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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

映画「オデッセイ」を見てきた話

 映画「オデッセイ」を見てきました。

 なかなか洋画を観に行かないのですが、ある種のフィルタリングとして機能するtwitterなどに評判が上がってくると興味が湧いて観に行くことが多いです。

 同じような経緯で観たものとしては「ヘラクレス」とか「インターステラー」とか「マッドマックス」とか「パシフィックリム」あたり。

 以下感想ということですごくネタバレがありますので、お気をつけていただいて。

 

 

 

 まず、すごく面白かったです。宇宙モノはやっぱり面白い。宇宙大好きってな人にはいやいやこれはちょっとってな描写があるとは思いますが、知らないので知らないなりに楽しめたし、エンターテイメントとしてはとても良かったと思う。

 ストーリーですけど、テンポがすごく良かったです。基本的に余計なシーンがなくて、ぽんぽんと気持ち良く話が進む。二時間二十分くらいの映画だと思うんですが、情報量がとても多かったです。

死生観の差がはっきり出てます。これが日本だったら死の受容をどうするか? という陰鬱な描写はきっとあると思うし、それを何で描くか、満たすかっていうことがあると思うし、それに対する覚悟の描写もあると思うんです。けれども、それがすごく軽く処理されている。軽視されてるのでなく、重すぎない。全体では生きよう、という最初の決意のままとにかく進んでいきます。

 喜怒哀楽の描写がはっきりしてます。痛いシーンはすっごく痛い。冒頭からいででででででって思いながら見ていた。逆に楽しそうなシーンは音楽も一緒にすごく軽快。宇宙と火星は主人公をめっちゃ殺しにかかるけど、それに対して抗うシーンのバックにディスコミュージックをぶつけてくるというのは発明だと思います。ポップス、ダンスミュージックがバックに流れると、生活の場としてはそこを支配したかのような映像表現になるんですね。

 で、孤独ではないところも面白い。もっと孤独な戦いかと思っていたんですが、そんなことはなくて、取り残された人を技術と人の意思でどう助けるのかという映画でした。火星で命をつなごうとする人がいて、それを阻む火星の環境があって、技術で命を救おうとする人の描写があって、技術的なミスがあって、組織であることのデメリットと、組織が手をつなぐことの描写があって、それらのバランスが本線をちゃんと活かして前に出過ぎない。

 

 それで、終わってみてわかったんですが、死者が一人も出てない。インターステラーめっちゃ死んでた。他に宇宙モノをあんまり見ているわけではないですけど、大抵の映画で誰か死んでた。宇宙に放り出されたり、気圧だったり、異星の環境だったり、宇宙船に殺されたり。

 それがないのにすごく臨場感があって、生死をかけたハラハラドキドキがあって、カタルシスがあってってすごいと思うんですよ。

 というわけで、面白かったのでオススメです。