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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

FCB13thLIVEを手伝ってから観てきた話―正月特番ネタ番組としての舞台―

FCBファミコンバンド

 

FCB!! ゲーム音楽を演奏。ファミコンバンド(FCB)

 

12thLiveには奏者として参加させてもらっていて、そのときにFCB「さん」とよそよそしくしないようにと言われた記憶があるのでFCBとざっくばらんに呼称させてもらいます。

怒られたら直す。

 

これから書くことは賛辞のつもりなんだけど、賛辞ととれないかもしれない。でもたぶんこの視点で書けるのは自分くらいなんじゃないかなって自負もちょっとあるので、思った通りに書いてみることにします。

 

今回やるよ、とお話いただいてしばらく悩んだ後に今回はごめんなさいしました。自分のスケジュールがつめっつめだったからです。いくつかミスったら全部コケそうだ、というくらいのスケジュールで色々やっていて、ちょっと体調不良の回数が増えたら影響が大きそうだったし、前回以上に演出・製作にも出れなさそうで、ましてや自分に課せられた演出の用意など……という状況で。ほかにも要因はあるんですけど、今回はお休みしました。

 

その代わりにスタッフをやりました。あの施設をぐるり回って隣の競技場まで届く長い列を整理するんですよ? テンション上がりませんか?

上がりませんか。

気付いてしまったんです。僕はきっと列整理が好きなんです。

なぜか? 声を出したら大体従ってくれるからです。「最後尾はこちらです! 二列になって、前の方との距離をできるだけ詰めてお並びください!」というとまず皆さんそこに並んでくれるんですね。

で、次はピンポイント爆撃です。「はいこのあたり、もう半歩ずつ! 前にお詰め下さい、列長くなっております! ご協力ください!」これでみんなちょっとずつ詰めてくれます。「点字ブロックできるだけ避けてください!」とか「歩道人一人通れる分開けてください!」とか、言えば言っただけ従ってくれるわけですよ。ゆうに百人を超える人たちが。僕の声ひとつで。

為政者の気持ちになるですよ。そりゃ権力者も椅子からどきたくないわ。

だってこの列に「はいこのあたりから後ろの皆さん手を挙げて! 両手を前から上にあげて全身を伸ばす運動!」とか言ったらラジオ体操してくれるかもしれない。ラジオ体操は無理でも、体育座りくらいにはなってくれるかもしれない。そういう可能性を秘めているのが列整理です。

どこまでが許されるのか? 非常にわくわくしませんか?

しませんか。

もう900字に達するのにまだ列整理のことしか書いてない。

 

ライブの話。

1面と2面は席から見てました。

僕は確か、FCBは8thから観覧または参加しているんですけれども。FCBについては「新鮮さ」は僕の中からは薄れていて、今回の演出も基本的に「見たことがあるもの」「できそうなもの」で構成されてました。

これはFCBが「再現」をする、逆に「再現しかしない」のが基本スタンスだからです。オホーツクはオホーツクの画面再現「しか」していない。それ以上の余計なことはないわけです。その代わりに、再現なんか無理なんじゃないのって思うことも頑なに再現する。(前回の太鼓の達人とか、今回のピンボールとか)

じゃ、つまんなかったのか。そういうことじゃなくて、見た事あるものにとっては「安心の笑い/共感」「期待通りの笑い/共感」を見せてくれる、ということです。

これが何かというと、お正月のネタ番組が一番近いと僕は思います。ひょっとすると吉本新喜劇みたいなものに似てるのかな。つまり「お約束」です。染之助染太郎の傘回しで、テツ&トモのなんでだろうで、波田陽区の残念。知っているのでこれを観に来た、観れたらやったぜ、初めての人はおもしろーい。

これは何に支えられているかというと、それを今まで観てきた人たちによって支えられているわけです。自分も含めた観客のリアクションまで含めて芸になっている。

 

経験的に、客席が安心して笑えるようになるには一定以上の客数が必要です。自分の感覚では、客席の50%程度。客席の50%程度が埋まると、人は「結構お客さん入ってるな」と思うようになって、自分が群衆の1人になり、観劇中のリアクションをためらわなくなります。

逆にそれより少ない客数だとためらいが生じるらしく、こっちが一生懸命やっても「笑うのを我慢するのが大変でした!」とアンケートに書かれたりします。こっちは笑ってほしくてやってるにも関わらず。

FCBの客数は全座席の90%近く。そこで安定の笑いを稼ぎ、その笑いの経験者は次回の笑いの装置となるわけです。

 

舞台の上と客席、両方の関係が飽和に達してできる表現。

それはなにかって言ったら、ひとつの様式、文化なんじゃないですかね。

ここまで行けたら、もう芸として完成なんじゃないですかね。

 

外からも内からも観た自分としては、そんなことを思っていたのでした。

そうあることにメリットもデメリットももちろんあるんだと思うんですけど、そこにたどり着いてることには、ただただ賞賛するしかない、そんな感想です。

出演者の皆様、お疲れ様でした。