II魂さんの発表会に行ってまいりました。
今回は初めて、タイトルだけではどの曲も判らないという窮地。今までもii魂さんの場合にはひとつふたつわかるかどうかだったんですが、ついに一つも判らなくなってしまいました。
聴いた中でわかったのはタクティクスオウガ。
演奏技術の向上もさることながら、編曲が面白い。「舞台でこれやってみたい」ということが実現されている感じがします。「やってみよう」ということにたいするフットワークの軽さは本当に財産ですよね。
特に「艦これ」と「アトリエ」が好みの演目でした。次回も楽しみだ。
さて「舞台って面白いよね」と書いておりますのは、舞台って色々な集団心理とか、場の心理とか、そういうのがとてもきれいに働く場所だと思っているからです。
これはどんな場でも舞台を使っていればそうなんですけど、閉じられた空間である室内の舞台は、お客さんがその中に入りますとなぜか舞台上でやってることを大人しくみてくれるようになるのです。
「4分33秒」なんてもっともそれをよく教えてくれる演目の一つだと思います。
で、場の心理が働いているのは舞台上で演っている側の人間も同一でして、いろいろと「お作法」にのっとることが多くなる。クラシックの形式だったり、演劇の形式だったり、プレゼンの形式だったり。
それをすることが無難なのか、新たな発想が生まれなかったのか、そこら辺の理由のつけようはあるとは思うんですが、ともかく、形式は適度にぶち壊していった方がよい。なぜなら、逸脱のない舞台は殆どの人が見たことがあるコンテンツだし、お客さんは多少ぶち壊したところで観てくれるからです。
ii魂さんを観てて思ったのは「この規模って、たぶん集団心理で発想が引っこまないベストな規模だな」と思ったからなのです。
そのくらい、編曲や形式に対しての自由さと、秩序が同居してた。
たぶんこれがあと15人とか増えると、とたんに動きが重たくなって、尖った発想が出づらくなっていくと思うのです。
でもどういう集団になるかって、個人の域を超えた神のみぞ知るところがあるし、コントロールするのは難しいと思うんですよね。
だからこそ、そういう条件を潜り抜けて生まれた集団による稀有な舞台は、本当に面白いなと思うわけなのです。