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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

GAMEバンド5thコンサート 「GAMEバンドサスペンス劇場」について

興奮冷めやらぬ状態ではございますが、この件には早めに決着をつけて、次のやるべきことへ向かわなくては。

もくじ
・サスペンス劇場ありがとうございました
・台本公開と解説 ※すごくネタバレ
・劇伴音楽について思っていたこと
・弁解とお願い
・おまけ

 

1.サスペンス劇場ありがとうございました
お客様へ。GAMEバンド5thコンサートにご来場いただき、まことにありがとうございました。
「GAMEバンドサスペンス劇場~犯人はヤス~」の脚本・演出・一部編曲をしておりました。
これまでと今回、コンサートのMC原稿を書いてはいたのですが、こういう形での劇脚本は初めてでした。
拙い部分がたくさんありましたし、反応がどうなるかすごく不安だったのですが、トゥイッターやアンケートを拝見した限りでは概ねご好評いただいたようでほっとしてます。

お友達へ。ご来場まことにありがとうございました。
「サスペンス劇場は全力出してる」と言って回ってましたし「面白くなるように作っている」と強がり続けておりましたが、実は本番近づくほど不安は増してました。
とりあえず終わってのでほっとしてます。後述する仕掛けがきちんと機能していたかについて今後お訊ねしますので、ご協力ください。

奏者陣へ。ご協力誠にありがとうございました。
毎度毎度めんどくせえことをお願いしておりますが、皆様にご協力いただいたおかげで完成させることができました。

役者/声優陣へ。ご協力誠にありがとうございました。
最強のメンバーで臨み、最高の結果にできたと思います。こうなったらいいなと思ってお願いしたことが全部達成されてました。お前ら最高だよ!!

当日の舞台をお手伝いいただいた照明・音響のスタッフ様
本当に本当にありがとうございました。皆様が居てくれたからこそ完成した舞台、皆様なしにはありえませんでした。いちばん感謝したい相手です。あのクソややこしいたくさんの指示にご対応いただき、ものすごい実力のチームでした。

 

2.台本公開と解説
サスペンス劇場台本、公開いたします。
たぶん二度と、これをGAMEバンドの名義で再演することはないだろうなと思いますし(このメンバーで何か演れるなら別の台本を新たに用意したい)、それなら公開しちゃえ、というところです。
ただ、未見の方で、団員等を通じて今後映像を観れる可能性がある方は、この台本はまだ観ない方がよいでしょう。
お願いですので、ぜひ映像を先にご覧ください。
これは今のところ、当日ご来場いただいた方用のコンテンツです。
また、台本はところどころ、今見ても直す必要のある注記があると自覚してますので、そこらへんはお許しを。
とにかくネタバレですので、映像未見の方は以下、ご注意。

 

 

 

台本はこちら

 

 

 

解説。
もう3年くらい前の話なので、これを思いついたきっかけとか組み上げた順番は覚えてないんですけども、仕事している最中だかに「これできる!」と思いついて、そこが出発点でした。
一番クライマックスの、あいつがあいつを撃って、あつがそれを戻して、あれで防いで、大団円をあれが……からスタートして、それが成立するようにお話を作っていったかとなんとなく記憶してます。
逆転裁判逆転検事」「リズム怪盗R」「ゴーストトリック」「ポートピア連続殺人事件」をマッシュアップしたお話となりましたが、各作品の大事な部分についてはきちんと踏襲するようにしています。

・「犯人はヤス
犯人はヤス」という約束をどう履行するか、というお話。
チラシでコラボした「しかしMPがたりない」さんは「登場人物全員ヤス」という離れ業で解決したわけですが、僕の解決方法は「犯人がヤス」であることが問題の中心ではないということで解決しました。

なぜなら。

お訊ねします。「犯人はヤス」というフレーズを知ってる方、「ポートピア連続殺人事件」のストーリーをご存じでしたか?
旧いゲームなので、ご存じない方も多いと思うのです。僕くらいの世代だとゲームのストーリーより「犯人はヤス」のほうが認知度が高いと思ってます。
ポートピア連続殺人事件は「ヤスと沢木文江は兄妹で共犯」というお話です。
その設定を引き継いでいるので「ヤスと文江が兄妹」であると知っていれば、文江が当初している証言がウソだと判るのです。
みなさんは判りました?

