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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

GAMEバンドREコンサートとゲーム音楽と舞台の話

GAMEバンドの10周年記念演奏会が開催されます。

〜Game Addict's Music Ensemble〜

Game Addict's Music Ensemble RE Concert
~10周年! GAMEバンド the Best~
2016年6月4日(土)
16:00開場 16:30開演予定

会場 越谷サンシティホール 大ホール
(JR武蔵野線南越谷駅東武スカイツリーライン新越谷駅 (地下鉄日比谷線・半蔵門線直通)より徒歩3分)

演奏予定プログラム
交響詩タクティクスオウガ
塊オンザスウィング
リズム天国ゴールド メドレー
CHRONO CROSS ~時の傷痕~
RECORDS OF "G"~GAMEバンド過去演奏会メドレー~
三つのジャポニスムゲーム音楽のための~
ほか 

 自分はコントラバス演奏とMC原稿の作成で参加しています。

もうこの活動も10年やってるんだなと思うと感慨深いものがあります。

よって今日は思い出話とかをしたいと思います。

10年前、ゲーム音楽は殆ど演奏されていませんでした。時期的には「ニコニコ動画」がサービス開始のほんの少し前。ゲーム音楽の生演奏、というジャンル自体は、90年代にすぎやまこういち氏が拓いた「オーケストラによるゲーム音楽コンサート」およびドラゴンクエストのコンサート以外にはほとんどバリエーションがないままだったはずです。

そこに対するパイオニアがFCBファミコンバンドリトルジャックオーケストラ。詳細は省きます。ファミ通に並んで載ったりしてましたよね。

GAMEバンドの活動および、GAMEバンド以外のゲーム音楽系演奏団体が動き出した要因のひとつに「楽譜制作ソフトの発達」があります。パソコンで楽譜制作をするソフトが便利になっていったことにより、出版楽譜のようなつくりの楽譜を自分たちで作成することができるようになりました。

この頃はそもそも「ゲーム」の媒体のものが「ゲーム」「攻略本」「サントラ」以上にグッズになることはほとんどなくて、今のようにキャラクターの衣装や道具なんてぜんぜん手に入りませんでした。マリオの帽子やキノコのぬいぐるみだってまったく商品化されていませんでした。「買えばいい」で済むことのおおくなった最近とは大違い。

 

2007年にGAMEバンドは一般団体化後の初回の演奏会を経験しましたが、2009年頃には他団体の活動も耳に入るようになってきました。東京ファンタジックブラスバンドルセッタアミュゼ吹奏楽団コスモスカイオーケストララストエリクサーウインドオーケストラなどなど。また同時期、ニコニコ動画では「演奏してみた」の大きな盛り上がりがあり、劇伴音楽を演奏する行為が大きく盛り上がっていきます。

 

2011年「2083」の法人化以降、ゲーム音楽の演奏はどんどん加速していき、現在に至ります。いまはゲーム音楽の生演奏はなにも特別なことではなくなりました。

 

自分の話をします。2011年の4starオーケストラに奏者として参加していたころ、そこではいろんな熱気を見ていたのですが、同時にひとつ不安に思ったことがあり、それはゲーム音楽を演奏することは単純にサービス化されていくなと考えていました。

つまり「あらたにつくる」ような遊びではなくて「そこにあるものを利用する」遊びです。現在は、ときどき立ち上がる新規の団体に参加するか、既存の団体の募集に合わせるなどすれば比較的簡単に演奏することができるようになってます。いい時代、といえばそうなんだろうと思います。

 

一方でそうなること自体は自分にとってはとくだんに魅力的には映りませんでした。この頃から、(すくなくとも自分の視点では)既存の他団体との交流が極端に減っていきました。各団体のなかでコミュニティが確立して、団体は「つくる、そだてる」から「維持する」に移っていったのだと思います。

 

現在、ほとんどの団体は「地元のオーケストラ」とあまり変わらないところまできたのではないかな、と思っています。10年経ったので、当然と言えば当然なのだと思います。

 

さて、それでは自分はなにがしたかったかというと、きっとずっと「面白いこと」がやってみたかったのです。

GAMEバンドに限っていえばさいしょ、面白いことはイコール「楽譜をつくる」「楽団をつくる」でした。それから先はいろんなことをやってきました。「演出を入れてみる」「衣装をつくってみる」「楽譜と演出を組み合わせてみる」「舞台の世界観を作ってみる」「印刷物のとりまとめをしてみる」「かけあいラップを書いてみる」「演劇の台本を書いてみる」「いっぺん辞めてみる」毎回毎回、思いついたことに挑戦してみた。

それはすごく楽しかったし、単純に5~70人所属している団体を運営するというのもとても勉強になった。

毎回毎回、受け入れられるかどうかわからない新しいことを内や外に向けて主張していくというのは本当に楽しい十年間でした。泣いたし笑ったし怒ったし哀しかったし、いい時間だった。

 

そんなわけで、GAMEバンドと過ごした10年は、自分にとっては常に新しいことに挑戦する遊びでした。それに付き合ってくれているメンバーにも感謝です。

 

ゲーム音楽の話に戻しますと、演奏されている場面そのものの新鮮さはなくなったし、友人の参加しているコンサートでなければ単純に行くのは面倒だなと思うようになったし、新しいものが観れると思えなくなった。

やっぱりこれも単純に自分にとって「地方のオーケストラ」と変わらないくらい一般化したからなんだと思うんですよね。それは曲の入れ替わりはあっても手法はこれまでもずっとあったもので「新しい舞台」が観れるのだという期待感は持てない。

ゲーム音楽演奏はそういう円熟期にきたんだろうなと思います。商業的にはペイする限りはつづけられるような状態でしょうか。

 

そういうわけで、自分としては「ゲーム音楽を演奏できること」ではなくて「なにか新しいことに挑戦する舞台ができること」が主眼となっていて、今後もそういうところで楽しみたいなと思っている所存です。

 

宣伝じみたことを言うと、少なくとも10年間は、自分はこの団体で遊び続けてきたので、そういう遊びを容認できる人、そういう遊びにワクワクできるかもしれないひとは、そういう遊びを感じに来ていただけたら嬉しいなと思うのでした。

 

今後も遊べる限りは遊び続けたいなと思っております。