「二代目」がつかない「げんしけん」から読み始めた方には、非常に印象的な巻になったと思われます。
様々な要素に包まれた「げんしけん」ですが、自分としては時期と、読者の主観の操作が非常にスムーズである点に注目しています。
げんしけん(初代)の連載時期は2002年から2006年。自分の大学在学時とほぼ時期が重なっています。おおむね2004年~2005年ころは「電車男」等の影響でオタク論に火が付いた時期でもありました。
最初に新入生の男オタク「笹原」を主人公として始まりますが「おたくサークル」のあるあるネタ、ちょっと痛い人たち、といった要素を経て、だんだんと中心視点を「班目」にシフトさせながら「大学生活」「卒業(後)」へと拡がっていきます。
初期にそれぞれのキャラクターが持っている他者への壁が、少しずつ受容へとかわって行き、大人になっていく様子が気持ちよいですが、その分前半のトゲトゲした感覚は少し読みづらいと感じるかもしれません。
「初代」最後の、学舎をバックに「ははっ」というこぼれた笑いを描いたシーンが、卒業を控えていた自分には非常に印象的でした。
そしてようやく「二代目」なんですが、ずっとひきずっていた初代のお話に一つ決着がつき、そのほかにも初代のメンバーに対する解決のエピソードが複数あります。
各メンバーが持つ要素に対して、一つ一つのコマの構図の取り方が楽しい。そんな風に感じた14巻でした。
ゆるくつながった彼らの人生はどう進んでいくのか、楽しみです。
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余談ですけど「げんしけん」が好きな方はきっと「あずまんが大王」も好きな方だと思うんですよね。
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