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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

雑感141203

「コンプレックス・エイジ」(2)/佐久間結衣

読み切り版が話題となった漫画の連載作第二巻。

第一巻ももちろん読んでたんですが感想書き損ねたように記憶してます。

読み切りは「ゴスロリからの卒業」だったのですが、連載版はコスプレがテーマ。年齢、職場バレ、親との関係、ともすればあるあるネタ的なドラマが繰り広げられます。

色々と「つらい」という感想を目にすることもあるのですが、これ、何が辛いって「自分がここまで本気で何かに到達できてないこと」への辛さが厳しいです。

主人公が本気で、精度の高いコスプレをしているところから、一線で続けることへの陰りへとお話が進んでいくので、つまりこれは、肉体的に充実した時期を過ぎたアスリートの引退に対する悩みのようなものなのだと思います。

2巻では読み切り版との接点も提示され、それもまた趣深い。

今後も注目してます。

 

コンプレックス・エイジ(2) (モーニング KC)

コンプレックス・エイジ(2) (モーニング KC)

 

 

スピリットサークル」(4)/水上悟志

この人の漫画の何がすごいって、この独特のスピード感と、キャラの生き死にに関する観念だと思うんですよね。

ヒーロー漫画的な熱さを持ちつつ、けれどすごく独特な展開をする。

この巻は一冊まるごと一つのエピソードです。なんだか、この展開の感じどこかで……と思ったらアレですね、手塚治虫先生の「火の鳥」。

 

 

「レトルトパウチ」(1)/横槍メンゴ

君は淫らな僕の女王」のときもそうだったんですけど、荒唐無稽な設定をゴリ押しして世界に入らせるのはすごい。

ちなみに世界観は「舞台となる超エリート学校では少子化対策でセックスした奴ほど偉い」というエロマンガみたいなものです。その中にいる主人公(童貞)と処女四天王……!

それがちゃんと読ませる内容だからすごいんですよ。

 

 

文学フリマに行ってみたという話

11/24に開催されていた文学フリマに行ってみました。

文芸オンリーの即売会ですね。

中をざっと見て思ったのは「選びにくいな」ということでした。

たとえばこれが漫画同人誌であれば、表紙の絵が内側にも書かれているわけで、ぱっと見た情報で購入するかどうかを検討できます。

が、文章はやはりそうはいかない。

当然、それは書店でも同じわけで、だからポップやら帯やらで宣伝するとか、試読できる状態になっているとかなんだと思うのです。文学フリマでも、それぞれのサークルのスペースとは別に見本誌を観ることができるスペースが設けられている。

けども、やっぱりあまりにも通常の体裁の本が多くて、これは、と浮いてくるような感じの本はなかなかなく、いくつかひっかかってきた表紙のデザインとタイトルだけで買ってみるにとどまったわけです。

ここら辺は、もう少し何かやりようがあるのではないか、と思ってます。

 

で、いくつかの本を買ったわけなんですが、既に商業として出してる方の本もありますので、そういうのはさすがにレベルが高い。

文章量も自由だし、商業ベースのものよりもっと尖ったものが読めるのも面白いです。

ざっと回った感じだと思った以上に評論が少なくて、ちょっとグロそうなのが多そうだった印象です。

いつか何か書いたら持って行ってみるのも面白そうだなと思っています。