paper-view

ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

小説の話 20160926

活字を読みたいときと、マンガを読みたいときと、ゲームをしたいときとがそれぞれ波のようにやってきて、ここしばらくは活字を読みたいときでした。

 

 ・何様ですか?

何様ですか? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

何様ですか? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

 

 3人の高校生の視点を移りながら、そのうちの1人が企む計画についての進行を見ていく物語です。自分の思うミステリー、とはちょっと違うような気がしました。

 いい感じに後味がとても悪いのだけれど、ものすごく盛り上がるか? というとオチはさらっとしていて、オチ周りで描かれていることの情報から予想される「その後」の暗さが秀逸だと思います。

 アオリ文に釣られて……といったところで買ったんだけど、どうもアオリ文で買うと失敗することが多い気がするなぁ。

 

・僕が愛したすべての君へ/君を愛したひとりの僕へ

 

 

 二冊のどちらから読んでも大丈夫なようになっているので、もし読む場合はお好きな順番で。自分は僕が→君を の順。

 並行世界の存在が実証され、並行世界を行き来することができるようになった世界のお話。この世界設定はとても秀逸で「シュタインズゲート」「魔法少女まどかマギカ」みたいな、いくらでも物語を作って行けそうな可能性を秘めてます。

 どちらも最後はしっかり読みたいと思って一気に読んでしまったので、物語的な誘引力はとても高いです。

 

・弾丸スタントヒーローズ

弾丸スタントヒーローズ (集英社文庫)

弾丸スタントヒーローズ (集英社文庫)

 

  今年お薦めしたい小説いまのところナンバーワン。そもそも自分はこの作家さんが好きなのですけれども。

 スタントウーマンを描いた作品で、大学生の女性がとある理由からスタントウーマンとなり、撮影現場で働くお話。けどドラマがとってもしっかりしています。一冊できちっとお話がぴったりしまっているところが素晴らしい。

 ヒーローショー、映画のスタントあたりで、普段はスポットが当たらない業界についての新鮮な知見あり、仕事をする人たちの強さ、プライドあり。こういうの書けるようになりたいよなぁ、と思った一冊でした。

 移動中の電車の中で読んでたけど終わりそうだったのでホームで立ち止まってしっかり読んでしまいました。