paper-view

ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

テクニカルターム功罪

頭のいい人は難しい言葉を使わず、誰にでも判るように話す。

 

みたいなツイートがRTで回ってきたんですけど、半分合ってる、半分間違ってる気がしました。

「難しい言葉」を使う必要がない場合は、難しい言葉を使わないのが基本です。

つまり難しい言葉をわざわざ選んで使うようなときは、それだけの必要があるはずなのです。

 

たとえば「酸素」と「二酸化炭素」という専門用語を使わずに光合成を説明するとどうなるか。

「円」「ドル」といった通貨単位を使わずに為替レートの話をしようとするとどうなるか。

 

たぶん、冗長になるか、もしくは元の言葉がもっているニュアンスを一部諦めて説明することになると思います。

冗長になると伝達性が乏しくなるので、おそらくニュアンスを諦めて話すことになる。

 

これは「伝える」にはいいけど「対話する」には向きません。そこから先、とりあげた話題について議論するには、いつかその落としたニュアンスについて再度説明する必要が出てきます。

テクニカルターム=難しい言葉がお互いに理解できているならば、ニュアンスの調整は不要で、スムーズに議論を進めていくことができる。

 

テクニカルタームがもつニュアンスを棄てずに議論がしたい時、テクニカルタームは意識的に選択されるのだと思います。

 

ということは「頭のよい人」が意識的にテクニカルタームを除いて話をしているときというのは、それについてのレスポンスを求めていないときにすぎないと思うんですよね。

テクニカルタームを使用するということは、聴き手にもその水準を求めている、ということだと思うのです。

それを「あの人は難しい言葉ばっか使っているからダメだ」と言ってしまったりすると、話をする側からすると「議論の対象とはならない人」という評価で、すれちがい続けてしまうのではないかなぁ、と思うのです。