことは「そこにまだリソースは残っているのか?」を考えることだと思うのです。

太陽は旅人の服を脱がすべきだよね、というのは簡単です。でも太陽は日々、地上をあっためる業務と、地球の裏側までの出張業務を毎日レベルで控えていて、もうこれ以上追加で仕事を被る余裕がありません。こういうときに「太陽は旅人の服を脱がすべきだよね」とか言われても、これ以上動きようがないのでできません。

 

それでも仕事なら残業したりするかもです。でもそういう関係性が無かったらどうでしょうか。

それでも喜んでやってくれる人は稀有だと思います。自分ならやりたくないな。

 

大事なのは「喜んで」やってくれる人が稀有だということです。つまりいやいやならやってくれるかもしれないということです。

「いやいや」やってくれたということは「いやいや」に対する見返りがあったほうがよいでしょう。仕事なら給料。仕事じゃないなら名誉や賞賛とかでしょうか。

負のインセンティブか、正のインセンティブかによりますが「それをやってもらうことでなにがどうなりますか」を相手の立場に立って考えられることが大事だと思います。

 

考えたうえで、なお相手に負のインセンティブをつきつけて、何かをお願いするというテクニックもあるにはあります。「旅人の服を脱がせなかったら晩御飯抜き」みたいなことです。仕事ならまだともかくとして、ふだんはあんまりやりたくないことですよね。

 

ということで、誰かに何かをやってもらいたいようなときには、めんどくさくても色々なことを考えたほうがいいかなーって思うんですよね。

あと、相手は自分の都合のいいことばっかり言って、実際にはなんにもコストを支払おうとしない、ということもよくよくありますので、そういう相手にも気を付けたほうがいいと思います。そういう人と何かをしても、あまり得るものは大きくなかった印象がある。実際に行動する人がよいと、自分は思います。

 

なにかの参考になりますれば。