先日引っ越したお友達から、僕の家が理想的と言われまして、なるほどとおだてられた感じでそのメソッドを公開しておこうと思います。
とはいえ、家なんてそんなに日常的に借りたり返したり買ったり売ったりするもんじゃないでしょうから、これから引っ越したりする人がちょっとあたまの端っこにその思考を置けたらいいと思うなり。
そういうわけで、月に2、3度、多い時は週に2度は10人以上の大規模宅呑みを実施している我が家がどのように成り立っているかをお伝えしましょう。
・駅から近いこと(我が家:JR駅から徒歩10分以内)
遠い家には行かない。これは真実です。断言しましょう。このインターネット時代においても、遠くに住んでいる人ほど現実でも疎遠になります。間違いありません。何故か。人は行ったら帰らなくてはなりません。よってこの時、遠ければ遠いほど「ちょっとめんどくさいな」が発生します。
この「ちょっとめんどくさいな」が大きな大きなネックです。たとえば僕の家が駅からあと10分遠かったら、人は一気に集まりづらくなるでしょう。家主にとっては通勤に慣れている道は短く感じるかもしれませんが、たまに遊びに来る程度の友人にはまだまだストレスフルな土地です。
友達が「こんど遊びに行くよー!」と言ってくれても全く信憑性はありません。これはあれです、小さいころに遠くでできた一日限りの友達、もしくは引っ越す前の学校の友達が言う「ずっと文通しようなー!」くらいの感覚でみておくのがよいでしょう。
自分の感覚では、普段遊びに行かない土地は徒歩10分以上から徐々に疲れていきます。
もちろん便利な駅でかつ駅から近くなるほど家賃は高くなります。しかし個人的には、これでえられるQOLのリターンは大きい、と断言できます。通勤も通学もそれだけ近くなるから。
この距離の感覚をプラス方向に修正するのが次の項目です。
・最寄駅に商店ほかランドマークがあるか(我が家:駅ビルほか商業施設あり)
地方勢は東京のイベントに行くのに、東京勢は地方のイベントに来ない、の原因がこれです。単一の目的だけのために動こうと思うと、人はとたんに面倒になります。一方、地方の方は東京のあるイベントに行けば、ついでにどんなところに遊びに行くこともできます。なにかほかの目的を達成することができる場所であれば、ちょっとだけ人を呼ぶのに有利になります。
次は家の中の話です。
・デカい四角がとれる(我が家:1.3m×5.6m)
その空間でとることができる一番大きな四角=その家の広さ感です。不動産サイトには専有面積として実際の面積が書かれていると思いますが、参考までに我が家は確か49㎡くらいだったと思います。
実際の広さと、広く感じるのとには差があります。広さ感を保つことによって、多くの人を収容することが「できそうな」部屋にすることができます。このためには、もっとも大きな四角がどのくらいの広さかがそのまま指標になります。
このとき、できるだけ間に遮るものがないことが望ましいです。経験上、いちばんその空間の広さ感を阻害しているアイテムは、ソファーです。いや魅力的なんですけどね、ソファー。たとえば、ダイニングテーブルと、前方のテレビの間にソファーを置くと、実質上そのソファーによって空間は分断されます。
ソファーが部屋の端に移動したりできるなら、宴会モードではそうしてしまうほうが吉でしょう。広く感じます。
ちなみに、部屋の最大の家具の高さを低くすることも圧迫感の軽減につながります。
宴会時そんなにテーブルでかくできんの? について。通常は長辺に2人×2の四人掛けの長方形ダイニングテーブルを使用してますが、短辺に+1~2ずつ座れます。食器を考えると、6人以上からは追加で同じ高さの折り畳みテーブルを最大2追加し、椅子も折り畳みタイプのものを加えて最大10人まで同じテーブルにつくことができます。この他に絨毯のうえにテーブルを置いてさらに5~6人くらいまで飲食できます。この投資、意外と高くつくと思われるかもしれませんが、椅子はドンキやホームセンターで980円、折り畳みテーブルも一つ1980円程度です。全然ペイしますし、椅子はそのまま踏み台代わりにもなります。
・掃除する。(我が家:掃除してる)
汚い家に人は来たがりません。掃除をせよ。細かな掃除をすることによって快適に呑めます。
最も掃除すべき箇所はトイレでしょう。トイレが綺麗であることが観光地で重要だって有川浩先生が『県庁おもてなし課』の中で書いてました。
ここまで挙げたものすべてにわたるんですが「ちょっとだけ面倒に思う」というのが、試行回数を重ねると結構な差になってきます。部屋が汚いことによって「あの家ちょっとだけ汚いしな、今回はどうしようかな」って思われると、その回数分だけ来てもらえる可能性が下がるということです。この時、掃除した部屋を見せておけば、そもそも「今回はどうしようかな」が発生しないということです。
・そんなに呑みたいのかよ(我が家:呑みたい)
呑み会である必要は必ずしもないんですけど、人が集まるということは家に空気が通るということです。「住む」用の家はふだん、住むための人しかそこに出入りしません。家族以外が殆ど訪れないということです。
ちょっとファジーなこと言いますけど、人が来ればそれだけ、ちょっと家の中に刺激が生まれると思うんです。僕の父も家に人を呼んで宴会をするような人間でした。子供の頃はそうして家に知らない(けども父に友好的な)人が来るのが楽しみだったものです。
宅のみで飲み物や料理を用意したとしてもせいぜい一人1500円です。一人2000円なら高級なお肉やおさかなが食べられます。
そんで色んな人が家に来ると、いろんな交流が生まれるわけです。サロン的に。飲み屋でそれをやってもいいけど、時間や料金のこともあるし、やっぱり回数重ねるのは辛い。
ってなると、プロの料理を食べる! とかでなければ宅呑みサイコーって思うわけです。モンテローザとかワタミとかでやるくらいなら、家のほうが満足度が高い。
ということで、これから家を借りようかな、買おうかな、住み替えようかなって人はご参考いただけるとよいと思います。あとは個々人の趣味と資金に応じて! ですね。