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ksk@ぴよによるノンジャンルみだれ手記

読漫記録:少年ノート(3)/鎌谷悠希/講談社モーニングKC

漫画、というか書物に課せられた制約は、人間の五感のうちの、実に視覚しか使用できないというものである。


だからこそ、その制約をいかにブチ破るかが作家の実力に現れる。
そのためにたくさんの手法が開発されてきたし、きっと今も、今後も、努力が続けられている。


制約をブチ破り、読む物の視覚を通して残りの4つの感覚に訴えるページに出会うことは、漫画を読んでる時のおおきな楽しみだ。
まさにそんなページに出会うことができた。


少年ノートは、ボーイソプラノの少年、蒼井が自身の声、学校の合唱部、その他の人物たちを通して思い悩む漫画だ。
この巻でもまだ解決していないので、概要はこのくらいでいいだろう。


「声変わり」という避けようのない事実を前に、有限の自分の声とどう付き合うか。
それがこの漫画の主軸のドラマだけれど、なにせ歌のシーンの表現力が素晴らしい。
ページを開いて思わず涙してしまった。


自分がするなにがしかの表現で、ここまで震わせられたらどんなに本望か。
これだから漫画は怖い。んで、やめられない。


ちなみに「音」を表現した漫画としては自分は「放課後ウインドオーケストラ」も好きで、特にトランペットの音を表現した、空間を描いたページが好きだ。
そちらが写実的な空間と、きらきらとした質感で描いたのに対して「少年ノート」では、幻想的なイメージと動きの世界で音を表現している。
こういう差もまた面白い。
次巻でもどんなページで魅せてくれるか、期待大。

少年ノート(3) (モーニング KC)

少年ノート(3) (モーニング KC)