前回の記事でお送りしました「読まず嫌い王」ですが、机上でした企画なだけに、実際に走らせてみると色々な難点もありました。
次回以降に同様の企画を行うとして、どのような改善を行えばよいかを考えてみたいと思います。
・好き嫌いについて語る功罪
「録音の公開」を前提とするとどうしても漫画に対する否定的な感想は問題点になります。これが食事であれば、好き嫌いは当然に生まれるものだし、その理由もどちらかというと個々人の体質や経験などに基づくものになります。
対して漫画であると、その創作物についての評価に即つながりますから、そこで自分の好きな作品がドボンであったときの口頭の表現はどうあるべきか。この点は公開するという前提を取った上で一番悩ましい点でした。
結局録音に同封のreadmeに「個人の感想です」と注釈をつけることで済ませましたが、今後の話者の語り口のあり方によっては、公開ができない対戦もどうしても生まれてくると思います。
・作品をそろえるコスト
1セットを5作品とすると、1セットの対戦をするのにブックオフの105円コーナーで揃えようとしても単純に525円かかります。
これに対して4冊は好きな作品なのだから問題ないだろうとする向きもありますが、こうすると結局のところ自分の家の本棚から組むしかなく、それによって戦略の幅が狭まると、結果負けに繋がります。
この遊びは意外にお金がかかるのです。
・作品に対する経験の有無
読んでない作品の数が、予想するうえでダイレクトに勝敗にかかわります。今回の対戦では、両者の漫画知識の広さに救われたといえます。録音がコンテンツとして成立したのは、対戦者が演者として優れていたことが大部分を占めています。
レベル差をおして勝負を成立させるのであれば、やはり読んでもらうしかない。まだその適当な量はわかりませんが「プレゼン」「質問」そして新たな要素として「試読」を加え、この三つの時間を増減させながら、ゲームとして最も面白い点を探っていきたいところです。
せっかくなら毎回変動させてもいいかもしれません。
たとえばある回はプレゼン指定を3作品までしか行えず、代わりに質問回数が多い、極端に言えば試読のみ、など。
今後も検討のし甲斐があります。
・先攻後攻の有利不利
自分自身、司会をしながら順番があやふやになってしまい、対戦者にご迷惑をおかけしました。
先攻と後攻どちらがいいのかはわかりません。これは対戦者同士でじゃんけんをして決めてもらったほうがよかったのでしょう。
・会話が停滞しているとき、司会はどの程度まで介入できるか?
録音上、あまり沈黙が続くことは望ましくないため、熟考などで沈黙が続く場面では適度に声を発していました。
ここで難しいのは、対戦者に質問をどの程度していいか。不用意な発言は勝負の公平性に水を差すことになります。
ここで必要なのが聞き役ということになります。自分の隣にもう一人聴く側の出演者がいてくれれば、自分の拙い話術でももう少し盛り上げることができたのではないかと思います。
・ともあれ、次回もぜひ
今回、タイトル画像や宣言ボイスなどはかなり急場で作成や依頼をしまして、それはそれで非常に楽しかったのですが、もっといろいろと凝っても楽しそうだと思いました。
対戦者の二人もまだまだ語り足りないといった様子でしたし、ぜひ今後も機会があれば同じように場を作っていきたいと思います。
事実、自分自身も昨日の今日で頭の中ではセットリスト案が渦を巻いています。
そういったわけで、当日もろもろにご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。