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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

本とセクシュアリティの話

■匂いのエロティシズム

先日一ノ瀬志希にゃんについて書いてたときに引用したササキトモコさんのブログの写真の背景に映っていた「匂いのエロティシズム」という本が面白そうだったので買って読んでみました。集英社新書、2002年初版。

面白かったです。2002年当時は匂いに関する研究はまだまだ未知の部分が多いらしく、かといって自分が現在の研究に明るいわけでもないので、書かれていることがどの程度現代で証明あるいは否定されるのかはわからないけれど、論としては面白かったんですよ。

とくに面白かったのは、鋤鼻器官という言葉回り。本のタイトルのこともあって、当然のごとく「匂い」と「フェロモン」を無意識的につなげて考えていたけれども、無臭、匂いのないものが働いている、というところ。そりゃそうですよね。

もう一つはラストのあたりに書いてあった、処女と同衾する回春サービス(手を出すと厳罰)の話。眠っている間に匂いを取り込んで何らかの作用を期待する、というのが文化的に成立してたというのが面白かった。

 

匂いについて考えるっていうと、自分はせいぜい靴周りと腋周りくらいしか気にしていないので、もうちょい考えてみるってのも面白いのかもしれない。単純に、いい匂いのする異性ってすっごい惹かれますからね。いま惹きつけてどうすんだよって話ですけどね。交渉が上手くいくとか期待できますかね。

 

 

匂いのエロティシズム (集英社新書)

匂いのエロティシズム (集英社新書)

 

 

■虹の歯ブラシ 上木らいち発散

ミステリーです。前作「○○○○○○○○殺人事件」は講談社メフィスト賞受賞作。たしかこのブログで紹介したことあると思います。

前作でも登場した「上木らいち」という性豪な援交女子高生が謎を解く短編集なんですけど、ぜんぶエロネタでした。じゃあミステリーとしてはいったいどうなんだ。というと、方向性としては「清流院流水」的な方向性だな、というふうに見てます。(あまりメフィスト賞作家に詳しいわけではないのでむしろこれしか形容のしようがない)とりあえずミステリーはしているけど、エロネタが気になってそれどころではない。

あと表記も結構気になって、下積み的な調理のひとはさすがに一晩5万の援交を月4回もしたらほぼ破産状態だろうなと思ったりとか、ピルってそんなに気楽に書いちゃっていろいろと大丈夫なのかなとか不安になってしまいました。

キャラミスとしてはしっかり立っているのでエロネタが大丈夫だったら楽しめると思います。

 

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

 

 

セクシュアリティの話

たまたま読書がエロスとかに関する話題ばっかりだった。

先日、自己肯定感が強い人が好きだという話をしていたのですが、男女問わず、自分の肉体についてきちんと理解して魅せる人のなかにはそういう人がいるな、と思っていました。

思っていたんですけど、話がめんどくさくなるな、と思って自己肯定感の話には含めなかった。

あんまり単純に二分するのはよくないって判ってるんですけど、自分の身体を魅力的に見せようという人のなかには、特段に他者肯定的ではないひとももちろんいるからで、自己他者肯定感強い→自分の身体の魅力にもポジティブ、は成立するとしても自分の身体の魅力にポジティブ→自己他者肯定感強い、は成立しない場合もあるなと思ったのです。もっというと、自分の身体を使って他者に対して依存するようなケースもあるはず。たまにそういう話を聞く。

 

自己他者肯定感が強くて、それで自分の身体の魅力も発信することができるような人/キャラだとその魅力はすごいよね、というのは特段否定するほどのことでもないと思い、先日話題にした一ノ瀬志希だったり、上記の上木らいちだったりは、そう言う意味でも魅力的に映るキャラクターたちだよなぁ、と考えたのでした。

 

それをセクシュアリティとしたのは、結局のところ自分も自分の性に縛られてものごとを考えるしかないわけで、これって単純に発情してるだけかもしれないよね、という懐疑から絶対に逃げられないからです。

 

ここまでを一言で表すと「性格がよくて見た目も魅力的なお姉さんとか最高じゃないか」です。今日はこんなところで。