 

・キャラクター造形「ヤス」
旧いゲームのキャラクターなので、他のキャラに比べれば許されるかな、と思って結構アレンジを利かせてしまいました。
彼に担ってもらった役割のなかで重要なのは、逆転裁判シリーズでの重要ファクター「追い詰められた犯人の豹変」です。
それをお任せできるだけの演者と声優が居たのだから僥倖ですよ、僥倖
こだわって入れたセリフは追求メドレー中の「さあ、捜査を終了してください、ボス」です。
犯人である彼は、元のゲームでも事件が節目に行くと必ずこのセリフを放ってゲームを終えようとします。

 

・「わかる」楽しさ
証言のムジュンは手元のメモと照らし合わせてすぐにこれだとわかるくらいの難易度でなくてはならない。
わかったら、それをナルホド君が指摘してくれて「そうそう!」とならなくてはならない。
話を知っている(というか作っている)僕は、これを測ることができないので不安でした。
ロジックは破綻しないようにしないといけないし、かといって複雑になりすぎてはいけない。
これは校正担当してくれたマスターと何度もやりとりを交わしました。マスターありがとう。

 

・ミスディレクション
ふだんよくいたずらとかするんですけど(笑)いろんないたずらをしているうちに判ってきたのが「あからさまにやっても思ったよりばれない」ということです。
そういうわけで、今回も会場のお客様を罠にかけるべく、あざとく丁寧にネタを配置していきました。
まず最初に、ヒローシに与えたゴーストトリックの主人公の力を全部説明。
次に「怪盗Rは絵を盗み損ねたので、絶対手に入れると誓う」を説明。
はい、前提これですよー、と説明しておいて、前提を忘れていただくためにカモフラージュとして大量の情報を流し込んで行きます。
この流し込む大量のカモフラージュ情報が、ヤスが起こした殺人事件です。
ここから追求メドレーまでで、お客様の意識は何度もパンフのメモと舞台上の事件を往復、それによって一番最初に説明しておいたゴーストトリックや怪盗Rについてはだんだん記憶の中心から遠ざかっていきます。

 

追求メドレーは言うまでも無く華であり、事件解明までのハイライトシーンですので、盛り上がるように作りました。
セリフに合わせてメドレー各曲の尺を考えて「異議あり!」と同時に切り替われるように、自分でセリフを読み上げながら編曲を進めていて、無性にテンションが上がり、この演目の大成功を予感しました。
が、この追求メドレーこそがサスペンス劇場最大のミスディレクション
終わった時に、メインキャラであるはずのナルホド君が撃たれ、死んでしまう逆裁ではありえない展開で観客を「ええっ!」と思わせたい。

 

ええっと思わせれば貼っておいたゴーストトリックの伏線回収が映えます!
ということで即座に「その死より、4分前」です。どうやって救うのか!?
そりゃ「トリツク」と「アヤツル」だよ! ということでヒローシと、ずーっと静止芸を課されていた彼の出番だ!


と、怒涛の展開にしておいて、怪盗Rのことなどすっかりわすれていていただきたい。

やったー大団円だ! と思ったらもう一つ伏線残ってないか?
そう、怪盗Rだ! あいつが絵を持ってった!!

 

……というのが、このお話の構成です。
「怪盗Rの伏線回収」を隠すために「ゴーストトリックの伏線回収」のインパクトを利用。
ゴーストトリックの伏線回収」を隠すために「追求メドレーに終わる逆転裁判パート」のインパクトを利用。
という入れ子構造にしているのです。この演目に関わった全員を驚かせてやろうと思ってました。うまく機能したかなー?

 

・観た方にお訊ねしたいこと
下記です。
 ・証言者たちの矛盾点にはすぐに気が付けましたか?
 ・ナルホド君が撃たれた時、びっくりしましたか?
 ・ナルホド君が撃たれた時、すぐにゴーストトリックの伏線に気づきましたか?
 ・トリツクためにタイツマン像が法廷に残されていたことに、トリツク前に気づきましたか?
 ・怪盗Rがカバネラに化けていたことに、劇の途中で気づけましたか?

 

こんなとこです。
ちなみに、会場で観覧いただいて、台本をDLしてくれた方にはぜひ「カバネラのセリフ」にご注目いただきたいです。
彼はずっと怪盗Rが化けている設定ですので、彼の行動には「絵を手に入れるために事件に協力する」「怪盗Rのことは庇う」という一貫性をきちんと持たせています。
「なんでカバネラがナルホド君に協力してるの?」という疑問から先に真相にたどり着けた方、多分僕と思考が近いと思います。(笑)

 

3.劇伴音楽について思っていたこと
根の深い問題ですが、自分なりに書いてみましょう。
よくよく誰かが言っているのを聞いたり、たまに自分でも思ったりするんですけれども。
「アレンジがこれじゃない」「原曲重視がいい」「メドレーの選曲がこれじゃない」
とか。
ひとつの編曲やステージを、どんなものであれ編曲やステージの責任者の「お手紙」のように受け取って咀嚼する、というのは大事なマナーです。
「これじゃない」と思った一方で「こういうことがしたかったのかな?」と想像したりするのは楽しみの一つ。
そのために責任者の「人」を知るというのもとっても面白い。……と、前置きをしたうえで。

逆転裁判の音楽を、ゲーム以外の場面で耳にするたび「なんか物足りないなぁ」と思ってました。
どこかの演奏会でもそうだし、オフィシャルの岩垂さんの編曲を聴いても、そう思いました。
編曲者の意図をきちんと受け取れていないということもあると思っています。
けど原因を考えたとき「この曲は論戦のバックで流れるように作られているから、僕が気持ちよくなるためには論戦がないとだめなんだな」って思ったんですね。
だから「論戦をバックに追求を聴きたい、生で」って思ったわけです。
それに沿って作っていったんですけど、音楽に軽い芝居が入ったものになるかなー、なんて思っていたら、出来上がったのは普通に生演奏の演劇だった。あれー?


