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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

ラーメンズを知らない人にラーメンズを薦めるための話

先日、ラーメンズのコントの多数がチャリティーでyoutubeにアップロードされました。

 

kentarokobayashi.net

 

ラーメンズのコントは自分も高校生時代に目にして衝撃を受け、自分のモノづくりにも影響を与えまくっているので、多くの人にお勧めしたいです。

 

が、100本あるとどれ見たらいいのかなって悩むのが常だと思いますんで、いくつかお薦めを抜粋しておきたいと思うのです。

 

ラーメンズのコントは、時期によって方向性に大きな差があると感じてます。コントの方向性も一緒にできるだけ解説したいと思いますので「これ面白そう」と思ったものを拾っていただくのがよいと思います。

めんどくさいうんちくとかは最後のところにまとめて書きます。

 

・第五回公演「home」より「読書対決」

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初期に多かった、日本語のことばをあるフィールドに落とし込んで絶妙な謎場面を作り出すタイプのコント。「なんとなく相手を翻弄する朗読が出来たら勝ち」な感じで日本語をいじり倒していく。キャラクターとしてのラーメンズを知らなくても楽しみやすい作品。

 

・第五回公演「home」より「縄跳び部」

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概ね「読書対決」と同じような感覚。小道具を視覚的にうまく応用していく演出が楽しい。

 

・第八回公演「椿」より「日本語学校アメリカン」

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2chFlashでも引用された「千葉滋賀佐賀」が有名な日本語学校シリーズ。日本語の音を、日本語外の文化から見直していじっていくのと、朗読して反復してテンポ感を作る。Flashで使用されたり、日本語学校だけでCDが発売されたりと、音だけでも楽しみやすい作品。

 

・第九回公演「雀」より「ネイノーさん」

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特殊なキャラクターを用意して、それを演じるラーメンズのメンバーを愉しむパターンの作品。演劇的。このあたりはラーメンズのそれぞれを知っておいた方がいいかも。お客さんがラーメンズ大好きな人が揃ってきてしまっているので、二人に親しみがないとどうしても距離感が生まれてしまう。

 

・第十一回公園「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」より「蒲田の行進曲」

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二けた台に入ると、おそらく小林賢太郎氏の興味の方向だと思うのだけど、演劇的作品が多くなっていく。一けた台から追いかけていると、ラーメンズの二人にも親しみがわいてきて、演劇的な楽しさが大きく感じられていくようになる。シンプルな舞台づくりの中、ポイントで入る演出は、ギャップが大きいだけに効果が抜群。

 

・第十一回公演「CHERRY BLOSSOM FRONT 345」より「怪傑ギリジン

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コントより歌のほうが知名度あるかもしれない作品。ラーメンズにはよくよく「片方がずっと喋りつづける」というパターンがあり、これもそのうちのひとつ。アドリブもちょいちょいあるらしい。ビデオだとどれがアドリブなのか伝わりづらいのが難点だが、漫談的舞台に一人「何もしないひと」を置いておくと、客席との距離感が絶妙にコントロールされていくのが面白いところ。

 

・第十二回公演「ATOM」より「採集」

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これはほぼ演劇。大好きなんですよ、これ。この公演を通しで観たら二倍楽しいんですけど。

 

・第十六回公演「TEXT」より「同音異義の交錯」

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このあたりの公演までいくと、今度は小林氏自身が別途で脚本業をやったりしているので、演劇的な演目から、言葉遊びの演目にまた戻っていくようなところが印象強く残ります。この後の小林氏の一人コント「ポツネン」に繋がっていくような、言葉や、固定観念を巧みに使っていくような作品が楽しいところです。

 

 

■総論

舞台芸術的側面から見ると、セットの超シンプルさに注目していただきたいです。基本的にはフラットな舞台と箱しかありません。衣装も特別なものは殆ど用意されません。その中で世界観を作ってくるし、用意されないからこそ、観客の想像を巧みに誘導することができる。

また、ポイントで小道具、演出が使用された時には異常に映えます。

 

公演が二けたに入った頃から、通しで観ることに意味が生まれてくるコントが増えていきます。お時間があればみていただきたい(特にCLASSICとかは連作なので)ですが、拾い拾いで観るなら自分は第五回~第八回あたりがいいんじゃないかなぁ、と思います。うしろの公演になるほど、一本当たりの時間が長いです。

 

ラーメンズを薦めたい理由

いわゆるコント、漫才、落語、あらゆるものに至るまで基本的には「定型」があって、そこからどこまで「型破り」できるか、っていうのはあると思うんですけど、その「型を破る」というのの一形態、オリジナリティかなと思うんです。これはコント、これは漫才、というのは分類ができるけれど、「ラーメンズっぽい」ものを見るためにはラーメンズを見るしかない。だから「ラーメンズを見て観なよ」となる。「漫才を見た」「落語をみた」「劇団四季をみた」「宝塚を見た」と同じ並列に「ラーメンズを見た」を置いていいと思う。「似たようなもの」がないから。

もちろんラーメンズのコントづくりの種として引っ張ってきているもの、引用元、色んなものがあると思うんですけど、舞台総合的な情報量の多さ、独自性は、セットがシンプルにもかかわらずずば抜けて多いと思うんですね。

 

ラーメンズを薦めたい理由2

ラーメンズをしきりに勧めてくる奴にはめんどくさい奴が多いと思うんですよ。そうなると、ラーメンズに触れる機会には間違いなくめんどくさい奴がセットでついてくる。めんどくさい奴がついてくるときに見るものは、面白さよりめんどくささが勝ちます。コントや漫才は基本的に一人で観るか、めんどくさくない人と見る、つまり「薦められないで」見ることが重要だと思うんです。

だからこそ、youtubeで観れるようになったからこそ、一人で適当に拾って観れるからこそ、薦めたいんですよ、こうして記事だけ書いて放置しておくわけで。そしたら見る人は勝手に見るし、その時に気負いなんてしなくていいし、自分だって誰が見たかなんてわからないから。あとあともし見て、そんでなにか楽しめたなら「あれ観たんだけど面白かった」って言ってもらったらいい。なんて幸せな関係だろう。

もういっぺん言いますよ。ラーメンズをしきりに勧めてくる奴にはめんどくさい奴が多い。積極的に自覚し反省していきたい。

 

ということで、ちょいちょい抜粋してみました。

youtubeにはないですが「零の箱式」も好きだし、はじめて見る人に薦めたい公演です。