ゲームの画面のまま、と評価されたんですけど、逆転裁判がそもそも、演劇性が高いゲームで、きちんとしたルールとロジックで作られているから、世界観にそって感動を呼びこすためには画面中で起こっていることを踏襲する必要が出てくるんですよ。

効果音とか。みなさんこれ(↓)聴いたときテンション上がったと思うんです。

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あと「指摘が正解だったときに曲が止まり、体力ゲージが隠れる」とか。「無音になる」が演出として高い水準で成立する好材料です。

「証言開始」はその、ちょっとやってみたかったってのもあるんですけど。


4.弁解とお願い
「声がよく聞こえなくて残念だった」ってご意見をたくさんいただきました。
これ、実は企画当初からずっと心配事でした。心配だったので、音響については何度も口を出してました。
マイク音量が低くても大丈夫なように、演奏の音を小さくするように奏者にお願いして、音響さんにスタンドマイクはめいっぱいあげてくださいってお願いして、サス劇に割り当てられた35分のリハ時間でできるだけ調整して、結果やっぱり聴こえないんです。
今回これだけこだわっても届かんかった。もっと根本的な対策が必要らしいです。
MPさんの演奏会みたいに字幕つけたいなって思った。

弁解したうえで、これを観てくださった方にはお願いです。
ホール特性があり、機材の状況があり、当日のコンディションがあり……音響は不確定要素の塊です。
音響は生モノで魔物です。思い知りました。
だからどうかどうか「音響の完全ではないステージ」に出会っても寛大でいてもらいたい。
今後も音響については、しっかり聴こえるよう、努力を怠らぬ所存です。

 

5.おまけ
各タイトルでやりたかった要素
・怪盗R
 パリ市警からの逃走
 怪盗Rのテーマ

ポートピア連続殺人事件
 全曲演奏
 犯人はヤスというオチ
 共犯は沢木文江
 肩に蝶のアザ
 「捜査を終了してください、ボス」

逆転裁判
 真宵ちゃんがすごくかわいい
 事件のウラにやっぱり矢張
 「弁護側、準備完了しています」
 法廷ざわざわ
 証言開始
 机ドン!
 異議あり
 ギリギリの状況での第三者「待った!」
 去っていく体力バー
 証言者の豹変
 効果音
 追求メドレー

ゴーストトリック

 クネリ
 ソノ死より4分前
 「トリツク」と「アヤツル」(スポットライトで)
 カバネラ警部の動き
 シセルのあの倒れ方

 

全部できました。何かを企画した時、こんなに全部できるのってそうそうないですよ。


練習(稽古?)中のあれこれ(うろおぼえ)

~声優オーディション中にて~
志望男性「舞台上で女装しててもいいですか?」
ぼく「……演者を喰わない程度であれば……」

 

~声優オーディション中にて、2~
志望男性「女性のセリフは読まなくていいの?」
ぼく「えっ、そんなにやりたいの?」

 

~声優練習中、いくつかの声マネネタを持ってるキャストPの声色を調整~
ぼく「えっと、まず美輪明宏をちょっと男っぽく低い声で」
男性声優「とおってもラブリーだ」
ぼく「そこから若干くまのプーさんへ寄せてください」
男性声優「とおってもラブリーだ」
ぼく「それ!!」

 

~矢張は1つのセリフ以外すべて成歩堂と話しており、残る1つだけが御剣に向かってしゃべっている~
担当声優「信じてくれよ、御剣!」
矢張役(思い切りナルホドを向く)
成歩堂役「俺じゃねえよあっち(御剣)だ」
ぼく「もう矢張有罪でいいよ」

 

~舞台小道具作成中~
作成者「ホワイトボードの会場図、こういう感じでいいですか?」
ぼく「うん、だいたい……あっ……死体は、絞殺体なんだけど」
作成者「えっ」
※血だまりの中の刺殺体が描かれていた

 

~役者練習中~
※全体的に検事側(御剣・ヤス)のほうが動きの完成が早くて
怪盗R・カバネラ役「これは検事側が勝つよ」

 

~役者練習中、2~
※矢張役の演技に笑ってしまう沢木役に
ぼく「沢木はもっとゴミを見るような目をして!」
沢木役「(矢張役)はゴミ……(矢張役)はゴミ……」

 

以上です。
たのしい時間でした。ありがとう!